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ロゴトレンド2018

シンプルへの反発!2018年のロゴデザイントレンド15選

ロゴトレンド2018

リアルタイムで会員がロゴデザインを投稿できるWEBサービスであり、質の高いロゴに関する記事が読めるWEBマガジン「LogoLounge」。2002年以降27万2千個を超えるロゴが投稿され、定期的に書籍も発刊されています。スタッフはそこに集うロゴを徹底分析し、ロゴデザインの未来を定期的に発信しています。

2018年のロゴデザイントレンドまとめ
(Image credit: LogoLounge)

今回は、そんなLogoLungeから最新情報【2018年のロゴデザインのトレンド】を紹介します。いつも快く対応をしていただいているBill Gardner 氏とスタッフの皆様に感謝です。(Thank you Bill and LogoLounge crew !! )※翻訳・編集・掲載許可をいただいています。

今回はここ数年のロゴのミニマル・シンプル化とは異なる、面白い流れを見ることができます。

2019年のロゴトレンドはこちら

2017年のロゴトレンドはこちら

 

2018年 ロゴデザインのトレンドレポート

90年代

■ はじめに

今年度のロゴトレンドは、クリーンでモダンな見た目から曲線的でレトロなデザインへまるで振り子のようにシフトしており、色と装飾の新たなありかたが反映されているようです。

我々がトレンドを見るとき、それを揺れている振り子のように見たてています。例えば、平面的なロゴから立体的なロゴへの進化を見ることは稀ではないですし、そのまた逆もしかりです。しかし、ここ3年では特に、タイポグラフィの観点からいうと、とても厳格なサンセリフフォントへの移行が多く見られました。グーグルをはじめとして、Verizonやカルバンクライン、センチュリー21などの大手企業もサンセリフからセリフフォントを使ったロゴへ生まれ変わりました。

ここで起こっているのは、透明性を含んだメッセージを明確にすることです。残念なことに、あまりにも簡潔的なロゴはブランドの特徴をも失ってしまいます。しかし、今年はこれに対しての反応として振り子が逆の方向へと揺れ動き始めているのです。

あまりに簡潔的すぎるロゴが増えると、デザイナーたちは逆に装飾をし始めます。とても表現的なロゴが再び流行し始めているのも、懐かしさや再起動といったものを表しているからです。実際に、映画「レディ・プレイヤー・ワン」や「ストレンジャー・シングス」といった作品からもわかるように、懐かしさを求める人が増えているのです。デザイナーたちは、昔のオールドフォントのフォルダを引っ張り出してきて、70年代や80年代、そして90年代初期に流行したデザインを再改良しているようです。まるで髭を生やした男性のような大きくて表現的なセリフフォントは、その装飾によってオーディエンスに新たな観点を与え、全く新しいモダンな方法でまるで過去にタイプスリップしたような感覚を与えてくれるのです。これには、Tiki barsやspeakeasysに加え、男性用のシェービングキットのようなカスタム商品を使いこなすミレニアル世代が最も大きく影響していると考えられます。過去に戻ることで、未来へつなげるものを自ら選択し、現代的な美とともにブレンドすることができるのです。この方法で成功した企業は数多くありますし、これからもその数は増え続けるでしょう。

色の使われ方も劇的に変化しました。今では色の多くがスクリーン上で表示されるので、その色のバリエーションもとても豊富になりました。色の交わりや混合に加えグラデーションが当たり前のように使われるようになりました。これにはインスタグラムをはじめとする、ロゴにグラデーションが使われているアプリが大きく影響していると考えられます。たいていのグラデーションは赤から赤みを帯びたオレンジへなどのとても微妙な変化ですが、インスタグラムのロゴには黄色からピンク、そして紫への極端なグラデーションが使われています。今や人々はグラデーションを色として認識しているのです。このトレンドは今後も成長し続けると考えられます。

これらの三つの動きが全て合わさった懐かしさが、色のトレンドやカスタム性の異なる様々な時代を揺れ動く振り子の原動力となっているのです。今回のトレンドレポートでは終始これらの特徴が多く見られます。

