ロゴのアイデアで悩むデザイナーへ!プロの作例集を見て学ぼう

映像制作会社のロゴ

今や、あらゆるサービスにおいて「ロゴ」は欠かせない存在です。店舗の看板や商品パッケージに使われるだけではなく、WebサイトやSNSなど、ありとあらゆる場所で目にしますよね。

多種多様なロゴが溢れているからこそ、「どのようなロゴを作るか」はデザイナーの腕の見せどころ。とはいえ、ロゴデザインを考える上で、レイアウトやモチーフの選び方に悩むデザイナーは多いのではないでしょうか。そこで今回は、プロのデザイナーの作例をもとに、ブランドイメージを体現するロゴ作成のヒントについて解説します。

今回参考にさせていただいたのは、ベラルーシを中心に活動するデザイナー ilya Gorchanuk さんの作例です。※記事掲載はデザイナーに許諾を得ています。(Thank you ilya !!)


フォントや全体の雰囲気の捉え方に注目

 

・フォントやタッチで”アジア感”を演出したロゴデザイン

ロゴを決める上で、タッチやフォントは全体の印象を決めるポイント。特定の国や地域を喚起させるロゴであれば、その国らしさが現れるフォントを選ぶことで、自然と異国情緒溢れる雰囲気を醸し出すことができます。

例えば、アジア諸国の料理を提供するカフェのロゴを見てみましょう。

中国茶カフェのロゴ

フォントとイラストの「鳥居」「社」モチーフで、何も言わなくても「アジア感」が出ていると思いませんか?アンバランスなフォントが、素朴でどこか懐かしい空気を演出しています。

全体的に印刷がかすれたような雰囲気にすることで、東南アジアのお店が掲げている看板のよう。このように、特定の地域をアピールしたい場合は、フォントやタッチを工夫することで言葉を使わずに表現することができます。

 

・ひと目で事業内容とこだわりが分かるロゴデザイン

企業ロゴを作る際には、「事業内容」が明確に伝わるモチーフを取り入れることで、ロゴを通したブランディングをすることができます。

例えば、飲料水業者のロゴを見てみましょう。

飲料会社のロゴ

フォントはビジネスらしくシンプルですが、モチーフにこだわりあり。「水」を象徴する雫の形の中に、山脈と川が抽象化されて描かれています。このモチーフだけで、「自然の中で生まれたおいしい水を扱う企業」というのが十分に伝わります。

飲料水業者だからと雫モチーフだけに留めるのではなく、その企業のこだわりを図案化したことでブランディングにも一役買っている好例です。

 

・フィルムモチーフが目を引くロゴデザイン

事業内容を上手にモチーフ化した例をもう1つ。

映像制作会社のロゴ

次にご紹介するのは、動画制作などを行うウエディングプロダクションの企業ロゴです。「312」という企業名の表現方法にご注目。映像事業を取り扱う業者というのを表すため、まるで映画のフィルムのような効果を取り入れています。

ロゴ全体にかすれた雰囲気を醸し出すことで、レトロな、伝統的な雰囲気も伝わりますよね。テキスト以外にもモチーフを追加したい、でもイラストは苦手…そんなお悩みがあるデザイナーさんにとっては、こういった表現方法は研究の余地があるかもしれません。

 

・モチーフの組み合わせ方が独特なロゴデザイン

一見、関係のないようなモチーフを組み合わせることで、お客さんによりブランドを印象づける事もできます。

次のロゴは、バーのロゴ。コーヒーカップの上に帆が張られ、大海原に漕ぎ出している様子がモチーフとなっています。

海賊船風のバーのロゴ

帆の部分に店名が入ることで、テキストとイラストの一体感もありますね。このロゴの特徴は、コーヒーカップが船になっているという非現実さ。一度見ると忘れられない印象を与えることができます。もしかすると、海辺のバーなのかもしれません。そういった土地柄をロゴに取り入れるのは、実店舗のブランディングに有効です。

帆の周りをかもめが飛び、カップの下の波のうねりを表現することで、平面的なロゴに躍動感が生まれていますね。“ブラックパール”号と言えば、某海賊映画に出てくる船の名前でもありました。そういう意味では、海賊船をイメージしているのかもしれません。


イラストの使い方に注目

 

・ショップ名(サービス名)をイラストにするロゴデザイン

ロゴを作成する際に、テキスト情報だけでなく、イラストを入れるとよりお客さんにサービスを印象づけることができますよね。

この時、「何をイラストにするのか」というのが1つのポイント。例えば、そのサービスの内容がひと目で分かる物(魚屋であれば、魚のイラストをロゴとして利用する)というのはよくある例です。

