消臭スプレーの落ち着きのあるシニア層を意識した商品ロゴです。
ファミリー層などは勿論のこと、これから増えて行くシニア・年配層を意識したロゴです。毛筆のようなデザインを取り入れながらも、商品の価格帯に応じ、高級感は抑えて制作しています。
ロゴ作成例に関する考察
年配層を意識した商品ロゴ制作例
商品のロゴマークを作成する上で、ターゲットの年齢に合わせたり性別に合わせることは重要です。初めて見る商品については、消費者はロゴマークやパッケージデザインから受けるイメージに左右されますので、狙っているターゲット層に購入されなければ、商品への満足度が変化する恐れがあります。そのため、商品を開発するときには、ブランディング戦略をきちんと定めておくとともに、目に見えるデザインについてもしっかりと考え抜くことが大切です。
例えば、こちらの消臭ミストのロゴマークは、どちらかというと落ち着きのあるレトロなイメージです。こちらの商品はシニア層を意識して作られていますので、デザインも渋いものを選んでいます。木目や和紙などの背景にも合わせやすい日本らしいデザインで、さらに爽やかさや涼しさも感じさせますので、男女問わず年配層に好まれそうなデザインです。
読みやすさと、デザイン性の両立を目指す
こちらのロゴは、商品名をシンボル化しているタイプのロゴデザインです。フォントはポップなものや装飾の多いものでは読みづらくなりますので、パッと見て読めるような毛筆風のデザインにしています。さわやかさを出すために明るめのブルーをベースに使用していますので、文字が薄くならないように、太めの線で書かれています。達人のような動きのあるフォントですが、あまり崩したりつなげてはおらず、全体的に丸みを強調して描かれていますので、女性にも好まれやすい外観になっています。
漢字のように画数の多い文字は大きめのサイズにすることで、視力が衰えてきた高齢者でも読みやすくなっていますし、檜には色を変えて読み仮名をつけていることで、誰でも読めるように工夫しています。こちらの商品は、比較的手ごろな価格で販売するものですので、あまり高級感を前面に押し出さず、品の良さを保っています。輪郭を太くすることで繊細さを排除し、安心感や力強さを持たせていますし、控えめな濃淡のグラデーションを方向を変えて複数入れることにより、動きがありながら読みやすくしています。漢字の部分に色がつくように計算しており、文字のサイズとも合わせてパッと見ただけで読めるようになっています。柔らかい色彩を選んで使っており、ブラウン系とブルー系のみにしていますので、背景がどういった色でも合わせやすくなっています。パッケージに入れるだけでなく、POPや広告などにも使うことができる、好感の持てるロゴマークです。
制作ロゴデザインに対する感想
製品として販売されることを、しっかり考えられたロゴだと思いました。
様々な広告媒体における社名や、ブランドを表すロゴとしての役割は一般的ですが、商品開発の中ではバリエーションを持たせるために、ロゴの役割は重要になる場合があります。バリエーションには、「香り」や「色」などもありますから、このロゴデザインのように、商品に直接プリント、あるいはラベルに表示する際に、一定の統一感が必要となるんですね。ロゴデザインをこうして単体で、ホワイトの上に表示すると、最終的なイメージはわかりにくいですが、これが透明なシールとして存在するなら、立体的な容器に貼られた時は、一気に商品の存在感を醸し出してくれます。商品の中でも日用品などは、その製品の形状は常に丸みを帯びて、使いやすいものでなくてはなりません。
つまり、通常のフラットなロゴデザインでは、曲面でロゴが不完全に見えてしまうので、総じて大きな工夫がいります。このロゴでは、縦に流れながらも、中心は「檜」の文字から他の文字をやや左右に逃がしてあり、角度を変えても「ミスト」あるいは「消臭」、そして「檜」の文字の一部が視界に顔を覗かせてくれます。消臭剤でも、これはミストですからスプレー形状であることは、容易に想像がつきますから、商品名がそのまま製品ブランドとしての役割を果たします。なかなか素晴らしい工夫だなと思わせるのが、檜の文字に使われる網かげのグラデーションが縦に入る点と、消臭に入るグラデーションがちょうど交差するように、横からのグラデーションになっていることです。これは縦長の商品においては、一方向のグラデーションでは、どうしてもロゴの下部が薄れていくような感覚に陥ります。しかし、こうした交差したグラデーションを持たせることで、薄れゆく印象をもう一度ロゴ中心部に視点を引き寄せ、「檜」の縦の流れを、「消臭」で左に移し、最後は「ミスト」に集約されて、より製品の役割を強調させる効果を思い起こさせることが出来るでしょう。つまりこのロゴには、ブランドとしての存在感と、製品の機能としての明示が2つ存在し、トータルなブランドロゴとして、正しく機能しているのです。
※【セミオーダープラン】でご依頼のロゴは、お客様から提供いただいたオリジナルの原案(図案・アイデア)に基づいてロゴ作成を行っています。