ここで忘れてはいけないのが「トレンド」という言葉は悪い意味ではないこと、そしてトレンドと「トレンディー」つまり明日には忘れ去られている流行という意味は異なるということです。ここでご紹介するのは、ただの流行のはるか外にある未来を動かすロゴデザインです。それらの多くは実験的ですが、最終的には次世代の革新へとデザインを後押しするものになるでしょう。トレンドは、ファッションや食べ物、そしてデザインなど私たちの周りの至る所にあります。たとえそれらが進化して変わっていってしまうとしても、私たちの生活をより多様的で楽しくしてくれるからこそ、私たちはそれらを好み、応用するのです。ここで大事なのは、真似するのではなく、アイデアを展開させて自分のものにしていくということです。

 

ロゴトレンド1 【角丸】

ロゴトレンド1-tumbled
(Image credit: LogoLounge)

波がやがて尖った石やガラスの角を丸くするように、デザイナーも最終的なプレゼンの前にロゴの角にやすりをかけているようです。それはまるで赤ん坊に新しいおもちゃを与える前に、念入りに角にやすりをかけるかのように丁寧です。このロゴの安全性は保障されているのです。これ以上の安全性はないと言わんばかりに、安全性に富んだロゴなのです。角を丸くしたときの仕上がりはある程度想像できることが多いですが、それを過度にすることによって全く異なるメッセージを含んだロゴが出来上がります。

単なる親しみやすいロゴではなく、この特徴によってロゴに意図的なシンプルさが追加されます。徹底的に検査され危険性のあるものをすべて排除した過程や製品、サービスを意味しています。初期アイデアの簡潔性が非常に重要であるのと同様、これらのロゴのほとんどが単色で作られたものだということがわかります。これほど消費者に優しいロゴを持った企業は、もしクライアントに「なぜそんなに丸いの?」と聞かれてもすぐ答えられるはずですね。角をどれだけ丸くするかは、健康的に日焼けしている人と日焼けサロンで日焼けしすぎた人の違いくらい微妙な境界線です。

 

ロゴトレンド2 【平行四辺形】

ロゴトレンド2-parallelogram
(Image credit: LogoLounge)

ロゴデザインの主義の一つとして、右上がりのロゴは前進を表すということがあります。売り上げや生産率のグラフを見たときに右上がりになっている事を誰もが求めるからです。これは、未来に前向きになるか、過去を振り返るかの違いです。今年のロゴトレンドに右上がりの平行四辺形が含まれているのは驚くことではありません。平行四辺形は珍しいものではありませんが、中には驚くべきものがあります。その応用例の数の多さがこのトレンドの魅力を表しています。

平行四辺形という図形そのものは、尖っていて攻撃的な態度を表しています。しかし、完璧な状態でその動きを捉えれば、たちまち文字を運ぶ車の役割や、より大きなメッセージを乗せる役割を果たすようになります。Carlingのロゴで主役を務めている平行四辺形や、Stripeのロゴの「i」の文字を見てください。その他のロゴでもスピード感を与える役割をしています。装飾などをする必要は全くありません。これらは全てクリーンなイメージを持ち、クライアントの「右上がりを目指す」様子を表しています。

 

ロゴトレンド3 【アウトライン(縁)】

ロゴトレンド3-outline
(Image credit: LogoLounge)

プロのスポーツチームのロゴを、太いグレーのアウトラインで囲まずに作るデザイナーはおそらくいないでしょう。スポーツチームのロゴといえばグレーのアウトラインですからね。これが影響したかどうかは定かではありませんが、ここ1年で全くスポーツと関係ないにもかかわらず、太いグレーのアウトラインで囲まれたロゴが見られるようになりました。それはまるで、高級なエネルギーが見じみだす天体的なオーラのようです。

ハイライトの加わったアウトラインはロゴに良いアクセントや機能性を与えますが、それの持つ意味についても考える必要があります。それがスポーツチームのロゴであれば、団結力やチームワークを意味し、どんなカラーフィールドでも見えるロゴデザインになります。よく見ると、Acid Pineappleのロゴには二重のアウトラインがあります。一見地味な見た目のロゴにポップな装飾を加えることでオーディエンスの目を引き、そのロゴの持つグラフィックエネルギーを発揮することができるのです。

