チラシやポスターの文字が遊ぶようにデザインされた事例

ポスターやチラシにおいて、文字もデザインの大切な要素の一つです。タイトルや商品名、詳細な情報を記載した説明文など、文字が含まれないということは滅多にありません。そこで今回は、ロゴとしてのデザインではなく文字をポスターデザインの中にうまく組み込んだ作品を選びました。文字をうまくデザインする…言ってしまえば、文字でうまく遊んでいる、そんな印象を受ける作品です。文字を告知内容とうまく絡めてデザインしているところに注目してくださいね。(※紹介するデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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飛び立つ鳥によって浮かび上がる文字は…

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ピンクの背景に描かれているのは白い鳥のシルエット。下の方は細かく、ほとんど塗りつぶしたような状態なので、birdsの文字がはっきりと切り抜かれているのがわかります。しかし上の方に行くにつれ、鳥のシルエットは大きくはっきりと、更には20羽近くの飛び立っていく姿も描かれています。鳥が飛び立ってしまった部分はピンクの背景が見える状態となっていますが、その何もない部分にはさも文字が書かれているかのような感覚を覚えます。これは、見えないものをあたかもあるように補正してしまうという私たちの脳みその特徴をうまく利用したデザイン。「カニッツァの三角形」でも有名な方法です。

月明かりに照らされて – お洒落なポスターデザイン

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こちらは、MOONSHINE（月明かり）の文字に含まれるアルファベットのOを月に見立て、一筋の月明かりが一軒の家を照らしているという、何ともおしゃれなデザインのポスターです。アルファベットの中でも特にOはイラストとして活用しやすく、いろいろな場面で絵の中に取り入れられたデザインは見る機会が多いかもしれません。でも、これほどまでに言葉の意味とイラストがマッチし、神秘的な世界をつくり上げているデザインは、あまり多くないような気がします。作者のおしゃれな遊び心がうかがえます。

何回も言うよ、禁煙 – 常習性のあるタバコを止めさせるポスターデザイン

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禁煙を啓発するポスターでしょうか。中央に大きく描かれているのは、1本のタバコ。そしてそのタバコを構成しているのは、“NOSMORKING”（禁煙）の文字で、縦に横に大きさも様々で並べられています。喫煙者にとっては「もうわかったよ！」と言いたくなるほどの繰り返しかもしれません。常習性のあるタバコを止めさせるためには、これ以上に声をかけなければ効果は期待できないのかも…？作者の遊び心と言うよりは、必死の訴えなのかもしれません。

グラビティ～無重力の世界～を表現した映画ポスター

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ジョージクルーニーとサンドラブロックが主演の、宇宙を舞台にしたSF・ヒューマン・サスペンス映画「グラビティ」（日本名は「ゼロ・グラビティ」）のポスターです。映画の題名である“GRAVITY”の文字フォントは特別なものではなく、至って普通。しかし、AとVが抜け落ちています。人の形にも見えますが、これは無重力空間に放たれてしまった主人公を模しているのでしょうか。オフィシャルで作られたポスターではありませんが、宇宙をイメージしたような背景色と文字、たった2つの要素から映画の世界観を上手に表現できているすばらしい1枚です。

こちらでご紹介した作品から、文字をデザインの一部に取り入れることの面白さや視覚的な効果について学ぶことができます。どの作もデザインの素材は多くありませんが、シンプルだからこそ、文字をデザインの一部として違和感なく取りこめているのかもしれません。文字を文字だけとして扱わない―。デザインすることの楽しさを改めて感じさせられるものばかりですね。