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ピラミッドがモチーフのオブジェ2

ウクライナの建築家が考えるロゴとインスタレーションの作り方

ピラミッドがモチーフのオブジェ2

今や、あらゆる企業・商品・サービスに共通な課題は「ブランディング」。自社の商品やサービスをターゲットに認知してもらうため、様々なデザイン媒体やメディアを通して、商品やサービスの持つコンセプト・アイデンティティを潜めたメッセージに変換して、上手に発信していくことがポイントです。

センスに適うクオリティーの高いデザインであれば、ブランドは多くの人の目に留まり、認知され受け入れられやすいものです。

ブランディングデザインといえば、企業・商品・サービスの質の視覚的な認容を促すロゴやパッケージのデザイン、名刺、封筒、カタログなどの二次元の一貫したデザインが主流ですが、最近では、内容やプレゼンテーションの方法を思いきった企画にし、先進技術や映像、音響、さらには味覚、嗅覚など人間の五感を統合したインスタレーションを含めたブランディングデザインも多く見られるようになりました。

世界の至る所で自社ブランドの名前をかけた様々な展示が行われ、話題となることを競っています。

ロゴとインスタレーションの作り方

今回は、ウクライナの首都キーウで創作活動を展開するプロダクトデザイナーであり建築家、Artem Zakharchenko  氏がアートディレクションを務めたインスタレーションの作品を見ながら、ブランディングについて再考してみましょう。※記事掲載はデザイナーの許諾を得ています。(Thank you, Artem ! )


建築イベントのインスタレーション

ΛRCHSPΛCE (ARCHSPACE)は、2016年10月29日にキーウで行われたイベント「アーキテクチャー・パーティー」です。参加者に、人間にとって過ごしやすい空間とはどんなものか、快適で上質な休息を取れる空間とはいかなるものであるべきか、建築的な問題提起をしながら、空間の重要性や柔軟性を認識してもらうことを目的としました。

ピラミッドがモチーフのオブジェ

カードデザイン

ポスター・チラシデザイン

ブランディングデザイン面から見たこのイベントの特徴は、何と言ってもその一貫性にあります。ロゴのデザインをはじめ、ポスター、リーフレット、インビテーションカード、エンボス加工をしたプラスチックカードのパスに加え、イベント告知のためのビデオクリップ、芸術的な空間構成まで、トータルな一貫したデザインで構成されました。

Zakharchenko 氏は通常、最初に作品を物語るキーワードを設定し、キーワードに沿ったシンプルでエレガントなエッセンスを取り入れた作品を創造する、という制作プロセスをモットーとしています。

ピラミッドがモチーフのオブジェ2




今イベントのグラフィックコンセプトは『ピラミッド』。イベントでの最も重要なプレゼンテーションとして、単純なラインで構成され三次元的に人間工学にマッチしたピラミッド空間の提案と、参加者が体験できるインスタレーションが行われ、Zakharchenko氏は『ピラミッド』をキーワードとして、ロゴや様々なイベント媒体のデザインを取り組みました。

 

ロゴデザイン

ロゴデザインは黒地の三角形の底辺に細字で繊細なサンセリフ系書体で描かれた”ΛRCHSPΛCE”を組み合わせ、大変シンプルに出来上がっています。三角形といっても、正三角形、直角三角形、二等辺三角形など多くの形状があり、その形状の違いで与える印象も変わります。今回の三角形はピラミッドからインスピレーションを受けた二等辺三角形。大地に根付いたピラミッドのようにどっしりとした安定感を感じさせられる様相のロゴマークです。

イベントのビデオクリップやピラミッド・インスタレーションには幻想的なマルチカラーがふんだんに使われているのに対して、このモノクロームのシンプルなロゴだけ見ると、一見何のマークなのか簡単に想像できないミステリアスなテイストですね。

 

ピラミッドがモチーフのオブジェ3

このブランディングが成功した大きな理由は、ピラミッド型の三角形を起点として、シンプルにデザインされた媒体(同じ形態の三角形の一部のラインを使って作られたフライヤーやポスター、ロゴを一面に配したパスなど)と、非日常的かつファンタスティックなイメージでデザインされたインスタレーションが繋がっている点にあります。ミステリアスな三角形は、イベントに参加した人たちにその意味を認知してもらい、記憶に留めてもらう大きな効果を果たしました。

光のオブジェ


まとめ

ビジネスの成果を出すためのブランディングデザインは、瞬間的な注目はもちろんのこと、後々に人々の記憶に残る作用が必要です。Artem Zakharchenko氏のこの作品は、インスタレーションのブランディングの手がけるデザイナーにとって、お手本となるものではないでしょうか。

design : Artem Zakharchenko ( Ukraine )

 

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