 

ロゴトレンド4 【現代宗教】

2018年のロゴデザイントレンドまとめ
(Image credit: LogoLounge)

最初に言っておきますが、このトレンドは単なるどこにでもあるようなデザインではありません。Tシャツやロックバンドのドラムセットに使われていそうなデザインですが、なによりもこのトレンドの高級感あふれるシンボリズムによってデザインを愛する人々の絆は深まります。これらの星や宝石、ハート、矢、骸骨は秘密組織の言い伝えに多く登場することから、それらの本質は都市伝説のようなシンボルとして広く知られています。もしかしたら、私たちは知らない間にデザイナーのカルト集団の仲間入りをさせられているだけなのかもしれません…。

デザインの観点からいうと、腕のいいデザイナーたちが空虚な素材からどれだけ立派な砦を作り上げられるかを証明している美しいトレンドなのです。空想のプロジェクトのためのデザインにもちゃんと価値があります。生贄と引き換えに月や大剣を手に入れることができるように、これらのロゴも見た目とは異なるものを表しているのです。

 

ロゴトレンド5 【ネオビンテージ】

ロゴトレンド5-neovintage
(Image credit: LogoLounge)

過去に影響されたテーマをベースにしたロゴが、トレンド入りすることは珍しいことではありません。映画のスピンオフとリメイクを制作することとあまり変わりません。過去の作品をベースに物を作ることは少し罪悪感が伴う行為ですが、ロゴデザインにおいてはアドバンテージでしかありません。それが加速し続ける動きにブレーキをかけるような解毒剤としての役割を果たすにしても、ここから我々が目指す場所について考える間の時間を埋める役割を果たすにしても。過去に戻るということは古き良き時代に帰郷することですが、近代の優秀なデザイナーたちに会いに行くことでもあります。

ここでご紹介するのは、ここ1世紀のデザインから抜粋されたデザインです。広告キャラクターたちの復活からもわかるように、中世期のモダンデザインの人気は今でも衰えていません。このレポートで紹介しているほかのロゴとは異なり、元となるアイデアイメージにタイポグラフィを混合させたデザインが多く使われています。このトレンドで注目すべきことは、サポート役となるイラストのど真ん中に、タイポグラフィやワードマークが大胆に置かれていることです。楽しくてリラックスした雰囲気でありながら質が高く、恋愛小説のような重みを持ち合わせるトレンドです。

 

ロゴトレンド6 【モノクロ+ヒップスター】

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(Image credit: LogoLounge)

ヒップスターという言葉には、現状から逃れ新たな観点を得るという意味があります。このトレンドが初めて存在を確立し始めたのは、ヒップスターのバッジの素材がオンラインで普及し始めた数年前に遡ります。このトレンドを見るときに、デザイナーがヒップスターなのか、ターゲット消費者がヒップスターなのかを問う必要があります。幸いなことに、このトレンドは弓矢やカジュアルスクリプトなどのすでに確立されていたアイコンから派生したものです。

一見古風に見える素材を革新的な方法で見せているのがこれらのロゴの賢いところです。ここ10年ほどで応用されるようになったモノライン(=強弱のない単一線)が使用されていることも見て取れます。これらは、統一性や歴史に関係する文化を表すと同時に、次世代へ目を向けたデザインでもあります。

 

ロゴトレンド7 【設立年表記(EST)+トレードマーク】

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(Image credit: LogoLounge)

今や至る所で見られるようになったバッジ型のロゴには、設立、トレード、マークという3つの大きな単語が関係しています。クラスタ化された文字と数字、そしてグラフィック要素によって生み出された純粋なバランスは、文字を巧みに操る専門家にのみ生み出せるものです。それはまるで、精密な秤で同じ数ずつ文字の重さを測っているかのようです。右側に4桁の数字があれば左柄にもESTBの4文字を置くべきなのか?そして最も重要なことは、商標をTRD MRKと略すならば、消費者はTRDという3文字からトレードと読むことができるか?