フラワーデリバリーのロゴ

ところが、こちらの例はちょっと特殊。「YELLOW BLUE BUS」というフラワーデリバリーのお店のロゴなのですが、”黄色” “青” “バス”というショップ名をイラスト化したロゴになっています。イラストを見れば、すぐにショップ名を覚えてしまいますね。

よくよく見ると、バスに乗車している男性の手には、女性に渡す一輪の花が。こういった心遣いがオシャレで憎いロゴです。ただ、カラーが重要なロゴですから、出来る限りモノクロ出力が必要無いように、ショップ側も注意が必要かもしれません。

 

・2つのモチーフを組み合わせた技ありイラストロゴ

次も、店名を上手にイラスト化したモチーフが特徴的なロゴです。「YELLOW DOOR」という写真とビデオを取り扱っているお店です。

パッと見は「黄色いドア」が描かれているのですが、よくよく見ると細かい工夫が。

黄色いドアのロゴマーク

ドア部分が、カメラの図案になっているんです。ドアとカメラを組み合わせることで、ショップ名では補完しきれない事業内容を上手に示唆しています。フラッシュの明かりもイラストになっているのが、躍動感を感じて良いですね。

その横に「PHOTO & VIDEO」とシンプルに加えることで、「これ、単なるドアじゃない…なんだろう?」と思った人にもすぐにカメラだということが分かるようになっている点も親切なロゴです。ショップ名・サービス名が特徴的な場合は、このようにあえてショップ名を体現するイラストを全面に押し出すのも個性的です。

 

・ユニークなイラストが目を惹くロゴデザイン

イラストモチーフに遊び心があるロゴ制作例を見てみましょう。サービス業のロゴなのですが、髭の生えたキャラクターのインパクトが強いですね。一度見たら忘れられません。ポップで若者向けのサービスということがロゴから伝わる仕上がりです。

ポップなイラストのロゴ

また、配色にも絶妙なセンスが。イラストのポイントカラーになっている紫が、ロゴにも一部使われているのです。「イラスト」+「テキスト」という組み合わせで、かつイラストがユニークなロゴの場合、テキストとの統一性をもたせるのが難しいのですが、こうしてカラーをリンクさせることで自然に統一感が加わります。

フォントも手書き風で遊び心を感じられる、楽しいロゴですね。

 

・イラストの中にテキストを組み込んだロゴデザイン

テキストとイラストを組み合わせて、ロゴとしての一体感を増すという方法もあります。

例えば、以下のサービス業のロゴ制作例。

アフロヘアーのロゴマーク

アフロヘアーの男性の楽しげな表情に目が行きますが、その髪の毛の中に店名が収まっているのがユニークですね。ミラーボールのように、「キラキラ」とした星マークも合わせることで、キュートでポップな印象を高めることができています。

アフロヘアーの男性というモチーフは、クールな印象にもできますが、背景色を黄色+サングラスをハート+サングラス・洋服をピンクという可愛らしい色使いにすることで、男女問わず受け入れやすいデザインになっていますね。

「イラストの周囲にテキスト」という配置をやり尽くしたな…と思ったら、あえて統合させる方向でデザインを考えてみても良いかもしれません。他との違いが際立つので、インパクトが大きいですよ。

 

・事業内容やサービスのイメージを体現したイラストが魅力的なロゴデザイン

イラストのテイストで、サービスのイメージを上手に表現することもできます。

以下のロゴを見てください。これは、オフィスデザインを請け負う会社のロゴです。全体的にキラキラして、前向きな印象を受けませんか。企業名が「POSITIVE SPACE」ですから、そのイメージを見事に表したイラストですね。

塗装業のロゴ

イラストに使われているのは、バケツに入った塗装道具。これだけで、内装工事を請け負う事業というのもわかりますね。色使いやフォントがポップで、ベンチャー企業や若い経営者の企業に好んで受け入れられそうです。

きっと、カラフルで楽しいオフィスをデザインしてくれそう!そんな期待感を感じることができるロゴマークです。

もし、この企業がシックでシンプル・ビジネス感あふれるデザインが得意なのであれば、きっとこのようなイラストにはならず、お堅いイメージになったはずです。ロゴは、サービスの内容だけでなく、その特色を表すことができるのです。


エンブレム型ロゴに注目

 

・特別感を醸し出すエンブレム型ロゴデザイン

エンブレム型のロゴは、どのような場所にも使いやすく、様々な情報を詰め込めるというメリットがあります。

「エンブレム型」として、メジャーな形のロゴをご紹介します。ビールがメインの居酒屋のロゴです。

居酒屋のロゴ

中央にビールジョッキ、下部に店名&設立年度、上部にお店のこだわり…と、1つのロゴの中に店名以外の情報も上手に入れ込んでいます。ビールの原料である小麦をイメージしたモチーフもおしゃれですよね。

