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カフェのロゴとブランディング事例

コーヒー愛好国フィンランド〜素敵なカフェのロゴデザインとブランディング

カフェのロゴとブランディング事例

最近の日本ではいろいろなスタイルのカフェが登場し、ちょっとしたカフェブームですね。スターバックスやタリーズコーヒーのような「シアトル系」カフェや、セガフレード・ザネッティやエクセルシオールなどの「イタリア系」カフェなど、海外スタイルのおしゃれなカフェも増えてきています。ブルーボトルコーヒーなどの新勢力、いわゆる「サードウェーブ系」も存在感を増していますね。また、落ち着いた雰囲気で気兼ねなく長居ができる「純喫茶系」のコーヒーチェーン店も依然として人気を保っています。

このように一口に「カフェ」といっても、国や地域によって味やスタイルは様々です。ヨーロッパでは、個人経営のお店が主流。一軒一軒こだわりのあるカフェが多いのが一般的です。あまり知られていませんが、北欧フィンランドはコーヒーの個人消費量が世界でも三本の指に入り、一人につき年間およそ10kgものコーヒーを消費しています。街角のあちらこちらにカフェがある首都ヘルシンキは、コーヒー愛好家の楽園とも言えるでしょう。

今日はそんなフィンランドで、素敵なカフェのブランディング・デザインを次々と発表しているBOND Creative Agencyの仕事をご紹介します。※記事掲載はデザイナーの許諾を得ています(Thank you, BOND Creative Agency!)


BOND Creative Agencyは新しいビジネスやブランドの立ち上げをデザインの分野より支援する広告代理店です。2009年、グラフィックデザイナー、空間デザイナー、デザイン戦略を構築するコンセプトデザイナーの三名のクリエイターによってBOND Creative Agencyはヘルシンキに発足しました。そして、2013年にはアブダビ首長国、2015年にはイギリスのロンドンに第2、第3オフィスを開設。ヨーロッパ・中東エリアにおいて、各地域への深い洞察力と北欧デザイン精神をコンビネーションさせて、オリジナルで秀逸なデザイン活動を展開しています。

 

ベジタリアンカフェの「井戸(WELL)」を軸にしたブランディング

ベジタリアンカフェの井戸を軸にしたブランディング

『WELL』は、BOND Creative Agencyによって視覚的アイデンティティーの形成からデジタル及び空間デザインに至るまで、トータルなブランディングプログラムが遂行された、ヘルシンキの中心に作られたベジタリアンカフェです。

人通りの多い通りに面したロケーションであることから、道ゆく人々の興味を引き、新鮮で魅力的なカフェであることを認識してもらいやすいショップのデザインが、プロジェクトのスタート時に重要なポイントとして挙げられました。同時に、毎日更新される数々のインフォメーションや宣伝媒体を全て一貫して統制されたデザインすることが、ショップのアイデンティティーを強固にすると判断。

 

波打つ印象的なロゴタイプ

ベジタリアンカフェのロゴタイプ作成例

この考えより、『WELL』のロゴタイプに採用される円形の一部を使った波型のモチーフがビジュアルシンボルとして生み出されました。

 

ベジタリアンカフェのパッケージデザイン

ベジタリアンカフェのメニューデザイン

ベジタリアンカフェのユニフォームデザイン

ロゴタイプの他、看板、店内のメニュー、パッケージやラベルに記された文字は全てこのオリジナルの波型タイポグラフィーで統一されていますね。

 

カフェのロゴとブランディング事例

パッケージデザイン

「Well」は英語で「井戸」の意味を持ちますが、その井戸を上から見たときのパースがかかった円形がもう一つのヴィジュアルモチーフで、こちらはショップ空間のデザインや印刷物のドットパターンとして使われています。

カフェの外観デザイン

店舗名『WELL』は、この『人が集う井戸端カフェ』という意味に加え、『Well made coffee (出来の良いコーヒー)』『Well, here’s our menu(さあ、これがメニューです)』『Well-come(ウエルカム)』と、色々な意味合いの「Well」を掛け合わせて名付けられました。