私たちのロゴ製作に対する情熱はこのたった2つのパラグラフで語ることはできません。この新たなトレンドでは、小売ビジネスが懸命に大手企業に対抗しています。仮にそれが2018年に設立された企業であったとしても、この賢いロゴデザインのおかげで大いなる遺産を表現しているのです。

 

ロゴトレンド8 【ブルーパープル】

ロゴトレンド8-blurple
(Image credit: LogoLounge)

今やロゴデザインにグラデーションが当たり前のように使われています。インスタグラムのように派手なデザインの人気の傍ら、このトレンドには繊細さがあります。黒や青や紫の単色でも作成可能なロゴを敢えてグラデーションにしています。でも、もっと微妙な色の変化を加えるとどうなるでしょうか?青から1、2度だけ紫よりに移行したり、彩度を100%から80%に変化させたりするとどうでしょうか?ブランディングにはこういった新しいスペクトラムが浸透し始めています。

TモバイルのマゼンタやFedExのオレンジとバイオレットの時代が、黄色から黄みを帯びたオレンジのBelfast社の時代へと変わっていっているのです。まるでロゴの半分に光がちゃんと当たっていないように見えるほどの微妙な色の変化となっています。SNSの普及により画面上でRGBを使ったデザインが作られる時代になったことを示唆しているといえるでしょう。ブルーパープルのトレンドはただの青と紫の中間色ではなく、一歩ずつ歩むような細かい変化を意味しています。

 

ロゴトレンド9 【金ピカ】

ロゴトレンド9-gold
(Image credit: LogoLounge)

今まではクライアントから金ぴかのロゴの要望があることが多かったのに対し、今ではデザイナーたちがそれを提案するようになりました。上で紹介した微妙なグラデーションのトレンドを後継するように、個性的な色のロゴが増えているのです。まるでホイルやメタリックインクを使ったようなロゴは、古風でありながらスクリーンの上ではあまり効果を発揮できないというジレンマを抱えています。現代のデザイン界では紙媒体よりもデジタルイメージの重要性が増加していますが、ここで主導権を握っているのが金色であることに変わりありません。

それどころが、雇われているエージェントがよりパワフルになっているのです。表現の柔軟性は尽きることを知りません。ゴールド単色のロゴが欲しければ、そうしましょう。光沢やモノグラムのBの文字のようにテクスチャーが欲しければそうしましょう。もしくはデジタルっぽく、ロゴ全体に色落ちのような効果とレンズフレアを加えることもできますが・・・やめておいたほうがいいですね。金色は、その使い方さえ間違わなければ、他の色には絶対に見られない14金ゴールドの持つ威信、優美さ、そして洗練された質を持っていることがわかります。世間が期待するのはロゴの色であり、アプリの内容ではないのです。

 

ロゴトレンド10【幅の広いグラデーション】

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(Image credit: LogoLounge)

賢いデザイナーなら、過去と未来は切っても切れない関係にあり、自分の作品を発見と呼ぶべきだということがわかるでしょう。1972のヴァーナー・パントンの独創性に富んだテキスタイルデザインを筆頭に、揺れるような曲線美と鮮やかな段階的なストライプで作り出されたグラデーションのウォールアートやカーペットの時代が始まりました。素晴らしいハリスストアのロゴで知られるソール・バスはこの効果を利用して70年代に成功を収めました。2016年のトレンドレポートのOmbreと類似しているようにも見えますが、段階的なグラデーションがこのトレンドの特徴となります。

新世代の目を引くのはこのアナログなグラデーションの新鮮さと鮮やかさと、少しのレトロ感です。ロゴデザイナーのアーロン・ドラプリン(Aaron Draplin)はこれをより現代らしく応用してもう一度呼び戻しました。ストライプを様々な要素と混合してより優れたロゴを作り出す考えと応用性によって、グラデーションの復権が可能となったのです。

 

ロゴトレンド11【線形のグラデーション】

ロゴトレンド11-linearfade
(Image credit: LogoLounge)

