タイプデザインを始めたきっかけと、2種類のサンセリフ書体を制作した理由 – タイプデザイナー・インタビュー

クロアチアの首都ではデザインの果たす役割がますます重要になっています。クロアチアのデザインが世界で認められるようになっていますが、今回はそのひとりへルヴォイェ・ジヴチッチ(Hrvoje Živčić)さんにインタビューを行います。彼はグラフィックデザイナーであり、タイプデザイナーです。

 

タイプデザイナーになったきっかけについて

ーータイプデザインを始めたきっかけは何ですか。

ザブレブ大学で勉強しました。クロアチアはザグレブ大学にデザイン学科があります。そこにニコラ・ジュレク(Nikola Djurek)先生がいらっしゃいました。ジュレク先生も、2004年か2005年にオランダの王立芸術アカデミーのタイプ&メディア(TypeMedia)コースで勉強しています。デザイン学校でジュレク先生に学んだことが、私とタイプデザインの出会いです。

2010年に卒業したあと、タイプデザインをもっとうまくなりたいと思い、ジュレク先生と同じ王立芸術アカデミーで勉強するのが筋が通っていると考えました。ジュレク先生のやり方が好きだったからです。そうやってタイプデザインの勉強を始めました。タイプ&メディアコースを終了後、仕事に就きました。内容は半分半分ですね。エディトリアルや印刷物のグラフィックデザイナーとして働きながら、半分はレタリングや書体のカスタマイズといったことをしていました。

 

ーーあなたの姓のスペル(Živčić)を見るとタイプデザイナー以外の選択肢はなかったように思えます。発音区別符号がたくさんあって、「i」のドットまで入れると5つもアクセント符号がありますね。

ははは!そうですね。書き言葉に発音区別符合のある民族はディテールに対して、少なくとも母国語の発音区別符合に対しては、感受性が鋭いのではないかと思います。

実際、キャロン(ハーチェク)やアキュートなどの符合を扱うのであれば、ほかのあらゆることにも注意を払う必要があります。

そのことが、今デザイン教育を受けているデザイナーに発音区別符合のある言語を母語とする人が大勢いる、という現状にも一役買っているかもしれません。確かにそれが発音区別符合のデザインを前進させているかもしれませんね。

 

フォント「Mote」の制作について

ーー「Mote」はあなたが最初に発表したフォントですね。

そうです。タイプ&メディアコースで卒業作品として始めました。

このフォントを支持しているのは今でも主にクロアチアの人です。クロアチア語のためにデザインしたからというよりも、私がクロアチアに知り合いがたくさんいて、彼らも自国のデザイナーのタイプフェイスを使う方を好ましく思っているということが理由でしょう。

「Mote」フォントを単にサンセリフ書体のボールドのように使うデザイナーもいますが、細部や曲線の微妙な部分は大きなサイズで使うとはっきりと見えてきます。ですから、その両方の使い方をしてもらうと嬉しいです。

 

フォント「Halte」の制作について

ーーさて、発表されたばかりの「Halte」は「Mote」の反対ですね。極めてクロアチア的に思えます。どのように作り始めたか教えてください。

ザグレブ市内のバス停の看板に奇妙なスタイルのレタリングが使われているのに気づいたのです。

看板は鋳造で、70年代に作られたものだと思います。興味を引かれた理由は、バス停の看板が非常に機能性が求められているものだからです。標識ですので。そこでまず、そのレタリングをそのままもう一度描き直し、若干のウェイトを追加してみて、グラフィックデザインとしてうまくいくかを見ようと試みました。しかしその後、使い方を広げられるかもしれないとわかったのです。

ひとつは、文字の形状を調整してもっと幅広い環境でうまく機能するようにすることでした。クロアチアの事情にぴったり合っているのかどうかは確信が持てませんが、何の色も帯びないようにできるということ、あるいはそうする必要があるということについて学べました。

目的をさらに明確に定めて、「Mote」よりも特徴のはっきりした書体を作りたいと思いました。実に面白いのは、オリジナルのタイプフェイスを作るデザイナーはこういったプロジェクトで思いがけなく大胆なことをするということです。とにかく、私はそういうことが好きで、興味を持っています。このことによってタイプフェイスの美学をさらに推し進めることができるでしょう。

このタイプフェイスはグラフィカルな外見をしていて、少し奇妙に見えるかもしれませんが、看板というもの自体が独特のものです。多分そこに私は興味を引かれているのでしょう。もうひとつは、どうすればこういった美学と方法を、注意を引くために叫び続けたりはしないものに応用できるかです。私は常にそのふたつの間にいます。面白くするためだけで風変わりなものは作りません。グラフィック的な意味で少し大胆なことをしています。

 

参照リンク : Type Designer Interviews. Part 3: Hrvoje Živčić – Typotheque (CC BY 3.0)
当記事はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(Creative Commons license / CC license)に基づいて編集しています。

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