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光が生み出すハイセンスな空間が生きているミュージックビデオについて

光が生み出すハイセンスな空間が生きているミュージックビデオ制作例

光が生み出すハイセンスな空間が生きているミュージックビデオについて

「闇があるから光がある。そして闇から出てきた人こそ、一番本当に光の有難さが分かるんだ」と言ったのは蟹工船で有名な日本の小説家、小林多喜二です。人間は昔から光と闇を操り、多様な表現方法を産み出してきました。カメラや絵画などの道具はもとより、文学や演劇ではオマージュとして光と闇を描いてきたのです。それは最も古典的な手法かもしれませんが、現代でも多用される基本的な対立構造でもあるのです。

光を描きたければ、まず闇を知ることが大事です。それは映像の世界でも同じではないでしょうか。登場人物に光を当てたければ、いかに闇を操作するかがポイントになるのです。そこで今回は光を効果的に使ったクリエイティブなミュージックビデオを集めてみました。いや、正確には闇を知り尽くしたミュージックビデオと言った方が正しいのかもしれませんね。(※紹介する動画は当サイトの制作事例ではありません)

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光とあらゆる色彩が描く世界観が美しいミュージックビデオ制作例

Mars Motel “Coming Up for Air” Official Music Video

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2019年にニューヨークでデビューしたロックバンド「Mars Motel」の楽曲「Coming Up for Air」のミュージックビデオです。このビデオの監督を務めたジョーダン・パロットは、本作が監督初挑戦。タイトルの「Coming Up for Air」は日本語で「一息いれる・休憩する」という意味がありますが、直訳で「空気を求めてやってくる」という意味でもあります。このビデオを見ていると、人間になりたいアンドロイドが必死に呼吸しようとしているように見えて、この楽曲に様々な意味を持たせているように感じますね。人工的な色彩と光と影が作り出すコントラストが、無機質で機械的な空気感を見事に作り出しています。

後半の間奏部分で差し込まれる画面の四隅のデジタル信号のようなデザインもやり過ぎずにいいアクセントになっていると思います。監督は、カメラのアングルを頭上から撮るようにすることで、医療器具のレンズ越しの感覚を表現したかったとか。光によって、妙に質感がリアルで生々しくなったかと思うと、メタリックな無機質さも同時に見え隠れする、というあらゆるコントラストが複雑に混じりながらも、絶妙にまとまっているミュージックビデオです。

 

美しさと悲しさが共存する心奪われるミュージックビデオ制作例

Sad Heart -Sivan Talmor

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イスラエル人シンガーソングライターSivan Talmorの楽曲「Sad Heart」のミュージックビデオです。アニメーションのような独特のタッチで、特に目を引くのが閃光のような光の作り出す世界観です。とにかく歌詞がタイトルの「Sad Heart(悲しい心)」そのもので、全体を通して、悲しい魂、怒る魂、悲嘆にくれる魂といった言葉が続き、「だって初めから私の心は壊れていたから」と…光を追い求めて光がさす方へひたすら進んでいく姿を、絵本を読んでいるような感覚で追わせるという見せ方は、ミュージックビデオというより、もうショートフィルムの世界です。

全編を通して古いフィルムで撮ったようなノイズやシミもあえて編集で入れられた効果的なエフェクトで、遠い記憶のようなノスタルジックな世界観を出していますね。全体のボケっぷりも同様の効果を生んでいて浮遊感を感じさせます。サビの部分で主人公が飛び跳ねていた空間からグッと離れた瞬間に、これまで森の木々や風景だと思っていた場所が音の波形に変わるところ、そしてまるでカセットテープを解いたかのような無数の線が絡まり合う光景は思わず息をのんでしまうほど美しいです。最後、崖の上で凛と立つ姿に未来への希望と強い意志を感じさせます。

 

光と色彩のコントラストがビビッドなミュージックビデオ制作例

Leon Bridges – “Beyond” (Vertical Video)

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アメリカ人ソウルシンガーのレオン・ブリッジの楽曲「Beyond」のミュージックビデオです。ブラックなトーンに青と赤の光が影のようにさし、独特な世界観を作り出しています。曲が進むにつれて、色使いが変化していき、どこかしら70年代のディスコのミラーボールのようにも感じます。スローな曲調と、鮮やかさが増していく映像のコントラストが印象的なミュージックビデオに仕上がっていますね。

マルチデバイスとクロスデバイス

実はこの動画は、音楽ストリーミングサービスSpotifyでの再生用に縦長の画面比率で作られています。昨今、クリエイターが最も気にするポイントとしてあげられるのは、マルチデバイスやクロスデバイスです。マルチデバイスは、一つのコンテンツをどの端末で観ても同じように観られるようにすること。クロスデバイスは、そのコンテンツを様々なデバイスで流通させ使用することです。webサイトやインターフェイスなどでは意識されますが、映像制作ではあくまで横長の画角で作られることが一般的でした。ですが最近ようやく縦長のスマホ画面を意識して作られることも増えてきたと思います。視聴者がわざわざガジェットを回転させなくても視聴できる映像がこれからもっと増えてくるのではないでしょうか。

 

光の球が幻想的な世界観を作り出すミュージックビデオ制作例

Selah Sue – Always Home (Sörry Remix)

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ベルギー人シンガーソングライターのセラー・スーの楽曲「Always Home」のミュージックビデオです。1人の男性が光る球だけの世界。シンプルの極みではありながら、光で照らされると見えてくる空間の華美さと、真っ黒なスーツでただ無表情に立ち尽くす男性のコントラストが絶妙です。そして、これぞ映像編集のなせる技といったところではないでしょうか。フォトショップのスタンプツールのように光のライトの動きを少しずつずらしながら何重にも重ねることで、光の動きが変則的になり、その数が増えると暗闇が逆に浮き立ち、「光の存在」「闇の存在」それぞれが際立ってきます。

愛する人を失い、心を痛め孤独を感じる女性の気持ちが描かれている楽曲で、「あなたがいれば、そこが私のホームだ」という歌詞が、この幻想的ながらもどこか空虚な世界観とリンクします。最後のカットに登場する光を抱く少年のような存在は、新しい始まりを意味するのか、それとも「家」という原点を意味しているのか、いろいろと考えさせてくれます。光と影を幻想的かつアーティスティックに駆使した秀逸な作品です。

 

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