色数を抑えたデザインでスタイリッシュに表現した不動産会社のパンフレット。
表紙は、ビル群を映した都会の風景をベースにグレーや白、ドットの帯を重ねスタイリッシュに画像を加工しました。帯の隙間から見える都会の風景は、どこか洗練された美しさを感じさせ、憧れの都会暮らしをイメージさせます。
表紙とつながる裏表紙は、表紙の画像の不透明度をさらに上げ、霧の奥にかすむような都会の姿を背景にしました。会社の所在地や連絡先などの情報を下部にまとめ、広くスペースを残すことで、余白に溶け込んだ街の姿がうっすらと浮かび上がり、よりモダンで都会的なイメージを表現しています。
中面は、会社の理念や概要、業務内容や取引の流れをシンプルなモノクロのデザインでわかりやすく構成。紙面下部に設けた明るく軽やかなイメージ画像とのコントラストが、鮮やかでスタイリッシュな印象を強く残します。
大人の雰囲気を出す会社案内デザインのポイント
大人の雰囲気を出すデザインをする際には「スタイリッシュ」「ラグジュアリー」「シック」「落ち着き」などがキーワードに挙げられます。
また、会社案内などとなると「信頼」「誠実」といったキーワードも意識しておきたいものです。大人の雰囲気を出す会社案内を作成するうえで意識したデザインのポイントは2つあります。
- 色数を抑えてシックな印象を作る
- 会社ロゴを活かすデザインにする
洗練された会社案内デザインのポイントについてお話していきます。
色数を抑えてシックな印象を作る
大人の雰囲気を出す方法としては色使いが重要です。シックな印象のためには色数を抑えることがポイントになります。カラフルな西洋画と日本伝統の水墨画をイメージするとわかりやすいかもしれません。華やかなイメージのある西洋画に比べ、モノトーンで統一されている水墨画はよりスタイリッシュな印象を受けます。
複数の色を使ってカラフルにしてしまうと、シックとは真逆のポップな印象になってしまうからです。子どもや若者向けのイベントで配布するようなパンフレットであれば、カラフルにするのも効果的でしょう。
パンフレットの読み手は取引相手や新入社員といった「大人」がターゲットになります。硬めの配布物である会社案内では、なるべく色数を抑えることで大人の雰囲気を演出できます。また、使用する色をモノトーンに絞るとスタイリッシュな雰囲気もプラスできます。
作例は不動産会社の会社案内です。モノトーンで構成した表紙と裏面は、大理石のような質感を表した色味に仕上げました。モダンで都会的な雰囲気になるようにグラフィック全体をモノトーンでまとめたのもポイントです。
ちなみにモノトーンとは、1つの色を使い濃淡・明暗のみで表現するカラーリング手法のことをいいます。無彩色である「ホワイト・グレー・ブラック」を基調色とし、これらを組み合わせて使用することもあります。
会社ロゴを活かすデザインにする
案内パンフレットは「何」の案内なのかを明確にしなければなりません。案内したいものによって与えるべき印象も変わるからです。ブランド名や商品名、場所名などにロゴデザインが使用されている場合は、それを前面に出すこともあります。
作例の不動産会社の場合、物件の案内ではなく会社案内のパンフレットになるため、会社のロゴを前面に出したデザインになっています。手にとった人に会社名を周知することも目的の1つです。
会社のロゴがシンプルなデザインであるため、ロゴのイメージや世界観を壊さずにデザインに活かすように心がけました。ビル街の写真を載せていますが、ドット帯を重ねたり不当明度を上げて霞ませたりしてロゴと調和させています。
不動産仲介業という人と人とのつながりが重要な事業であるため、写真を大きめに載せて契約までのイメージをシンプルに表現したのも工夫したポイントです。シックな印象だけでなく好印象を受けるポイントを作っておくことも会社案内には大切です。
制作パンフレットデザインに対する感想
VOICE
洗練されたラグジュアリーな雰囲気のパンフレットデザイン制作例
大理石風のラグジュアリーな佇まいに引き込まれる
グレーとホワイトで表現されたパンフレットは、紙でありながら大理石のように硬質な質感を手に取る人に与えます。都会の街並みの構造美を意識した表紙は、ファジィな輪郭が却って建物のシャープさを引き立てているよう。控えめな社名ロゴも、バランスが絶妙です。
パンフ中面もシックで格式あふれる佇まい
パンフレットの表紙だけでなく、中面も洗練された雰囲気は継続されています。色調を抑えた効果がよく感じられます。文字サイズも小さめ、ロゴもデザイン性の高いシンプルなもの、とイメージをとことんミニマルにまとめているのが特徴になっていますね。とはいえ、グレーとブラックがバランスよく配置されているので、単調なイメージにはなっていません。段落を広く取ったり、見出しを太めの文字であらわすなど、読みやすさへの工夫が随所に感じられます。パンフレット下部にあしらわれている写真も、斜めに切り取ることで、何気ない風景が印象的で先進的なものに見えてきます。色味を最小限に止めることで、握手をする手の力強さ、青い空の清々しさなどが強調されますね。
VOICE
スタイリッシュでも希望を予感させる明るさがあります。
白を多く使用し、明るさを感じさせる表紙です。日が差しているかのような光景は、大きな希望を予感させるかのように。膨大に建ち並ぶビルの上を大きく空けた構図のため、高い空を想像させます。不動産仲介業らしさがありながらも、広大なイメージを与える表紙だと思いました。都会的でありながらも近寄りがたさがなく、誰もが手に取りたくなるパンフレットです。中面にはイメージ写真を配置し、真四角に整列させずに変形させています。
動きが出ることで静止画ながらもよりリアルに感じ、各場面を想像しやすくなると思いました。上部には文字を配置しながらも、間隔をあけて見やすいように。ほどよく改行されていること、図が入ることで見やすく感じました。端的に伝える二つ折りパンフレットらしく、理解しやすい内容になっています。裏表紙はより白さを際立たせ、会社情報のみを下部に記載。会社の位置がすばやく分かるよう、ここだけカラーを入れて際立たせています。モノトーンの中に赤いアクセントが入ることで、スタイリッシュさの中にも温かみを感じられるように。静かなイメージを壊さず、会社の存在感もアピールできていると思いました。
※掲載しているパンフレットのデザインサンプル・モックアップはイメージです。実際のサイズ・仕上がりとは異なる場合がございます。