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MdN『台湾デザイナーズファイル』イベント

MdN『台湾デザイナーズファイル』誕生!台北での出版記念イベントへ。

MdN『台湾デザイナーズファイル』イベント

「日本のクリエイターは台湾でもよく知られていますが、ではその逆は?」デザインを切り口に日本と台湾の架け橋となるべく、台湾を牽引するクリエイター101名(組)を紹介する書籍が MdN から登場しました。

デザイナーズファイル初の海外版となる『台湾デザイナーズファイル』。その出版を記念するイベント「設計土曜日 DESIGN SATURDAY」が、台北にて開催されました。書籍誕生の裏側や台湾デザイン事情の変遷が語られたイベントの様子を、現地からレポートします。

 

初の海外版!MdN『台湾デザイナーズファイル』が登場

台湾デザイナーズファイル

MdN が毎年制作している『MdNデザイナーズファイル』。初の試みとして、台湾で活躍するクリエイターたちを集めた『台湾デザイナーズファイル』が、発売となりました。

広告、装丁、パッケージ、プロダクト、イラストレーションなど、各分野にて活躍中のクリエイターが1冊に集結。国際的に名を知られる重鎮から、活躍の場を広げている注目の新星まで、101名(組)のプロフィールや作品がぎっしり掲載されています。

制作期間2年をかけ、2023年秋についに発売。台湾現地のクリエイター界では、発売と同時に大きな話題を集めており、台湾デザインの今を日本に伝える貴重な1冊として注目が高まっています。

 

出版記念イベント「設計土曜日 DESIGN SATURDAY」へ

設計土曜日 DESIGN SATURDAY_1

設計土曜日 DESIGN SATURDAY_3

設計土曜日 DESIGN SATURDAY_2

出版に合わせて、台北では出版記念イベント「設計土曜日 DESIGN SATURDAY」が催されました。

会場となったのは、2023年春にニューオープンした商業施設「NOKE 忠泰樂生活」。館内にある「TSUTAYA BOOKSTORE」前の大階段にスクリーンが貼られ、ショッピングに訪れた人々が自由に入場できるトークイベントがスタートしました。

トークイベント1

トークイベント2

トークイベントは2部構成になっており、第1部に登壇したのは『台湾デザイナーズファイル』の編集を担当したMdNの金子知里さん(写真右から3番目)と、書籍内にてインタビューも掲載されている台灣設計研究院(=国家級のデザイン戦略機関)院長の張基義さん。

金子さんからは、数ある海外の候補地から台湾に焦点を当て、『台湾デザイナーズファイル』が誕生するに至った経緯や、2年にわたる制作期間中の裏話などが語られました。初めてとなる海外とのコラボレーションで思いがけない出来事に見舞われることもあった中、完成まで漕ぎ着けた並々ならぬ熱量に思わず心を動かされます。

「台湾のデザインが国際的な注目を集め始めた1つの兆候として、(今回の書籍誕生を)大変うれしく思います。」と語るのは、張基義さん(写真中央)。台湾でのデザインの役割、これから取り組まれて行くプロジェクトの構想から、デザイン的思考を高めるために生活の中で心がけていることなどプライベートに至るまで、多様なテーマでのお話が展開されました。

工業地帯の刷新や台湾各空港での旅客体験、台湾では2年ごと行われる選挙の公告に関連する制作物などを例に挙げながら、「分野の境界を超えて、より広い領域にデザインの力を発揮していきたい」と、未来を語る張さんの姿が印象的でした。

 

「台湾デザインにとっての黄金の10年」デザインの変遷を辿るトークイベント

トークイベント4

第2部に登壇したのは、書籍に登場するクリエイターの1人として選ばれた葉忠宜さん(写真中央)と、陽明交通大學建築研究所教授で、建築師としてご活躍されている龔書章さん(写真右)。

イベントの前日には、世界トップクラスのグラフィックデザイナーが集まる「AGI(=国際グラフィック連盟)」の会員として選ばれたばかりの葉さん。会場に集まった方々からお祝いの言葉も贈られる中、「影響我的日本那些人(=私に影響を与えた日本のあの人たち)」というテーマで、デザイナーとしての葉さんを形作ってきた人々や作品についてのお話が展開されました。

