米ケーブルテレビ「MTV」がブランドロゴデザインをリニューアル

ミュージックビデオ専門チャンネルの草分け、米MTVが9月にアーティスティックな動画をツイッターに投稿しました。コラージュをアニメ化したレトロテイストのポップな作品です。

「戻ってきた#MTVID(return of #MTVID)」というメッセージを添えたこのツイートの1週間後には、「#MTVIDが帰ってきた(#MTVID is back)」というメッセージと一緒に、別のアニメーション作品も投稿されました。それぞれの動画には、あたらしいMTVのロゴが使われています。

 

再びカラーになったロゴ

MTVのロゴ
monticellllo – stock.adobe.com / MTVの旧ロゴデザイン

2010年から使われてきた先代ロゴは、単色バージョンだけでしたが、新しいロゴではカラーと単色の2パターンが用意されています。ハッシュタグ「#MTVID」のついたツイートのうち、初回「戻ってきた#MTVID(return of #MTVID)」で見られるのがフラットデザインの単色バージョンです。カラーバージョンは、2回めの投稿「#MTVIDが帰ってきた(#MTVID is back)」に登場します。





カラーパレットは、白と黒に加えて、青(#00AACD)・黄(#F7F908)・赤(#FF3C3C)が設定されています。CMYKのシアンとイエローと、RGBの赤との組み合わせのようになっているのがおもしろいです。カラーバージョンでは、Mの表面が黄色、厚み部分が青、TVが赤となっています。MTV全体の統一ロゴとしては、このカラーバージョンが使われます。

MTVが提供している特定のコンテンツに対しては、それぞれどの色を使うかが決められています。たとえば、映画コンテンツ「MTV Movie」には青、音楽コンテンツ「MTV Music」や「MTV Soundtrack」には赤、そしてリアリティ番組などの「MTV Communications」には黄が割り当てられています。この場合、ロゴはフラットデザインの単色バージョンが使われます。

色・模様・「Mフレーム」の組み合わせでバリエーションが多彩

今回のブランドリニューアルでは、さまざまな幾何学模様があらかじめ準備されています。単色ロゴを幾何学模様で飾ることも可能です。これに、カラーパレットの3色との組み合わせることで、さまざまな表情を持たせることができます。

公開されているロゴバリエーションのサンプルを注意深く見ると、テレビ放送のテストパターンのひとつであるカラーバーや、紫のグラデーションも含まれています。カラーパレット以外も許容されているとすれば、自由度はかなり高そうです。

また、ロゴのMの輪郭をモチーフにしたデザインエレメントも、今回のリニューアルで登場しました。「Mフレーム」と名づけられたこの要素は変形自由で、アウトラインで囲みとしても、ソリッドで色地としても使えます。今回のリニューアルで提供される幾何学模様とも組み合わせられます。

このように、ロゴ、Mフレームは非常に大きな柔軟性を持っていますが、システマチックにコントロールされていて、トータルでしっかりとしたブランドアイデンティティを維持することが可能となっています。

カスタム書体「Gravity Grotesk(グラビティ・グロテスク)」もあらたに作られました。

1981年ロゴと2010年ロゴを融合・整理したデザイン

MTVの放送は1981年8月に開始され、初代ロゴも同時に登場しました。壁または積み木ブロックのような大きな「M」、そこにスプレーで描いたような「TV」を組み合わせたデザインは、基本的な要素と構成の面では現在まで一貫しています。いずれのリニューアルもそれほどドラスティックなものではないため、見た目の変化を感じないひとがいるかもしれません。初代ロゴと2010年ロゴ、そして今回の新ロゴとの違いをもう少し見てみましょう。

 

ポップカルチャーを体現していた初代のデザイン

オリジナルロゴは、ニューヨークで活動していたグラフィックデザイン集団、マンハッタンデザイン(Manhattan Design)が1981年に作り出しました。

この初代のロゴでは、「MTV」シンボルマークの下には「Music Television(ミュージックテレビジョン)」の文字がレイアウトされていました。チャンネルの正式名は「Music Television」で、MTVはその略称だったのです。番組やビデオクリップの間に挿入される局名告知でも、「ミュージックテレビジョン、エムティービー」と言われていました。

