芸姑さんとのツーショットが京都らしく、曲のテーマともマッチしたチラシデザインです。
祇園で人気の実際の芸妓さんとのデュエットソングも含んだ今作。そんな背景を解説せずとも、チラシのデザインが物語ります。まるで映画かドラマの1シーンのような、印象に残るチラシです。
制作フライヤー・チラシデザインに対する感想
しっとりとした落ち着きのあるデザインが大人の魅力を引き立てています。
芸姑さんとのツーショットは、どこか非現実的な雰囲気があって印象に残りやすいです。京都という土地柄を表しているのかと思いましたが、芸妓さんとのデュエットソングもあるのですね。あえて説明がないことで想像力が掻き立てられ興味がわきます。 絵画のような写真と合わせてCDのジャケット写真が掲載されており、自然と購入したくなる工夫も秀逸です。文字情報は、白枠の中に入っていたり黒い枠線で囲んであるので円滑に読むことができます。文字情報は少ないと思いますが、ポイントが的確に押さえられているので不足を感じません。むしろスッキリとまとまっていて好印象です。
あえて一言で印象をまとめるとしたら「シック」でしょうか。伝統的な町家の格子の茶色い色合いが安定感を与えてくれている中に、橙色の番傘がよく映えています。適度な渋みが、歌謡曲歌手の方の歌の魅力まで表現しているようです。タイトルの文字のフォントも、全体の雰囲気と調和し、さらにチラシを趣深いものに仕上げてくれていると思います。全てのパーツがほどよくマッチングし、相乗効果を生み出して見る者の視線を引きつけている興味深いチラシデザインです。
写真の良さを活かしたチラシデザインだと思います。
とにかく舞妓さんの存在感が際立つ一枚です。こちらのデザインを見るだけで、京都に関係ある何かであることがすぐに把握できます。しかし、これが何のチラシであるかはわからないため、きっと見た人はその情報を探そうと紙面に視線を這わせるのではないかと思います。そこでやっと歌手のCDの広告宣伝用チラシであることに気づく流れとなるのですが、右下のCDでは男性歌手の名義だけなのに比べて、このチラシでは男性歌手と舞妓さんの2人の名前が表記されているため、舞妓さんとのデュエット曲ではないのかと余計に気になってしまいます。写真をベースに、必要最小限の情報しか掲載されていないにも関わらず、理解に気持ちいい程度の時間を要するチラシもあまり目にしません。
告知しているCDのタイトルのフォントカラーが上から下へと変化しているのは、背景の写真の色と被らないようにしているのかと思いきや、狙いはそれだけではないようです。フォントカラーが変わっていく様子を目が自然と追うように計算されており、このチラシを見た人にCDのタイトルを読ませる役割をも果たしているのです。このような気付きづらい工夫こそデザイナーさんのセンスや経験が問われる個所であり、本作品はそれらの良さが詰まった仕上がりとなっていると思います。
大人のしっとりとした恋の魅力を印象付けるチラシデザインです。
若い頃の恋愛と違い適度な距離感があり、落ち着いた大人の恋愛を感じますね。祇園ならではのブラックの格子をバックに、雛菊さんを大々的に乗せ和傘など全体的なバランスもとてもキレイです。 祇園の街ならではの風景をイメージさせてくれるので、京都ならではの和の雰囲気も感じられます。全体的に使用する色に統一感を出しているのもいいですね。曲名の文字も柔らかくもあり一筋縄ではいかないような祇園の恋を映し出しています。
こういった新曲のチラシデザインの場合、曲の持っている印象や伝えたいことを表しています。それでいて洗練されたデザインを組み合わせるのはなかなかかんたんなことではないのですが、このチラシはまるで絵のような美しさがあるので、惹きつけられるものがありますね。 下部に曲名の紹介と、ジャケット写真を載せることで購入する時にもわかりやすい仕様になっています。購入する人がご高齢の人が多いと想定されますので、悩まずとも購入できるように工夫された優しさも感じられます。こんな恋愛をしてみたかった!なんて人もいるでしょう。 和と恋を上手に調和させたチラシ作成例だといえますね。
※掲載しているフライヤーデザインサンプル・モックアップはイメージです。実際の用途・サイズ・仕上がりとは異なる場合がございます。