元気で活発な色「黄」をキーカラーにしたロゴデザイン戦略

「黄」をキーカラーにしたロゴデザイン戦略

今回は黄色を使ったロゴを見ていきましょう。イエローという色は「活動的」「元気」といった活発でポジティブな印象を持つ色です。信号でも使われているように“注意色“とも呼ばれ、つい見てしまう性質も持っています。しかし明度が高すぎるため認識率が低く、他の明度が低い色と組み合わせて使われる例が多くみられます。

この色を選ぶ企業に見られる傾向は、明るく前向きな印象をもつ商品・サービスを提供していることです。飲食、小売、高級車製造、光学機器、映画などの業界によく見られます。

黄色のロゴの代表的な事例を見ていきましょう。


マクドナルド(McDonald’s)の企業ロゴデザイン

マクドナルドの企業ロゴ1

Vytautas Kielaitis / Shutterstock.com

マクドナルドの企業ロゴ2

ferdyboy / Shutterstock.com

おそらく飲食業では世界トップクラスの認知率を誇るロゴではないでしょうか。McDonaldの頭文字、Mに見える黄色のロゴは、英語圏では”The Golden Arches”(金のアーチ)とも呼ばれています。その由来は、初期の店舗の外装に使われていた2本の黄色のアーチから来ています。このロゴは、その2本のアーチを組み合わせて、Mに見えるようにデザインされたそうです。

マクドナルドでは、この黄色のロゴに赤色を背景色として合わせて使うケースが多く見られます。パッケージやキャラクターのデザインも、基本的にこの黄色プラス赤色の2色配色で展開しています。

 

マスコットキャラクタードナルドのデザイン

BORIMAT PRAOKAEW / Shutterstock.com

ドナルドと呼ばれたこのキャラクターはTVCMに登場し、マクドナルドの認知度向上に非常に貢献しました。比較的赤が強い配色ですが、注意を引きつける色として黄色がとても効いています。この赤と黄の組み合わせは、食欲をそそる配色でもあります。ハンバーガーとポテトが主力商品ですが、このロゴはポテトの黄色も連想させますね。


映画業界のロゴデザイン

映画業界のロゴデザイン

Rose Carson / Shutterstock.com

映画会社のロゴには、金を意識した立体感ある華やかなデザインがよく見受けられます。映画が始まる時にスクリーンに大写しになるロゴですので、細部まで作り込んだデザインになっています。

人々が映画に求めるものはきらびやかな非日常である、というエンターテイメント的な方向性が伺えます。金色のようにやや赤みのある黄色は、配色的には濃い目のブルーとよく合います。


自動車メーカーの企業ロゴデザイン

ルノーのロゴデザイン

josefkubes / Shutterstock.com

オペルのロゴデザイン

GoneWithTheWind / Shutterstock.com

ポルシェのロゴデザイン

josefkubes / Shutterstock.com

ルノー(フランス)オペル・ポルシェ(ドイツ)。ロゴに黄色を使っている代表的な自動車メーカーです。ルノーとオペルは車のエンブレムの背景として黄色を使用しています。ポルシェは黒と赤をほどよく合わせて、紋章のようなデザインに仕上げています。ルノーもエンブレムの形ですが、より近代的な印象がありますね。ルノーは日産を含むグループ企業全体でみると社員30万人に及び、世界一の規模を誇る自動車会社です。

共通点は、良い製品を作っているという前向きな姿勢と、未来に希望を抱かせる明るい印象です。


キャタピラー(CATERPILLAR)の企業ロゴデザイン

キャタピラーの企業ロゴデザイン

astudio / Shutterstock.com

黄色といえば、工事現場でよく見かける色ですね。注意を促す色のため、黒と組み合わせて使われることが多いです。キャタピラー社はアメリカの建設機械メーカーで、この分野では世界最大の規模を誇ります。

はじめにトラクターに使われ、その後ブルドーザーや戦車にも使われた無限軌道を「キャタピラー」と呼びますが、これは同社の登録商標だそうです。英語では毛虫という意味があります。CATERPILLARでは長すぎるため、社名の頭3文字に、黄色の上向き直角2等辺三角形を組み合わせた、安定感のあるシンプルで力強いデザインとなりました。社会のベースを支える、そんな企業スタンスを感じさせる形です。


イケア(IKEA)の企業ロゴデザイン

イケアの企業ロゴデザイン

Michael Dechev / Shutterstock.com

イケア社はスウェーデン発祥の世界最大の家具量販店です。IKEAのロゴは非常に太い書体で、一見サンセリフ体に見えるのですが、角部分に微妙にはらいをつけてあり、セリフ体とのハイブリッドのようなデザインに仕上がっています。このフォントはIkea Sansという専用にデザインされたものです。配色としては明度の低いちょっと赤みのある青がパートナーとして選ばれています。正式なロゴにはこの青が使われ、黄色が背景色に使われていますが、店舗外壁の看板ではこれが反転して文字が黄色のパターンがよく見られます。やはり注意色として、遠方からの視認性を重視しているのでしょう。


まとめ

「黄」のロゴデザインを活用する企業に共通していたのは、活力と元気さを持ち味とする、強さを全面に押し出した明るい姿勢でした。そういった強者の戦略を取り得る、各業界のナンバーワン企業によく見られたのではないでしょうか。

非常に目を引きつける色であるイエローは、雄々しく目立つことに引けを取らない社会的スタンス、企業規模を誇る会社に選ばれることが多いようです。また、より人の情動に訴えかける、食べる楽しみや娯楽を生みだすような企業にもよく使われているようです。また、特徴として赤や青、黒などの低明度色と合わせた配色で展開にバリエーションを持たせるケースが多く見られました。

 

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