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意外な動物たちの一面を引き出すアルコール飲料パッケージデザインについて

可愛いだけじゃない意外な動物たちの一面を引き出すアルコール飲料パッケージデザイン作成例

意外な動物たちの一面を引き出すアルコール飲料パッケージデザインについて

動物をイメージキャラクターにしている、というだけで、「可愛らしさ」を無意識に想像してしまうものです。デザインの世界はもちろん、芸術において「意外性」はいつの時代でも、多くの人の心を掴むものであり、特にヨーロッパの工業デザインやプロダクトデザインにおいては、際どいラインを攻めた意外性にあふれたデザインが目立ちます。可愛い子犬をモチーフに、子ども向けの製品を宣伝することは効果的かもしれませんが、どこか単純すぎるというのも否めません。

今回は、可愛いだけじゃない、ユニークな方法で動物たちを登場させているアルコール飲料のデザインを集めてみました。人間顔負けの表現力をご覧ください。(※紹介するパッケージデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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三つ目の猫がうなるビールのパッケージデザイン作成例

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アメリカ・ニュージャージーにある「Forgotten Boardwalk」というビール醸造所で製造・販売されているビールのパッケージデザインです。マスコットとなっている、不気味にも見える三つ目の猫は「Growler the Cat」という名前で、日本語にすると「うなる猫」。「Growler」は「growl」という英語から派生していて、「うなる」という意味です。これは “昔近所のバーから生ビールを瓶じゃなくて、バケツで持ち帰りしていて、炭酸ガスが蓋から出たときの音は動物のうなり声に似ていた”ことから、ビールを「Growler」つまり「うなるもの」と呼ぶようになった…という説があるとか。

コーヒーテイストのビールということで、色合いでその雰囲気も表現しつつ、ビールの歴史と企業ブランディングを見事に融合させているデザインです。この醸造所の名前「Forgotten Boardwalk」は、「忘れられた遊歩道」という意味で、マスコットの猫の周りには「A Curious Brewery and Refuge」、日本語で「好奇心のある醸造所兼駆け込み寺」と書かれています。全体としてワードセンスが秀逸で、見る者の想像力を無条件に駆り立ててくれます。このビールを飲んだら、可愛い子猫ちゃんも野生のライオンのようにうなりだすのかもしれませんね。

 

動物たちの社交場で愛飲されているワインエチケットデザイン

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スペインの第二の都市バルセロナにあるワイナリー「コステルス・デル・シオ」で製造されているワインのエチケットデザインです。牛とニワトリと魚がワインを嗜みながらおしゃべりしているのをドアの向こうにチラ見しているようなデザインで、覗き見しているような、罪悪感を感じるような構図です。「招かれざる客」の立ち位置である人間は、このワインを手に取ることが許されているのでしょうか。思わず手にとって、このボトルの裏側を見たくなりませんか?この写真ではわかりませんが、このボトルの裏側には、同じく半開きのドア越しに、今度は牛とニワトリと魚の後ろ姿が描かれています。細部へのこだわりが、このデザインの芸術性を一気に高めていますね。

ちなみに、このワインには別シリーズもあり、同じような動物たちの社交場男性バージョンで描かれているものもあります。写実的なタッチに顔だけ動物で体は人間というミスマッチ感が意外性を生み出し、独特の世界観を漂わせています。バルセロナといえば、ガウディをはじめとする、芸術性の高い建築物で有名です。バルセロナという、モダニズムを愛する土壌が与える、あらゆるデザインへの影響を感じざるをえません。

 

ホワホワの羊が生み出すリキュールのラベルデザイン作成例

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ニュージーランドで製造・販売されている羊のミルクを原料としたリキュールのラベルデザインです。製造元の名前は「White Sheep Co.」つまり「白い羊社」と、とにかくシンプルを極めています。ニットの編み目のような背景に、何の飾り気もない羊の定型というようなモチーフをセンターにおき、まさかこれが度数40%を超えるリキュールだとは想像できませんよね。あったかいホットミルクのような印象が、このお酒のユニークさを強調させています。実際、このリキュールは、ニュージランドの伝統的な銅製蒸留機を使用し、時間をかけて少量ずつ製造していることから、稀少価値が高いお酒なのです。世界中でここでしか作れない特別な味、というメッセージが、このお酒らしくないラベルデザインからしっかり伝わってきます。ブランディングの統一感がいかに重要で、デザイン性を高める要素になるかを実感する好例です。

 

キリン紳士とアヒル淑女が嗜む「普通じゃない」ワインのパッケージデザイン

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ワインの産地というイメージがほぼないイギリスで製造・販売されているワインの缶デザインです。その名も、「The Uncommon Wine of England」で、「普通じゃないイギリスのワイン」という意味です。イギリスワインということで、まず「普通じゃない」うえ、このワインは店舗販売を一切しておらず、自社ウェブサイトを通したオンライン販売のみ、というのも「普通じゃない」。さらにその自社ウェブサイトも、シンプルを極めており、ワインの製法といった詳細は一切掲載されておらず、これまた「普通じゃない」。そんな「普通じゃない」ワインの缶デザインは、期待を裏切らないスタイリッシュさです。イギリスらしい紳士淑女の気品を、何の関連性も見出せないキリンとアヒルで描き出しています。

ちなみに、イギリスにはあのシャンパンの産地であるフランスのシャンパーニュ地方に酷似した地域があり、そこでシャンパーニュ製法で製造されたスパークリングワインの品質は近年世界的に高い評価を得るようになりました。この「普通じゃない」ワインも「BUBBLY」とあるようにスパークリングワインです。いつかこのワインがイギリスのスタンダード、つまり「普通」になってしまうかもしれません。そんな皮肉こそ、イギリスらしく、キリン紳士とアヒル淑女の想定内なのでしょうか。

 

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。

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