バンドや友人のライブや演奏を記録するときに、当たり前のようにスマホなどで「録画」する現在からするとピンとこないかもしれませんが、MTVがスタートしたころは、「映像付き」の楽曲をラジオの音楽専用チャンネルのように24時間とぎれなく流し続けるテレビ放送というのは、画期的なことだったのです。ロゴのMがとても大きいのは「音楽の」テレビだということを示したかったからだ、というのは想像に難くありません。

https://twitter.com/MTV/status/1445448706292133891

デザイン面でもMTVのロゴは画期的でした。それは、ロゴの指定色が無い、ということです。どんな色の組み合わせも自由でした。それだけではなく、模様やイラストで着飾ることにも制限はありません。写真が合成されたり、テクスチャーを持たせたり、ときには変形が加えられることもあります。

・初代ロゴのカラーバリエーション例

MTV/Logo Variations | Logopedia | Fandom

今回のリニューアルのカラーパレットやカスタムパターンは、自由な表現というコンセプトを、システマチックに整理したものと考えられます。

 

2010年に「Music Television」を削除

MTVのロゴ
Игорь Головнёв – stock.adobe.com / MTVの旧ロゴ

先代のロゴは2010年にリニューアルされました。最大の違いは、シンボルマークの下の「Music Television」が取り去られたことです。MTVの当時のマーケティング責任者が、あるインタビューで「いま観ている人たちは、MTVをミュージックテレビジョンのことだとは考えていない」とコメントしていました。

2010年よりもずいぶん前からMTVチャンネルは、単独の音楽専用放送ではなくなっていたのです。MTVが提供するチャンネル数も増え、ドラマやリアリティ番組などがコンテンツの中心でした。「Music Television」が実態と合わなくなっていたのです。さらには、SNSやYouTubeなどの台頭によって、若い世代のテレビ離れが進み、MTVは自らのポジションの見直しをせざるを得ませんでした。

テレビやデジタルデバイスの画面比率に合わせるためだったのかは明らかではありませんが、2010年のリニューアルでは、「M」がワイドになりました。その処理は、まるで「M」の下部をナタかなにかで暴力的に切り落としたかのように見えます。「T」の下も少し切り取られ、初代では突き出していた「V」とともに裁ち落としのようなかたちになっています。

過去の特徴を引き継いで生まれた2つのバージョン

2021年ロゴでは、初代と同じように「V」がふたたび突き出されました。「M」の比率が変わったことによって全体のバランスを考慮にいれて、「TV」の位置が微調整されたため、「T」も少し突き出ています。

フラットデザインの単色バージョンの方は、2010年ロゴ同様に「M」の輪郭で裁ち落とされています。単色バージョンは、色や模様のバリエーション以外にもファビコンなどで小さく表示されることを想定していると考えられます。この単色バージョンは、9月のツイート以前から番組タイトルのロゴなどでもちらほら使われ始めていたようです。

 

映像表現のショーケースだったMTVの局名告知

ハッシュタグ「#MTVID」は、MTVのIDという意味です。往年のMTVの象徴のひとつだった局名告知(station identification)が帰ってきたというのです。局名告知というのは、番組と番組の間などに挿入される「こちらは〇〇放送テレビジョンです」などのアナウンスです。初期のMTVチャンネルのロゴを使った局名告知は、ユーモアやパロディに満ちあふれた上質なアート作品といえるもので、さまざまなアイデアを凝らした映像表現のショーケースのようなところがありました。





1981年に開局したMTVは、ロックを中心とした音楽専門の24時間放送でしたが、次第に音楽コンテンツの比重は小さくなり、最近ではドラマ、リアリティ番組、おバカ映像集などがプログラムのかなりを占めるようになってきました。そういう中でツイッターで公開された新しい「#MTVID」動画は、ポップカルチャーを牽引していた、かつてのMTVの影響力を、現代のクリエイターたちの協力を得てよみがえらせようと試みているかのようです。


【参考資料】
MTV | Logopedia | Fandom (https://logos.fandom.com/wiki/MTV)
MTV/Logo Variations | Logopedia | Fandom (https://logos.fandom.com/wiki/MTV/Logo_Variations)

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