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トリップアドバイザーの新ロゴ

トリップアドバイザーが設立20年を機にブランドロゴをリニューアル

トリップアドバイザーがロゴリニューアル

世界最大の旅行プラットフォームであるトリップアドバイザー(Tripadvisor)がブランドをリニューアルしました。創業以来これまで使われてきたロゴが設立20年を迎えた2020年2月から新しいデザインのものに置き換わっています。シンボルのフクロウは化粧直しを施され、ワードロゴも変更されました。

 

なぜフクロウがシンボルロゴなのか

トリップアドバイザーの旧ロゴデザイン

Aleksei – stock.adobe.com (トリップアドバイザーの旧ロゴ)

トリップアドバイザーのシンボルマークは「オリー(Ollie)」という名前のフクロウです。なぜフクロウがシンボルあるいはマスコットとして選ばれたのか、このシンボルマークの意味は何なのか、などについての公式なアナウンスはありません。しかし、欧米では一般的にフクロウは知恵の象徴です。楽しく実りある旅行をするためには知識と経験が必要ですから、そういう理由でフクロウをモチーフにした可能性は十分考えられます。

また、双眼鏡でのぞいている様子をシンボライズしていると解釈している人も多くいるようです。これまで使われてきたオリー君を見ると特にそう思えます。もしそうであれば、双眼鏡は調査を象徴しているのでトリップアドバイザーのコンセプトにマッチしています。旧ロゴの目の色が赤とグリーンなのは、良いか悪いかの評価を意味していると考える人もいます。

 

シンプルになったオリー君

トリップアドバイザーの新ロゴ

・トリップアドバイザーの新ロゴ / keBu.Medien – stock.adobe.com

今回のリニューアルでシンボルマークはシンプルになりました。全体にミニマルデザインの方向性で手直しされています。黒に加えて3色が使われていましたがモノクロに変更されました。目を表現していた円は二重から一重に単純化。頭部もふくめ旧ロゴではラインの太さがまちまちでしたが統一されています。トリップアドバイザーの米国公式サイトのブログでグリッドを確認できますが、それを見ると単純な幾何学図形で構成されていることがわかります。以上の結果、リニューアルされたオリー君は以前よりも力強い仕上がりとなっています。今回のリニューアルを手がけたクリエイティブスタジオMother Designによると、あらゆる使用サイズでロゴの再現性を高めるために洗練させたということです。




また、アニメーション展開を見ると新しいデザインが効果的に機能していることがわかります。巨大なプロジェクション画面からウェアラブルデバイスまでいかなるサイズでも視認性を確保することはロゴデザインにおいてますます重視されています。さらに、モーションロゴも2020年の大きなロゴトレンドのひとつとして予測されているのでトリップアドバイザーの対応もそのひとつのケースと考えられます。

 

幾何学的なサンセリフ系カスタム書体のワードロゴ

ワードロゴは旧ロゴでもサンセリフ系でしたが、より幾何学的な書体に変更されています。このFuturaやCentury Gothicなどを思い起こさせる書体は「Trip Sans」と名付けられたオリジナルの書体です。フォントメーカーColophonによってさまざまなウエイトでフルセットが準備されています。極太の書体(Ultra)で組まれたワードロゴは新しいオリー君と完璧にマッチしています。また、以前のワードロゴは「trip」と「advisor」が色分けされていて「t」も小文字でした。今回のリニューアルでオリー君と同じくモノクロになるとともに、大文字の「T」に変えられました。これは次のセクションで述べるブランド名表記の変更にも関係があります。

 

知名度の向上による「TripAdvisor」から「Tripadvisor」への変更

ワードロゴから離れてテキストの中でのブランドの表記を見ると、トリップアドバイザーのこれまでの英語表記は「TripAdvisor」と「T」と「A」を大文字にしてきました(pとAの間にスペースは入れません)。今回のリニューアルでテキストでの表記が「TripAdvisor」から「Tripadvisor」に変更されました。

ひとつの単語の中にある文字を大文字にする表記スタイルは、ラクダのこぶになぞらえて「キャメルケース(camelcase)」と呼ばれています。元々はプログラムのコーディングで視認性を高めるために使われていた手法です。こうすることで複数の単語を組み合わせた複合語の要素がわかりやすくするなります。FedEx、PayPal、PowerPoint、MacBookなど、ブランドやプロダクト、機能の名前でもよく利用されています。頭を小文字にした「iPhone」もキャメルケースのひとつです。

トリップアドバイザーのブランド名「tripadvisor」も「trip」と「advisor」を組み合わせた複合語です。tri-pad-visorなのかtrip-advisorなのかすぐに見分けられない可能性があります。「TripAdvisor」とすれば何を組み合わせたを正しく伝えられます。知名度が低い設立当初の選択としては正しかったのですが、いまや「Tripadvisor」としても「Trip-advisor」と認識できない人の率は低いだろうという判断です。固有名詞なので大文字で始めています。これがワードロゴの色分けと表記が変わった理由です。

 

カラーパレットと旅行関連アイコン

 

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ロゴはモノクロですが、新しいカラーパレットが用意されました。「TripGreen(トリップグリーン)」を基本に、オーキッド(薄紫)、サーモンピンク、ローズ、サンド、モスグリーン、パイングリーン、マスタード、黒、白という内容です。オリー君のロゴは必要に応じてTripGreenの円に入れてレイアウトされます。

また、食事や宿泊施設、チケット、ハイキング、検索など旅行に関する事物やサイトの機能などを表すアイコンも新たに作成されました。Trip Sansフォントとも違和感なく組み合わせられるデザインになっています。

これらの新しいデザインは2020年2月現在ではまだ公式サイトの一部にしか反映されていないようです。また、Mother Designも “リブランディングに基づくルック&フィールの刷新は途上にある” とコメントしていますので、今後どのように変わっていくかしばらく注視する必要がありそうです。

 

旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」とは

2018年には月に4億9千万人が訪れたというトリップアドバイザーはまぎれもなく世界最大の旅行関連情報の口コミサイトです。ホテルやレストラン、観光スポット、フライトなどについて調べることができます。現CEOのスティーブン・コーファー(Stephen Kaufer)を含む4人が2000年2月1日に設立しました。

 

デザイン事務所 Mother DesignとColophon

トリップアドバイザーのリブランディングを手がけたMother Designは2006年設立のスタジオです。ロンドンとニューヨークに拠点を構え、ブランディング戦略やブランドアイデンティティの構築、ユーザーインターフェイス、パッケージデザイン、体験デザインなどのサービスを提供しています。同社サイトにはミニマリズムを基調としたロゴのさまざまなアイデアを見ることができます。中でもモーションロゴは2020年のトレンドや先端のデザインを探るうえで参考になるでしょう。

カスタム書体「Trip Sans」を製作したColophonもロンドンとロサンゼルスに拠点をもつタイプ・ファウンドリー(書体メーカー)です。ドーナッツのファーストフードDunkin’、宿泊予約サイトBooking.com、Googleなどにカスタム書体を提供しています。

Mother DesignとColophonのいずれのサイトも、そのデザイン自体がひとつのショーケースとしてインスピレーションを与えてくれると思いますので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

 

※公式WEBサイト情報もあわせてご確認ください。



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