トレンドの中には微妙に異なるトレンドが存在しますが、これらにはちゃんと意味があります。あるトレンドを少しだけ変更したようにしか見えないものでも、とても大きな違いに見えることがあるからです。このトレンドは先ほどの「幅の広いグラデーション」と同様の特徴を持っていながら全く異なります。すでに知られている段階的なグラデーションを水路のような線で分割すれば、全く新しい子孫の誕生です。これは、とても慎重ながらとても重要な進化だと言えます。

線で分割されたことによって、幅の広いグラデーションよりもしっかりとしたロゴに仕上がっています。ストライプの幅と同じ線で分割されているものもあれば、はるかに細い線で分割されているものもあります。一見企業ロゴに多く使われそうに見えるこれらのロゴは、その色使いによってはスタイリッシュで楽観的なイメージを持ちます。そしてそのデザインがシンプルであればあるほど、より効果的なのです。線で分割されたことによって、短命なロゴデザインに複雑さが加わります。

 

ロゴトレンド12【力線】

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(Image credit: LogoLounge)

まるでロゴが主役の映画の製作が決まったかのようにモノラインが張り切って、ケプラーの発見した力線のような形を作り出しています。このトレンドレポ―ドで登場するモノラインはもはやあなたのすべての予測を裏切るでしょう。かつては、細い線が物の外形を表すように使われていました。しかしその線は太さを増し、体積をも持つようになったのです。正直言って、最近減ってきたと思われていたラインワークが、かつてロゴの黄金時代を制したロゴたちを思い出させるような太くて堂々とした線によって置き換えられたのは良いことです。

これからまたラインワークを使ったロゴが増えるのを期待したいところですが、これらのロゴのネガティブスペースでラインワークをするのは少し難しいかもしれません。これらのロゴを色でいっぱいにするのは、すでに完璧なものに手を加えることになります。計算された機能的な美しさを表すのにちょうどよい密度を保った線が使われているからです。そのバランスの取れたコントラストは、遠目で見たときも小さく縮小されたときも見やすいように作られています。

 

ロゴトレンド13【カット】

ロゴトレンド13-cut
(Image credit: LogoLounge)

デザイナーに限らず、私たちは字形について真剣に考えすぎてしまう時があります。タイポグラフィの専門家は誰しも、世間はフォントについてかなり厳しい目を持っていることを知っています。文字を装飾すれば評価も上がりますが、文字の一部を切り取れば仕事の停止を命じられかねません。しかし、このトレンドのロゴを作ったデザイナーたちは敢えてその停止命令を煽るようなスタイルで消費者の目を引いています。

その文字の切り取り方はとても賢明であり、全く文字が読めなくなることはありません。私たち人間は、空白を埋めることをとても得意とする頭の良い生き物だからです。しかし、その切り取り方次第で全く無意味なジェスチャーにも、ブランドの内容を明確に伝える賢い手段にもなりうるのです。Slate社の新しいロゴでは、Aが読みづらくなることを避けながら、ジャーナルの編集やコンテンツの重なりといった企業のプロセスを表現しています。ユーモアと慎重さをうまく使ったこれらのロゴはDisruption 101にも相当するほどの価値を持っています。(※disruption 101には大きな影響力を持つ企業などが紹介されていますので、それほどの価値を持つデザイントレンドだという意味で使われていると思われます)

 

ロゴトレンド14【帰ってきたセリフ書体】

ロゴトレンド14-serifredux
(Image credit: LogoLounge)

かつてのリブランドブームで、多くの有名企業がその心をサンセリフに捧げたのを覚えているでしょうか。セリフフォントが衰え続ける中、このロゴたちは声を大きくして主張しています。もしかしたら、全ての文字にセリフが使われているストレンジャー・シングズのロゴに感化された新生デザイナーたちの仕業かもしれません。過去を振り返っていながらも、現代文化に影響と与えるようなドラマとなっています。このドラマをきっかけに、昔のフォントフォルダから失われたセリフを再発掘してきたデザイナーたちも少なくないかもしれません。

