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シニカルなパッケージデザイン制作例について

宣伝のはずがどこかシニカルなパッケージデザイン制作例

シニカルなパッケージデザイン制作例について

映画や音楽、小説など様々な芸術に触れることで私たちは時に感情を大きく揺さぶられる瞬間があります。しかし、時に思いがけないデザインから喜怒哀楽の感情を揺さぶられることもあるのです。日本の企業パッケージや工業デザインは機能性や広告性に主体が置かれ、誰が見てもわかりやすく、馴染みやすいものが多いような気がします。しかし、海外のデザインに目を向けるとそこには批評や啓蒙など多くのメッセージを受け取ることができます。そこで、今回は日本ではあまり見ることのできない、シニカルでユニークなパッケージデザインを集めてみました。あなたもこれらのデザインからのメッセージを感じ取ってみてください。(※紹介するパッケージデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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棺桶に入った動物たちのお肉のパッケージデザイン

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ベラルーシの首都ミンスクで販売された加工肉のパッケージデザインで、その名も「R.I.Pプロジェクト」です。このロゴにもなっている「R.I.P」は、「安らかに眠れ(ご冥福をお祈りします)」という意味で、それだけでも、このデザインのユニークさを感じます。そして、その横に小さく書かれた「Killed for Sale(販売のために殺された)という言葉と、パッケージに大きく書かれた「BORN TO BECOME FOOD(食べ物になるために生まれた)」という言葉が、食肉そのものの是非を問いかけるような重々しさをもたせています。

デザインもさることながら、配色も絶妙で、金の箔で全体をコーティングされた重厚なボックスはどこか神聖な雰囲気を漂わせています。また、値段や賞味期限、バーコードなどスーパーなどでよく見かける商品のラベルが棺桶の足元に大胆に貼られており、無機質になりがちなそれらの情報もデザインとうまくマッチしていますね。また、素朴な雰囲気で描かれた動物たちは、ヨーロッパでよく見かける伝統的な版画のスタイルを彷彿させ、その芸術性の高さが、人間の野蛮さを揶揄しているかのようです。右の豚の顔なんか、悲しそうで、もしお店で買っても箱を開ける時に食べるのを躊躇してしまいそうです。

 

救急箱から飛び出してきたようなお水のパッケージデザイン

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世界の名水としても名高いジョージア(グルジア)の飲料水メーカー「ボルジョミ」の限定版デザインとして販売されたパッケージです。「FIRST AID AFTER PARTY(パーティー後の応急処置)」に赤十字が大胆に描かれていて、まさかこれがお水のパッケージだとは思いもしないようなデザインになっています。アルコール飲料で使われるような、シンプルかつビビッドな配色と、「FIRST AID」という正反対のコンセプトを混在させることで、そのデザイン性にインパクトを与えています。

この「ボルジョミ」は、ジョージア(グルジア)の地名でもあり、ここで採取される鉱泉水は健康に良いと言われ、1500年以上も現地ジョージアだけではなく、近隣のロシアなどで愛飲されてきた、まさに健康の薬のようなお水なのだそうです。水というどこにでもある日用品だからこそ、デザイン性の高いパッケージがその商品に付加価値をもたらし、現代的な文言を添えることで若い世代にタップすることもできるという、マーケティングの観点からしても非常に巧妙なパッケージです。

 

美味し過ぎて犯罪なお菓子のパッケージデザイン

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イギリスで販売されたお菓子のパッケージデザインです。「Stash」というブランド名は、日本語でいうと「隠す・隠れ場所」という意味。展示棚に書かれている「STASH&DASH」というのも、パッケージのコンセプトとマッチしており、「隠して、走れ」となんだか物騒な言葉が並びます。子供には食べさせられないような代物かと思わせておきながら、その中身は果物とナッツのお菓子。

「SNACKS SO GOOD, THEY’RE CRIMINAL (美味し過ぎて犯罪的なお菓子)」というパッケージに、大きく描かれているイラストはあらゆる犯罪というシニカルさが目を引きます。一般的なお菓子は、甘さをアピールすることが多いのですが、その甘さにあるダークさを「犯罪的」というイメージで引き出すというデザインは、皮肉の国ともいわれるイギリスにはピッタリかもしれません。甘いお菓子を夜中に食べてしまった時の罪悪感ともリンクしそうです。言葉のダークさと、パッケージで使われているカラフルさが、独特の世界観を作り出しており、思わず手に取りたくなるデザインになっています。

 

食べることをためらってしまう魚の缶詰のパッケージデザイン

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スウェーデン発祥の家具量販店「IKEA」が販売する魚の缶詰のパッケージです。「SKARPSILL」は、ヨーロピアンスプラットといわれるニシンの仲間で、魚の酢漬けで有名なスウェーデンならではの食べ物。シンプルなデザインでありながら、缶詰のプルタブが魚の頭部になっており、缶詰を開けるためには、この頭部を折らないといけないということで、「魚を殺して食す」ということを突きつけられているとも感じられます。「IKEA」らしいシンプルさを前面に出したデザインに、北欧らしいトリッキーで少しダークなメッセージ性が加わった、完成度の高いパッケージです。

この「IKEA」のデザインを手がけるのが、スウェーデンの首都ストックホルムを拠点とする「Stockholm Design Lab」というデザイン事務所。極限まで情報量を減らすことで、逆にそこに描かれたものをクリアに強く伝えるという意図が盛り込まれています。食べるためではなく、アート作品として飾っておきたくなるようなデザインでありつつ、強烈なメッセージを潜ませているセンスは「IKEA」のブランド力を感じさせます。

 

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。

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