歴代ロゴとは一線を画すフェンシング世界選手権2019のデザインが登場

フェンシング世界選手権2019のロゴ

2019年7月にハンガリーの首都ブダペストで開催されたフェンシング世界選手権のロゴは、それまでの歴代のシンボルマークとは方向性が大きく異なる印象的なものです。競技中のプレイヤーや剣をモチーフとして採用せず、総合的なブランディングの核となるシンボルとなるよう、まったく別のアプローチから作り出されました。※記事掲載はデザイナーの許諾を得ています。( Thank you, Explicit Design Studio! )

 

過去のフェンシング大会のロゴ

フェンシング世界選手権のロゴは、オリンピックのように開催年ごとに準備されているようです。近年のロゴを見てみると、たとえば中国の無錫(むしゃく)市で開催された2018年のロゴは剣を構える競技者がモチーフです。筆で一気に描いたような全身像がカラフルなグラデーションで彩色されていました。また、2017年のドイツのライプツィヒ大会では、国旗の3色で勢いよく表現された剣でした。ロシアで開催された2015年のモスクワ大会のロゴは、剣の軌跡が新体操のリボンのように視覚化されています。

 

マスクに込められた意味

ロゴタイプについて

2019年のロゴのシンボルマークはフェンシングのマスクをモチーフとしています。シンボルマークにうまくマッチしたワードロゴのフォントはRene Bieder氏の「Galano Grotesque」フォントです。このシンボルマークの幾何学的で抽象的なアプローチは過去のどのロゴにも見られないものです。ドットの大きさの違いによるグラデーションでマスクの立体感が表現されています。このロゴを手がけたのは、ハンガリーの首都ブダペストを拠点とするデザインスタジオExplicit Design Studio(エクスプリシット・デザイン・スタジオ)です。

マスクがロゴのモチーフ

同スタジオのサイトにシンボルマークの意味の説明があります。ドットのひとつひとつが競技者を示し、シンボル全体で大会への参加者と全世界を表しているのです。シンボルマークの中心には一番大きなドットがありますが、これがマスクの頂点であると同時に、世界でただひとりのチャンピオンを意味しているというわけです。言いかえると、シンボルマークは、世界中の選手が集い、勝ち抜いたものがチャンピオンになるという、選手権のプロセスも表現しているのです。

 

レスポンシブなシンボルマークのデザイン

レスポンシブなシンボルマーク

シンボルマークはメディアやデバイスに合わせていくつかのバージョンが準備されました。

「大会期間中、ロゴは1センチ以下から5メートル以上の大きさまでさまざまな形で使われます。このため、わたしたちはあらゆるケースで満足のいく結果が得られる様にレスポンシブなエンブレム(シンボルマーク)をデザインすることにしました」(Explicit Design Studioサイトより)

シンボルマークはラージ・ミディアム・スモールの3つのバージョンが作られました。

ラージバージョンは、試合会場に設置された巨大LEDウォールや屋外看板などシンボルが2メートル以上の大きさで使われるケースのためのものです。また、スモールバージョンは2センチ以下のサイズでの使用を想定しています。

スモールバージョンのロゴ

3つのバージョンをよく見ると、ミディアムバージョンのドットは中央部ではタテに13個並んでいますが、スモールバージョンは7個しかありません。これはミディアムの13個をそのまま縮小するとドットがつぶれてしまい、シンボルマークが異なる印象を与えてしまうことを避けるためです。

ラージバージョンのロゴ

また、ラージバージョンは個数は同じですが、ネガティブスペースとのバランスが調整されています。数メートルという大きさではミディアムサイズのままのドットは大きくなり過ぎてデザインの意図とは異なる見え方になるからです。シンボルはRGBとCMYKの両方が準備されましたが、RGBバージョンもデジタルデバイスの画面サイズに応じて3つのサイズから最適なものがレスポンシブに選択されます。

「わたしたちのミッションはビジュアルとストーリーをサイズにかかわらず、あらゆるプラットフォームで伝えるよう準備することでした」(Explicit Design Studioサイトより)

 

テロップデザイン

同スタジオは今回のプロジェクトで、テレビ放送などの競技中継画面に表示されるテロップのデザインも手がけました。選手の名前、国名、スコア、残り時間、判定などが競技者と連動して画面に表示されます。フェンシングはとても展開の速い競技ですので、視聴者が試合の経過を把握しやすいように様々な情報をひとつのブロックにまとめたデザインとなりました。

 

ドットパターンのシステム

ドットパターンはマスクのフォルムから離れてさまざまな形で展開されました。CMYKの網点を拡大したようなグラデーションは色や組み合わせ方にさまざまなバリエーションが可能です。街頭のバナー広告や会場の標識などにも展開されています。

ドットパターンの展開事例

また、アニメーションでは特に効果的で、サイトに掲示されている動画では、シンボルマークのマスクが、ブダペストのランドマークである国会議事堂や英雄広場の塔に変容するアニメーションが見られます。

 

ブダペストのデザインスタジオ「Explicit Design Studio」

Explicit Design Studioは、ハンガリーの首都ブダペストにオフィスを構えるデザインスタジオです。グラフィック、Webデザイン、タイポグラフィ、ブランディング、エディトリアルデザイン、写真などの領域を中心に活動。非常に独創的なアプローチで、ロンドン・ブックフェア、ボジョレー・ヌーボーのパッケージなど、さまざまなプロジェクトに取り組んできました。たとえば、分子ガストロノミー料理で有名な5つ星レストランと共同で分子ガストロノミーの書籍を出版していますが、これもとても意欲的な作品です。

書籍のデザイン

分子ガストロノミーというのは、調理法を物理と化学の観点から解析する化学的学問分野です。素材や調理による化学変化などを分子レベルで突き詰めていくので「分子ガストロノミー」といいます。さらに発展して、その解析に基づく調理方法や料理自体も分子ガストロノミーと呼ばれるようになりました。調理に液体窒素や遠心分離機などが使われることもあります。ただし、あくまでも「料理という芸術を化学的に解明する」というのが基本ですので、料理自体が無味乾燥ということではありません。むしろ新たな食感や見た目を提供することで料理の創造性に貢献するものです。

Explicit Design Studioがデザインした書籍は、ミニマルデザインをベースにしながらも、複数の素材を組み合わせることで、単なるミニマリズムに終わらない重層的な作品になっています。モンドリアンパターンを想い起すようなモノクロの幾何学的な構成と理知的にコントロールされたタイポグラフィを基本とし、ハードカバーの表紙にはホログラフィックの鮮やかな色がワンポイントとして加えられています。外箱には透明アクリルのケースを使い、さらに幾何学パターンが印刷されたナプキン風の布が付属します。無機質なガラスを連想させる透明アクリルとテーブルナプキン風の布との組み合わせは、まさに分子ガストロノミーのコンセプトに合致していると言えるでしょう。どことなく「和」を感じるのもおもしろいです。

 

フェンシング世界選手権について

国際フェンシング連盟のロゴ
フェンシング世界選手権(World Fencing Championships)は国際フェンシング連盟(FIE = Fédération Internationale d’Escrime)が主催しています。1921年から開催されたヨーロッパ選手権が1937年から世界選手権となりました。1960年から基本的に夏季オリンピックの年には開催されなくなりましたが、2000年以降はオリンピックに含まれない種目のみ開催するなどの理由で毎年おこなわれてきました。2020年には全12種目がオリンピック競技となったため世界選手権は開催されません。

 

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