Lebland Maschmeyerの先導によるChobani社のリブランディングでは、以前の近未来的なサンセリフフォントとは異なり、温かみと人間性のある堂々とした企業性を表すロゴが誕生しました。現在のロゴデザインの流行と反するセリフフォントは、文字にくっついた小さなでっぱりが、愛されていたかつての良き時代を振り返る機会を与えてくれます。また、このトレンドの復帰により最近忘れかけられていた小文字を使ったロゴも見られるようになりました。自然が真空を嫌うのと同様にこのデザイナーたちもサンセリフを正さずにはいられないのです。

 

ロゴトレンド15【句読点】

ロゴトレンド15-punctuation
(Image credit: LogoLounge)

ロゴが自らメッセージを伝えることができるのは、デザイナーの簡潔な仕事のおかげです。ロゴの横に説明文を添えるわけにはいかないですからね。しかし昨年、句読点によって新たなメッセージを含んだロゴが目を引きました。文学オタクたちならまずこのトレンドを支援でしょうが、企業名の終わりについている点や〇は単なるオシャレではありません。これらのピリオドやコンマやコロンなどは、消費者との会話について考えるという新たなアプローチなのです。

「Redbox」は文章ではありませんが、ピリオドがつくことによって無駄なディスカッションの不要性を表しています。これ以上言うことはないということです。手紙の頭語のように、消費者への挨拶と今後の流れを一度に伝えています。Winc.のロゴのinc.は、最後のピリオドがあるからこそ「incorporated」(inc.)を表す略語として機能しているのです。句読点を使ったトレンドは立ち位置を確保しつつありますが、使い方を間違いやすいものについては懸念する必要がありそうです。

 

■あとがき

2018年のロゴトレンドについて – LogoLoungeより

今年で16年目になるこのトレンド記事では、何千ものロゴの中からトレンドとして浮上しているロゴのニュアンスや芸術を一つ一つレビューしていく機会を私たちは再び得ることができました。ロゴの一つ一つが世界中のデザイナーが何時間もの考察と苦悩の末に生み出したものだということを改めて理解し、そのひたむきさに恐縮すると当時にこのトレンド記事を執筆するにあたって重要な役割を果たしてくださったことに感謝しています。今までと現在、そしてこの先の未来のトレンドレポートに関わるすべてのデザイナーたちに感謝の気持ちを伝えたいです。独自の観察を参考にさせてくださったデザイナーたちにも特別な感謝を申し上げます。今年のロゴトレンドのさらに詳しい情報については、LinkedIn Learning(元Lynda.com)をご参照ください。

ビル・ガードナー(Bill Gardner)について

ビル・ガードナー(Bill Gardner)はGardner Designの代表及び、リアルタイムで会員がロゴデザインを投稿したりキーワードやデザイナー名、クライアントタイプなどから検索ができるサイトLogoLounge.comの設立者です。ロゴデザイナー向けの記事やニュースなども掲載しています。ビルへの問い合わせはbill@logolounge.comから。

LogoLounge について

Logolounge.comは今あるサイトの中で最も広範囲に及ぶロゴ検索が可能なデータベースです。2002年以降、27万2千個を超えるロゴが投稿され、プロフェッショナルにデザインされたロゴの宝庫として成長を続けています。投稿されたロゴの中には、世界的なグラフィックデザインのベストセラーであるLogoLoungeのブックシリーズに掲載されるものもあります。LogoLoungeブックシリーズでは(現在1~10巻まで出版されています)、世界中からLogoLoungeに投稿されたロゴの中からロゴデザイン業界で最も尊敬されるデザイナーたちによって選ばれた優れたロゴデザインについて、さらに深く知ることができます。2016年にLogoLoungeが立ち上げた次世代のデザイナー向けのLogoLounge Leapのメンバーシップでは、教育者や学生たちがオンライン資料や教材に無償でアクセスできたり、とてもお得なディスカウントで手に入れることができます。 メンバーシップやロゴデザインニュースについての詳しい情報については、LogoLounge.comをご覧ください。

 

参考 : LogoLounge  ©2018 Logolounge Inc.

 

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