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シェイクスピアの演劇のポスターデザインについて

シェイクスピアが描くキャラの濃い男性が主人公の作品ポスターデザイン作例

シェイクスピアの演劇のポスターデザインについて
「演劇なんて興味ない」いう人であっても、「シェイクスピアなんて聞いたことない」という人は皆無に近いのではないでしょうか。イギリスが生んだ時代を超えて愛されている劇作家ウィリアム・シェイクスピア。彼が紡いだ物語は国籍や人種を問わない人間の普遍性を描くものばかりで、だからこそ世界中の言語に翻訳され、翻案され、観客はもちろん、演劇に携わる人々の心を掴んできたのでしょう。

シェイクスピア作品には、可憐なお姫様から欲にまみれた女王、復讐に燃える王子から、妖精まで多彩なキャラクターが登場します。そこで、今回はシェイクスピア作品を語る上で外すことができない、キャラの濃い男性を主人公にした作品ポスターデザインを集めてみました。あなたの心を掴むキャラクターを探してみてください。(※紹介するポスターデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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コラージュアートを使った現代的な「マクベス」のポスターデザイン

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2011年にイギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで上演された「マクベス」の公演ポスターデザインです。勇敢で果敢な将軍マクベスが、スコットランド王という座を手に入れ死守するために、あらゆる敵と戦い続ける物語。マクベスを彷彿させる男性の表情は、真っ赤な男女の見分けもつかぬ無表情な仮面のような顔によって隠されています。スコットランド王という輝かしくそして同時に重い立場を象徴する王冠がイラストになっていることで、絵物語のような空虚な意味がそこに加わっているのが面白いですね。どこか臆病で小心者なマクベスの背中を押し続ける貪欲なマクベス夫人の存在が、あの真っ赤な無表情な顔なのかもしれません。

モンティ・パイソンを彷彿させる、どこかシニカルなコラージュアート的なタッチが、17世紀に書かれたこの作品をコンテンポラリーアートのように見せてくれています。長くレパートリーとしてシェイクスピア作品を上演し続けてきたこの劇団だからこその、ポスターデザインです。

 

引き裂かれた愛の犠牲者「オセロ」のポスターデザイン

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ドイツ・フランクフルトで上演された「オセロ」の公演ポスターデザインです。物憂げな男性の表情がボロボロの布切れと重ねて描かれており、よくみると布の破れ目とフェンスの向こうに鳥が止まっています。「オセロ」を観た後にこのポスターをもう一度じっくりみると、この鳥にも深い意味があるように感じるはずです。というのも、「オセロ」は嫉妬に狂い愛妻を殺め、最後に自死する男の話で、自分の妻が不倫を働いたと他人の入れ知恵で誤解し、嫉妬するのですが、英語で「自分の妻を寝取られた亭主」を「cuckold」と表現します。この語源が他の鳥の巣に卵を生む習性のある鳥・カッコウを意味する「cuckoo」から由来しています。

オセロの引き裂かれた顔の向こうにカッコウに見える鳥が見えるのは、なんとも皮肉な演出ではありませんか。「オセロ」はシェイクスピア作品でも珍しい黒人のイスラム教徒を主人公にしていることでも有名です。

 

復讐に生きる孤独な王子「ハムレット」のポスターデザイン

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1894年にイギリスで上演されたハムレットの公演ポスターデザインです。シェイクスピア作品の中でも、圧倒的な知名度と再演率を誇る「ハムレット」。父の死をきっかけに復讐の王子と化すハムレットのトレードマークといえば、喪に服し続ける意志を表す黒い衣装です。このポスターでは、ハムレットの「孤独」「悲嘆」が伝わってきます。彼が見つめる頭蓋骨は父を指すのか、彼の未来を指すのか、このワンシーンだけでも、ハムレットの心中の混沌の奥底にある狂気じみた静けさのようなものを感じます。「ハムレット」だからこそ、このシンプルな表現が公演ポスターとして機能するのかもしれません。

ちなみに、この「ハムレット」の舞台は、イギリスではなくデンマーク。舞台とされるデンマークのクロンボー城には「ハムレット」の石版が設置されています。シェイクスピア戯曲の中で最も長い戯曲としても知られるこの作品は、あまりにも多くを語るからこそ、ハムレット彼自身だけを立たせるだけで十分ですね。公演ポスターの存在が、現在よりも芸術的だったと思わせるデザインです。

 

裏切られ絶命する父の無情「リア王」のポスターデザイン

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ポーランド最古の都市ポズナンにある劇場で1991~1992年シーズンに上演された「リア王」のポスターデザインです。「終わりのない悲劇」とも言われるほど、とにかく死人が出まくる作品で、何の救いもなく王であるリアが亡くなるまでを描いています。王である象徴の王冠が幾重にも複雑に絡まった鎖のように表現されているこのポスターデザインから、愛する娘に裏切られ、わずかな望みにかけて戦うも絶命するという運命に囚われてしまった男の悲哀が伝わってきます。

より芸術性を高めているのは、この男がいかようにもとれる、能面に近しいような表情をしている点。王という輝かしい光の裏にある、強欲そして裏切りという闇、そのどん底に突き落とされた人間に残された無情のようなものが、この1枚のデザインが見事な陰影を駆使して表現しています。このポスターをデザインしたWiesław Wałkuski氏は、ポーランド・ワルシャワで生まれ育ち活動を続けており、多くの国際的な演劇ポスターコンテストでの受賞歴があります。絵画を思わせるような重厚なタッチを得意としており、この「リア王」もまさに絵画作品のような美しいデザインです。

 

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。

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