ノスタルジーを感じるアメリカの映画祭のポスターデザイン

アメリカの映画祭のポスターデザインについて

映画が大好きで毎日観るという人でなくとも世界三大映画祭の名前ぐらいは耳にしたことがあると思います。カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭がFIAPF(国際映画製作者連盟)公認の著名な映画祭と言われています。

しかし、それ以外にも世界中では常に大小様々な映画祭が開催されているのをご存知ですか?長編映画だけのフェスティバル、短編映画しか参加できない映画祭、アニメーション専門のフェスティバルなど専門に特化した様々な映画祭が著名なものをザッと数えただけでも200近くあるんです。それほど世の中では映画というものが親しまれており、観る人と作る人がいるということなんですね。過去には日本の作品も世界で高い評価を得たりしていますが、もっと世界基準で創作するクリエイターが出てくることを願いたいですね。今回は映画の本場アメリカで開催されるいくつかの映画祭のポスターを選んでみました。最近のものは簡単に目にすることができると思うので、あえて古めのものです。しかし、古いデザインから得られるインスピレーションだってきっとあるはずですから。

 

多様性の街が生んだ多国籍な映画祭のポスターデザイン

多国籍な映画祭のポスター

殴り書きの様にデザインされたタイトルにもある様に、第2回ニューヨークフィルムフェスティバルのポスターです。1963年に第一回が開催されてから毎年ニューヨーク市で秋頃に開かれており、2019年で57回目になります。さすがニューヨークと言うべきか毎年全世界の映画作家が作品を出品しており、今年も日本人監督の作品が出品されています。肝心の第2回のポスターはと言いますと、非常にシンプルではありますが、余白を生かした素晴らしいデザインです。フィルムを旅行カバンに見立て、国際映画祭の証でもある参加国の国旗が赤い糸で結ばれています。50年前の日本はと言うと高度経済成長期。まさに世界に向けてグングン伸びている頃です。その頃にはすでに世界中から人々を受け入れていたニューヨークの多様性を反映した様な素晴らしいデザインだと思います。

 

雪の街で開催されるインディペンデントな映画祭のポスターデザイン

インディペンデントな映画祭のポスター

今度はアメリカのユタ州で1978年から開催されているインディペンデント映画を対象としたアカデミー賞公認の映画祭、サンダンス映画祭のポスターです。FIAPF(国際映画製作者連盟)からの公認は受けていませんが世界の映画祭としては非常に重要な地位を占めている映画祭でもあります。ユタ州はスキーリゾートしても有名で毎年1月に開催されるこの映画祭ではポスターにも描かれている様に、雪の中をフィルムが転がるイメージを持っている人もいるぐらい雪深い場所でもあります。2002年に開かれたソルトレイク冬季五輪も映画祭か開かれるパークシティでした。

もともとこの映画祭は映画監督のロバート・レッドフォードが始めた映画祭として有名で、ちなみにこのポスターは1988年のもの。フィルムの様に長い距離を転がってきたおかげで現在はかなり大きな映画祭として認知されています。下の赤、青、白で控えめに書かれたクレジットがセンスを感じさせます。

 

ミッドセンチュリー家具に合いそうなお洒落な映画ポスター作例

お洒落なサンフランシスコ国際映画祭のポスター

サンフランシスコ国際映画祭は1957年より毎年4月に開催されているアカデミー賞公認の映画祭です。このポスターは第4回のポスターなので1960年のポスターということになります。まだパソコンなどなかった様な時代にこれほどまでにデザイン性の高いポスターが作られていたことに驚愕します。古いポスターなので正確な意図はわかりませんが、緑色のフィルムとオレンジ色の地球の間を光が映画祭の会場をまっすぐさしています。引いてみると笑っている様な人の表情にも見えるのです。なんて事のないデザインの様でいて古き良きアメリカのミッドセンチュリー感漂うお洒落なデザインに仕上がっています。今の時代でも額に入れて飾っていたらかなりカッコいいアクセントになると思います。フォントも最高にイカしてますね。

 

映画からMVまで新しい映像に触れられる映画祭のポスターデザイン

ロサンゼルス映画祭のポスター

これまで全18回毎年開催されてきたロサンゼルス映画祭の2015年のポスターデザインです。この映画祭は長編から短編、学生などが参加するインディペンデントな作品からミュージックビデオまで様々な映像に触れることができる一風変わった映画祭です。映画のプログラム同様にポスターデザインも攻めた感じの印象です。大きく配置したフォントに滲みの様な色をのせることで、純粋な映画だけではなく映像全般との混ざり合いの様なものが表現されているのかもしれません。ロサンゼルスの夜の夜景をイメージさせるイラストも神秘的です。残念ながら2018年度は一度中止をしましたが、大きく運営体制を変え映画の普及と促進のため再スタートする様なので今後の展開を期待したいと思います。

 



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