国際陸連が新名称「ワールドアスレチックス」と新ロゴの使用を開始

国際陸上競技連盟のロゴデザイン

©️World Athletics – Marketing Team

国際陸上競技連盟(International Association of Athletics Federations)が組織の新しい名称「World Athletics」(ワールドアスレチックス)の使用を正式に開始したことを同団体のサイトで2019年11月11日(現地時間)にアナウンスしました。それとともに6月に公表されていた新しいロゴも従来のものに代わって使われることになりました。サイトのURLもこれまでの「iaaf.org」から「worldathletics.org」に変わりました。

 

多くの意味が凝集したシンボルマークのデザイン

新しいロゴについての詳細は6月にすでに公表されています。ワールドアスレチックスは旧IAAF時代にロゴに込められた意味を説明する動画をTwitterに投稿していました。

ブランディング©️World Athletics – Marketing Team

扇を広げたようにも見えるシンボルマークの輪郭には3つの要素が組み合わされています。直線で構成された下辺はWorldの頭文字「W」を示しています。このWのラインは勝利に歓喜するアスリートが掲げる両手の象徴にもなっています。

また、Wの中にはAthleticsの頭文字「A」も含まれています。この頂点を持つ直線は、これから進む道の前でアスリートが集中していることを表しています。そして、上部の弧を描く曲線はすべてのアスリートが集うことの象徴です。

ロゴの成り立ち©️World Athletics – Marketing Team

シンボルを横切る曲線は陸上トラックを表しています。4本のレーンが描かれていますが、走る、跳ぶ、投げる、歩く、という陸上競技の4つのカテゴリーを意味しています。

ロゴの成り立ち©️World Athletics – Marketing Team

トラックを表現しているこのデザイン以外に3つのライン・パターンがあり、ラインのデザインを入れ替えることで、4つの競技カテゴリーを表すことができます。現時点ではガイドラインなどで確認ができていないのですが、カテゴリーカラーもそれぞれ設定されているようです。

カードデザイン©️World Athletics – Marketing Team

 

個性的な数字を含むサンセリフのカスタム書体デザイン

カスタム書体デザイン©️World Athletics – Marketing Team

サンセリフ系のワードロゴは一見HelveticaやArialのBoldなどとあまり違いがなさそうに見えながら、所々に強い特徴が見られます。「WORLD」の「R」の足(レッグ)と「ATHLETICS」の「A」の横棒(クロスバー)が直線ではなく曲線になっています。「R」は動きを感じさせますし、「A」はトラックのようにも見えます。

カスタム書体デザイン2©️World Athletics – Marketing Team

また「ATHLETICS」の「S」は背骨(スパイン)が直線になっていて、短距離トラックを感じる人がいるかもしれません。「WORLD」の「D」にもわずかながら直線部分が追加されているように見えます。カスタムフォントセットのアルファベットは大文字しかありませんが、ほかに「B」「K」「P」にも同様の特徴が見られます。さらに数字は0〜9までのほとんどが個性的なキャラクターを持っています。

 

名称変更とロゴに込められた思い

ロゴに込められた想い©️World Athletics – Marketing Team

国際陸上競技連盟は創立以来100年以上も略称「IAAF」で呼ばれてきましたが、陸上競技界の外ではあまり認知度が高くありませんでした。

ワールドアスレチックスのセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、IAAFの意味を訊ねられ、時間をかけて説明しなければならない場面が幾度となくあったと述べています。コー会長は若い世代にもっとアピールするために名前の変更が必要だと考えていました。

「私たちは、放送界、メディアパートナー、ファン、アスリートの意見に耳を傾けます。そしてこの新しいブランドが若い人々との繋がりを強める力となると信じています」(セバスチャン・コー会長談)

また、時代とともに成長し変わっていくというスポーツ本来の特徴を、デジタルの世界で生き生きと反映するロゴを作ることができたとコー会長は語っています。

国際陸上競技連盟(IAAF)は近年スキャンダルが相次ぎました。前会長時代のドーピング違反や違反調査における不正、金銭授受問題などです。また、2019年の世界陸上ドーハ大会では過酷な環境のために多数の棄権者が出たことが問題となりました。そういったマイナス面の払拭も今回のリブランディングに期待されているでしょう。

 

国際陸上競技連盟、そしてワールドアスレチックス

国際陸上競技連盟は1912年に創立されました。陸上競技、競歩、ロードランニング、クロスカントリー、トレイルランニング、ウルトラマラソンなどのルールを整備し、加盟団体の統括と世界的競技大会の運営をおこないます。本部は現在モナコ。1914年から競技規則を定め、世界記録の公認を開始しました。

1983年から2年に1回世界陸上協議選手権大会を開催しています。設立当初は「International Amateur Athletic Federation」という名称でアマチュアのための組織でした。1980年代以降はプロ選手の競技参加を認めるようになります。

2001年には「Amateur」(アマチュア)を外し、「International Association of Athletics Federations」と名称を変更しました。2019年10月の世界陸上ドーハ大会後の組織会議で「World Athletics」への名称変更が正式に承認されました。

 

スポーツとアスレチックス

「スポーツ」(sports)はアマチュアが楽しみのために身体を使っておこなう活動で、「アスレチックス」(athletics)は勝者を決める目的でおこなう競技である、という区別をする考え方もあります。しかし、英語圏でも日常的には同じような意味で使われているようです。また、イギリス英語とアメリカ英語で意味が少し異なります。イギリス英語では「athletics」は主に陸上競技のことですが、アメリカ英語ではスポーツ全般を指します。

1999年に国際オリンピック委員会(IOC)は国際チェス連盟(FIDE)を国際競技連盟として承認し、チェスを世界のメジャースポーツ30種のひとつとなりました。これにより、チェスがオリンピックの正式種目になる可能性を持ちましたが、チェスはスポーツかどうかについて人々の間では意見が分かれています。IOCの承認競技には他にコントラクトブリッジもあります。チェスやコントラクトブリッジは頭脳スポーツ(mind sports)とも呼ばれています。

 

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