こういったエンブレム型ロゴは、受け手に「高級感」「プレミアム感」を与えることができます。設立年度が入っているので、年が経てば経つほど、信頼させるお店という雰囲気も醸し出せます。

 

・フォントやモチーフで”男の強さ”を表現したエンブレムロゴデザイン

ロゴの中には、チームを象徴するためのものも。次に紹介するのは、アメリカンフットボールのチームロゴです。

アメフトチームのロゴ

ボールがデザインされていて、ひと目でアメフトのチームというのが分かるロゴですね。

また、「SENTINELS」というチーム名のフォントにも注目。角がしっかりしたフォントを選ぶことで、男らしさ、強さがにじみ出ています。背景に2本の槍がデザインされているのにも注目。チーム名の「SENTINELS」は「歩兵」という意味がありますが、歩兵の武器である槍を取り入れることで、突破力や攻撃力の高さも伝わります。

全体的にエンブレムのようなデザインで、ワッペンなどに加工してユニフォームなどにも付けやすそう。その後、どんな利用が想定されるかも考えて作られているロゴの好例ですね。

 

・中央のイラストが迫力満点!なロゴデザイン

エンブレムのロゴというと、そこに記載されているテキストに目が行きがちですが、エンブレムの形を生かして中央のイラストを目立たせる配置もあります。

次のビザ屋さんのロゴがその好例。

ピザ屋さんのロゴマーク

どうですか?真ん中のママが大迫力。手にするピザも大きいサイズで、いかにも「母の味のする、美味しいピザがすぐに届きそう」という印象を持つのではないでしょうか。ピザを彷彿とさせる赤と緑を基調にしている所もポイントですね。非常に食欲が湧くロゴに仕上がっています。

 

・テキストの配置が技アリのロゴデザイン

「テキスト」と「モチーフ」の組み合わせにも、無限大の可能性があります。次にご紹介するのは、テキストの配置が特徴的なロゴ。

ショップのロゴマーク

小売業のロゴなのですが、「FISH BONE」というサービス名そのままのモチーフの周囲に、円形にロゴが配置されています。 このモチーフだけでは刺々しい印象を受けかねませんが、丸くテキストで囲むことで全体的に調和の取れたデザインになっています。また、骨を連想させるようなフォント選びも秀逸ですね。

こうした円に近い形のロゴは、利用場所を問わないのもいいですね。小売業であれば、看板・旗・買い物袋とさまざまな分野に活用できます。また、シンプルな一色ロゴですから、モノクロにしても、何色の背景でも映えるのが特徴です。


モチーフのみ/テキストのみのロゴ

 

・モチーフのみで印象づけるシンプルロゴデザイン

ロゴといっても、必ずテキストを使わなくてはいけないというわけではありません。あるサービス業のロゴ制作例を見てみましょう。

一筆書きのロゴマーク

とてもシンプルに、横から見た鳥が一筆書きでデザインされています。スタイリッシュな雰囲気が伝わりますね。名刺や看板、レジ袋などにワンポイントとして使うと、サービスのイメージを浸透させることができるでしょう。

 

・テキストのみのシンプルなロゴデザイン

上の例とは真逆で、テキストのみでシンプルに構成するという方法もあります。

以下のロゴは、カフェ&バーのロゴ。店名をシンプルにロゴ化して、スタイリッシュな印象を与えています。

カフェ&バーのロゴマーク

スタイリッシュでカッコイイ印象のフォントを選ぶことで、単なるカフェではなく、夜はバーとしても楽しめるという「大人っぽさ」も表現しています。テキストのみのロゴの場合、フォント選びと配置が腕の見せ所。キーとなる文字を大きくしたり、一画を強調してライン代わりに使ったりすることで、テキストだけでも様々な個性を演出することができます。

 

・商品の水々しさを表現したロゴデザイン

次も、テキストのみのロゴです。ポイントは、ロゴの周りに水しぶきが散っているデザインになっているところ。何のお店だと思いますか?

ジュース屋さんのロゴデザイン

答えは、ジュース屋さん。水滴を散らすというのはシンプルな装飾ですが、それだけでジュースのフレッシュさが伝わりますよね。シンプルなロゴを作りたいけれど、その中でもサービスの特徴を盛り込みたい!という場合には、この発想を参考にされてみてください。

水しぶきの表現以外にも、踊るような楽し気なロゴの表現、下線のバランス良い配置など、アンバランスな中にも調和が取れている点は参考にしたいです。


いかがでしたか。ロゴはブランドの顔であり、サービスについてお客さんに最初に伝えるモチーフでもあります。デザイナーさんのロゴアイデアを参考にして、会社・サービスの魅力があふれるロゴを考えてみましょう。

 

Designer : ilya Gorchanuk (Brest, Belarus)

・この記事は制作者に許諾を得て掲載しています。


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