カントリー調のラフさがお洒落なイベントのチラシデザインです。
木製テーブルの上に乱雑に置かれた要素が、肩の力が抜けたお洒落なイベントであることを想像させます。立体的なタイポもうまくデザインにとけ込んだチラシデザインです。
デザイナーの振り返り
■ 無造作に物が置かれたテーブルを俯瞰で撮影したような、面白みのある構成のチラシを作成しました。
■ チラシ表面の文字要素はもっとバラバラに配置するという選択肢もありましたが、可読性が損なわれてしまう恐れもあったので、バランスをとってレイアウトしました。
■ 表面の情報だけでは一体どういったイベントかは分かりません。ただ、面白いデザインと共に、謎な部分を残すことで、まずは手にとってもらうということが目的です。裏面はシンプルに出演アーティストの情報になっています。
文字で遊んだ、チャーミングなチラシ制作例
クラブやバーでのDJイベントは近年ますます多様化が進むと共に一般化し、非常に多く、かつ頻繁にいたるところで開催されるようになりました。それだけに、イベントを告知するチラシやフライヤーもどんどん作成されるようになり、他と差別化を図れる斬新なデザインを生み出すことが難しくなりつつあります。DJとは、今やファッションアイコン的役割も担う職業のひとつですから、DJイベントのチラシデザインは、常に個性とオシャレ感、時代の空気を読み取るセンスが要求される大変な仕事になっていくでしょう。
そういった意味でこのチラシは、数あるDJイベントとは明確に差別化を図ることに成功している例のひとつです。シンプルにDJの情報だけを掲載した裏面を見ればわかる通り、男性DJが中心のイベントにも関わらず、このチラシは非常にラフで優しいイメージでまとめられています。ウッドのテーブルや植物などソフトな印象を与える小物を中心に、コーヒーカップやCDなど日常でよく見かける日用雑貨で親しみやすさを感じさせ、エアメールや海外のコインでオシャレ感を醸す配置と俯瞰からの視点の取り方は、強く情報を押し出してくる一般的なイベントのアプローチとは違い、顧客を優しく受け入れるような暖かさがあります。
あえてばらけさせた文字たちは、つい解読したくなる
一見すると何のチラシか解りづらい印象がありますが、立体的な演出と散りばめた文字の可読性の危うさが見る人の注意を惹き、より文字を読ませようとする効果を持っているため、チラシデザインの雰囲気そのものを気に入った人には、すぐに告知の内容が伝わるような仕様になっています。ラフで優しいイメージに惹かれて裏面を見れば、少し意外なほどにスタイリッシュな男性DJのイメージとのギャップが、さらにイベントに足を運んでみたくなる衝動に拍車をかけることでしょう。現在は、本当に様々なコンセプトのイベントが、ほぼ毎日のようにどこかで開催されるようになりました。総合的に雰囲気や情報を伝えるチラシやフライヤーの需要は、今後も高まり続けてゆくことでしょう。他に埋没しないデザインを生み出すには、プロのデザイナーの目と力が重要だと考えます。
制作フライヤー・チラシデザインに対する感想
とても雰囲気のあるイベントチラシデザインですね。
木の温もりも感じますし、立体感もあります。文字のひとつひとつを、手作りの木製のテーブルの上に置いて並べたような、ネイチャーな感じが良い味を出しています。自力で作りだしている感じというか、自分の足で歩いている感じというか、そういう自立した雰囲気が生命力に繋がっている感じがして見入ってしまいます。置かれているギミックも良いですね。少し古そうな、シンプルですがストーリー性のある鍵は、見ているだけでわくわくしてきてしまいます。エアメールも雰囲気がありますね。木の鉛筆や赤い葉脈の葉もチラシ全体のイメージに合っています。
タイトル中央のコインは冒険心もくすぐられて、憧れのライフスタイルがそこにあるなという感じがします。そんなネイチャーな雰囲気の中に、輝くCDがさりげなく置いてあるのがとても良いですね。現代的なアイテムであるCDが、この雰囲気の中では良いアクセントになっています。ですが、浮いてはいないから不思議ですね。全部の姿を見せずに、それぞれが見きれている感じが良いのでしょうね。裏面もまた雰囲気がありますね。ざらざらしたワイルドな木目がかっこいいです。マップもお洒落ですよね。どこか海外のような雰囲気があります。真っ直ぐでなく、すこし傾ける感じでマップがあるのが、自然な雰囲気を崩さなくて良い感じだなと思いました。
どことなくアウトドア感のあるチラシですね。
イベントの中でも特に多く開催されているのが音楽のイベントでしょうが、音楽イベントのチラシデザインは、イベント会場などがある地域では頻繁に配られることもあるので、いろいろと工夫をして作成する必要も出てきます。よくあるのは背景をシンプルにしてアーティストの写真を大きく明記するパターンなのですが、このチラシデザインは定番の作成方法ではなく、木をメインとした作りになっています。最近は木製の製品が少なくなってきましたが、木の良さはぬくもりでしょう。背景に木を用いることで、とても温かみが感じられるように仕上がっていますし、下の部分に植物を配置することで、アウトドアのような雰囲気も出ています。
裏面は定番の作成方法になっていて、小さめのアーティストの写真とイベントの説明になっています。表面には一切アーティストの写真を載せていないというのはとても珍しいのですが、このような作成方法であれば、何の宣伝をしているのかと興味を持ってくれる人もたくさんいるでしょう。
※掲載しているフライヤーデザインサンプル・モックアップはイメージです。実際の用途・サイズ・仕上がりとは異なる場合がございます。