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斜陽の印刷業界

斜陽と言われる印刷業界でTOP2社はなぜ業績が安定しているのか

今、印刷は厳しい

なぜ印刷業界は、今きびしいのか

パソコンやインターネットが普及しデザインが簡単に自分で出来る様になったことや、ネットプリント会社の台頭で印刷業界は大きな影響を受けています。殆どの企業が売り上げを減らしてしまっているほか、それまで主力であった広告印刷や看板の印刷なども多くの企業が自社で作成したり、デジタルサイネージ等を利用するようになったこともその大きな理由とされ、印刷業界は斜陽とも言われています。

・広告費の削減

その中でもリーマンショック以降から続く”広告費の削減”が印刷業に打撃を与えており、致命的な現象と言われています。従来企業の広告は、企業の業績を伸ばす最高の手段として多くの企業が広告費を潤沢に準備していたものです。様々なパンフレットの作成や展示会のチラシ、新聞の折り込み広告をはじめ、ポスターなども全て印刷物ですから、印刷業は非常に安定した業界であり花形の産業とも言われていました。
しかし長く続く不景気の中で、多くの企業は広告費の削減という道を選択しました。これは単なる印刷の費用というだけでなく、広告のデザイン費用、若しくは展示会や新商品の発表会自体の削減も含まれることから、そのデザインや展示会のサポートを行ってきた企業にとっても大きな打撃を与え、業界自体が低迷する原因となったのです。

・ネットプリントサービスの台頭とデザインの内製化

さらに追い打ちをかける様に、ネットプリントサービスの躍進、自社でデザインを行う(デザインの内製化)企業が増えたことも業界にとっては大きなダメージとなっています。それまでは広告を作成する場合にはデザイン会社や印刷会社に依頼して作成するのが殆どで、仮に企業が自社でデザインを作成してもあくまでもイメージであり、印刷できるデザインにするのは印刷業界の仕事でした。

・デザインソフトの進化と広告のデジタル化

しかし、専用のソフトを利用することで複雑なデザインも簡単に印刷データとして作成でき、性能の良いプリンターが有れば簡単に打ち出して利用することができます。さらに液晶ディスプレイに代表されるデジタルサイネージの普及により、印刷を行わなくてもディスプレイにデータの状態で送信することで高い解像度の広告が掲出できるようになったことで、宣伝広告を費用をかけて印刷する企業が格段に減っています。

 

TOP2社は、印刷以外に活路を見出した

その印刷業界の中でTOP2社と言われるDNPと凸版印刷は、このような状況下でも業績が非常に安定しているとされています。
その大きな理由は、両社とも早くから印刷業だけでなく、その他の分野への進出を早くから行い、多角的経営を行っているからです。DNPと凸版印刷は、古くから雑誌やポスターの印刷のほか、そのデザインなども手掛ける大手印刷会社として知られています。その両社は古くから同時に印刷業以外の事業も手掛けていたことは非常に有名です。その為、印刷業以外の業績が堅調であるために、印刷分野の業績悪化を補って余りある利益を得ることができている点が両者の大きな特徴と言えます。

・半導体、液晶カラーフィルターで高い評価

DNPは半導体を早くから手掛けており、液晶カラーフィルターやその他の半導体部品の開発設計を行っています。元々は本業の印刷業をより活性化させるための手段として始めたものですが、その技術が社内外で高く評価され、現在では本業を凌駕するほどの勢いで売り上げを伸ばしています。独自の特許も数多く取得しており、デジタルサイネージの分野では様々な分野で利用されることで業績を伸ばしているのが実態です。

・建材、太陽電池部品などで多角化

また凸版印刷も建材や太陽電池部品を古くから手掛けており、事業の多角化を推進してきた企業です。凸版印刷は古くから印刷業だけではなく、エレクトロニクスの分野にも進出しており、独自の技術をいくつも開発している会社です。社内に半導体部門が古くから存在し、半導体メーカーとして多くの独自製品を生産しており様々な分野で利用されてきた実績が有ります。その技術は生粋の半導体メーカーと肩を並べるほど成長しており、海外企業の成長により日本国内で多くの半導体メーカーが撤退する中で、いまだに高い技術を持って生産を続けている企業でもあります。

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開発を切るのではなく、開発に託した

印刷不況と言われ多くの印刷業が経営難であえいでいる中で、両社の業績が非常に堅調なのは早くから事業の多角化に着目し、印刷業が堅調な時代にその利益を他の事業に継続的に投資し成長させてきたことによります。印刷業に限らず多くの企業に於いては当座の利益性を重視し、利益性の低い事業には積極的に投資をしないのが一般的です。それでも過去は多くの企業で開発部門を擁していましたが、バブル崩壊後の不景気の際に利益を生み出さない部門として開発部門を解体、若しくは大幅に規模を縮小した企業が多いのです。
その為、印刷業に於いては、本業の印刷業が低迷してしまった現代ではなすすべがなく、倒産に追い込まれることが多くなっています。その意味では、バブル崩壊時に開発部門を解体せずに将来を見据えていた両社に先見の明があったということになると言えるでしょう。

独自性で成長している中小印刷会社もある

また小さな印刷会社であっても、例えば小ロットの活版印刷であったり、特殊な加工技術(セキュリティ印刷や面白い印刷表現)など、何かに特化した企業はデザイナーから支持を得るなどして、業績を伸ばしているところもあります。厳しい情勢においても、差別化や独自のサービスを打ち出しているところは成長していると言えそうです。

 

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