 

3つのカラーとシンプルな図形で見た目を統一

カフェのインテリアデザイン




カラーリングには水色、黒、白の三色の組み合わせが採用されています。紙媒体のグラフィックデザインやショップのインテリア、またWebサイトデザインもこの三色のコンビネーションが基本です。この穏やかで落ち着いた色の組み合わせは、情報を理解しやすくするだけではなく、品位の感じられるエレガントな雰囲気を醸し出す効果を担っています。

シンプルなブランディング

グラフィックの観点から見たトータルなスタイルは、 ロゴやインテリアのデザインにも見られるように、直線のラインと円形のパターンを組み合わせ、ほぼ幾何学模様にまで削ぎ落としたシンプルなもの。多くのデザイン要素やテクニックを利用する代わりに、余白の上手な使い方やすっきりしたカラーリングの構成で、洗練された落ち着いたイメージを作り上げていますね。

機能性や統一性、そして、いつの時代にも対応できる美しさを保持する北欧デザインの特質を全て凝縮したプロジェクトです。

 

船内に作られたカフェテリアのロゴ&ブランディングデザイン

船内カフェのロゴデザインとブランディング

次は『Coffee & Co.』のロゴ&ブランディングデザインです。

『Coffee & Co.』はフィンランドのヘルシンキとスウェーデンのストックホルムを繋ぐTallink Silja Lineクルーズの船内に作られた新しいカフェテリアです。首都間を往復するこの船は、北欧の人々や観光客にとっても大切な航路で、利用客が多いことでも有名です。

このプロジェクトのメインコンセプトは、全ての年齢の乗客に親しみやすく認識してもらいやすいストレートなビジュアルアイデンティティーを創造することでした。

 

ロゴデザイン

船内カフェテリアのロゴ作成例

ロゴマークを見てみましょう。コーヒーカップと齧りかけのドーナツを上から見た様相がモチーフとなっています。

ロゴの成り立ち

ここから、円(カップ)と小さな円の一部(ドーナツ)がモノラインで構成され、前述の『WELL』の事例と同様に余計なものを一切削り落として必要最低限のデザイン要素だけで表現したロゴデザインが出来上がっています。

店舗名Coffee & Co.はカップの円に沿って並べられ、視覚的にも非常にバランスのとれたロゴマークです。

 

ロゴデザインの展開例

船内カフェテリアのブランディング事例1

船内カフェテリアのブランディング事例2

船内カフェテリアのブランディング事例3

一般的に北欧デザインを象徴するカラーリングには、モノクロやグレー、空色、ベージュなど自然系の色を利用するケースが多いのですが、このプロジェクトもまさにその一例。白、黒、クラフト色(ブラウン系色)が配色パレットに採用されており、店舗インテリア、パッケージ、什器やカトラリーなど全ての媒体がこのカラーコンビネーションでデザインされています。

 

スクリプト体を使用したデザイン展開

スクリプト体を使用したデザイン展開2

スクリプト体を使用したデザイン展開3

カジュアルなスクリプト書体が用いられたパッケージや店内の壁の表示もこのプロジェクトのポイントです。要所要所に使われるこの書体は、幾何学的でクールな様相を持つロゴやインテリアデザインの中に温かさを加え、年齢層を選ばないフレンドリーで魅力的なビジュアルを実現しています。


まとめ

世界で最も確立されたデザインのスタイルのひとつが北欧デザインです。シンプルなラインや形、エレガントなミニマルスタイル、自然をモチーフとしたテクスチャーやカラーリングの起用など、北欧デザインの魅力は時代を超えて世界中のデザイナーたちに愛されてきました。

コーヒー愛好国フィンランドで、 洗練された美しさを感じさせる北欧デザインを駆使し、 様々な個性的なカフェのデザインを手がけるBOND Creative Agencyの今後のデザイン活動が楽しみです。

design : BOND Creative Agency ( Finland )

 

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