トークイベント5

デザインに関する知識がゼロの状態から、2007年に日本へ渡りデザインを学び始めた葉さんは、侘び寂びの文化や卵形のような有機的フォルムの概念に大きな影響を受けたそう。ご自身の事務所名に冠している「卵形」の由来にもなったと語ります。現在は、より主観的でノイズを感じる作品におもしろさを感じると言い、これから訪れるAI時代に向けてのご自身の考えもシェアしてくださりました。

トークイベント6

2010年頃から現在に至るまでを「台湾デザインにとっての黄金の10年」と定義づけた龔さんからは、台湾デザインの変遷についてのお話が。数々の大型プロジェクトを例に、どのような角度から台湾デザインの発展に関わって来られたのかが語られました。

その過程の中で大切にして来たのは、「分野の垣根を越えて若い力を集め、彼らの実力を信じること」だと語る龔さん。その試みが結実し、台北で開催された「世大運(=世界大學運動會/ユニバーシアード)2017」のプロモーションや開会式での演出、国営企業である台電(=台灣電力公司)が行う展覧会など、国家級規模のイベントや公的機関にもデザインの力を発揮することに成功して来たと言います。

龔さんの語った試みの数々は、第1部の台灣設計研究院院長・張さんのお話にもつながる考え方であり、それが確実に実行され始めたところに、近年の台湾デザインが持つ勢いの源がある、と感じさせられます。

 

DJブースも登場!屋外テラスにクリエイターが集う「DESINERS’ NIGHT」へ

DESINERS’ NIGHT_1

DESINERS’ NIGHT_2

DESINERS’ NIGHT_3

まだまだ終わらない『台湾デザイナーズファイル』の出版記念イベント。トークイベント後には「DESINERS’ NIGHT」と名づけられた、招待制パーティーも催されました。

会場は、同じくNOKE 忠泰樂生活の館内にある「Bar Domani」。すぐ隣に建つ大型商業施設・美麗華百樂園の大観覧車を間近に望む屋外テラスにて、参加者同士の交流の場が設けられました。

DESINERS’ NIGHT_4

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パーティーには、なんとDJブースも登場!ブースに立つのは、いずれも台湾で著名なクリエイターであり、DJとしても活動なさっている吳孝儒さん(DJ名:低階霹靂 / 写真1枚目)と、方序中さん(DJ名:低階9 / 写真2枚目)。懐かしのC-POPを取り入れたサウンドがテラスに響き渡り、会場を沸かせます。

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参加者には、書籍に登場したクリエイターたちに加え、書籍の制作や今回のイベントを支えて来た各企業の担当者、プロダクトブランドのオーナー、デザインやライフスタイル関連のメディア記者たちの姿も。おいしいスナックとドリンクを楽しみながら、分野の境界を超えて自由にコミュニケーションを図る様子からは、日本と台湾をつなぐ新たな架け橋の誕生を祝う喜びと感動、満ちあふれるエネルギーがひしひしと伝わって来ます。

今にも化学反応がおこり、もっともっとおもしろいクリエイティブが生まれそうな予感。デザインによって切り開かれていく台湾の未来に、ますます期待が高まるパーティーとなりました。

 

まとめ

台湾を牽引するクリエイター101名(組)が一堂に会し、制作者の熱量もギュッと凝縮された渾身の1冊となっている MdN『台湾デザイナーズファイル』。台湾デザインについての見識を広げられるのはもちろん、台湾のクリエイターとのコラボレーションを検討する際の資料としても、非常に有意義な内容となっております。

『台湾デザイナーズファイル』は、日本の各書店やオンラインストアにて発売中。勢いある台湾デザインの今を、ぜひチェックしてみては?


Mae<プロフィール> Mae
2012年より台湾・台北在住。グラフィックデザイナーとしてお仕事をする傍ら、現地生活や旅行情報を綴るブログ『にじいろ台湾』の運営や、ライターとしても活動しています。日本と近くて、似ているようで、本当は色々違っている。そんな台湾での発見を、みなさんとシェアしていきたいです。
ブログ『にじいろ台湾』 → https://kazukimae.com/

 

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