世界のベテラングラフィックデザイナーから若いデザイナーへのアドバイス

世界のベテラングラフィックデザイナーから若いデザイナーへのアドバイス

デザインの世界に足を踏み入れたばかり、あるいはこれからその道へ進もうと考えている若者に向けて贈られた、第一線で活躍する世界的トップクラスのデザイナーからのアドバイスをまとめました。どのクリエイターも、本質的なポイントをやさしい言葉でわかりやすく教えてくれています。ある程度キャリアを重ねたプロフェッショナルにとっても、参考になるかもしれません。

 

楽しんでデザインする

自分の楽しみのために作ったデザインを、ためらわずに見せよう。

米国オレゴン州ポートランドを拠点に活躍するグラフィックデザイナーAaron Draplin(アーロン・ドラプリン)氏は、作家でもあり、「Field Notes(フィールドノート)」というメモ帳のブランドを起こした企業家でもあります。Nike、Esquireといったメジャーブランドや、オバマ政権のためのロゴデザインなどを提供してきました。

ドラプリン氏はスノーボードと骨董品をこよなく愛し、人生をエンジョイしています。

ある学生が彼のところに作品を見せに来ますが、ドラプリン氏は「学校の課題のようなものには興味がない」といいます。「それよりも友達のバンドのためのロゴや大好きなロゴを見せてもらって、なぜそのデザインを作ったかストーリーを聞く方がいい」と言っています。

とにかく楽しんでやることだ!というのがドラプリン氏のアドバイスです。

 

好奇心を失わず、自分らしく

自分らしさを失わずに、人を楽しませることで報酬を得ることが、とても重要です。

スペインのアーティストでデザイナーのJavier Mariscal(ハビエル・マリスカル)氏のことばです。

マリスカル氏は「自分が本当にやりたいことをして、自分が楽しいと思えないことはやるべきでない」と言っています。また、「デザインは、美しいかどうかよりも、課題解決の役に立つかどうかが重要なので、好奇心を強く持って、ほかの人々やものごとを理解することが大切だ」とアドバイスしています。

Mariscal氏は、テキスタイルからグラフィック、家具、インテリアまで幅広い活動をおこなっています。

コビー

1992年のバルセロナオリンピックのマスコット、コビー(Cobi)もMariscal氏の作品です。

 

5歳児のような好奇心を持て

変わっているということや、自分の意見、独自の視点に価値があるのです。

好奇心を持ち、心を開こう。

米国のアートディレクター、デザイナー、作家、指導者のJames Victore(ジェームズ・ヴィクトル)が、7年生(日本の中学1年生)から、グラフィックデザイナーになるにはどうしたら良いかを質問されました。

「変わった子供だと他人から思われているとすれば、そう思わせている特徴が将来の君を大きくしてくれる」というのがその答えです。変わっていると思われている点を無くそうとしたり、隠したり、恥ずかしがる必要はないというのです。

Victore氏自身が「なぜ普通にできないのか?」といわれながら育ったそうです。訓練をすることで、その特性が強力なツールになるとアドバイスしています。

また、好奇心を持ち、心を開いて、5歳児のように「なぜ」と疑問を抱き続けることで、あらゆることから学ぶことができるともいっています。本、映画、ガーデニング、オートバイ。なんでも興味を持つことが、魅力的な人間を作るのです。

 

もっとも好きなものを見つけ出し、自分のやり方でつきつめる

アンテナを張り巡らして好きなものをすべてピックアップしながら、自分自身のやり方を発見すること。そして、自分がもっとも好きなことを選び取り、自分のやり方でそれをつきつめてください。

オランダを代表するグラッフィックデザイナーWim Crouwel(ウィム・クロウエル)氏は、自分たちがキャリアをスタートさせた時代と現在の環境を比べて「うらやましくもあり、大変だとも思う」と語っています。

現代では、一口にグラフィックデザインといっても、さまざまなメディアや技術が存在し、はるかに自由度が高いです。そのため、大きな可能性の中から自分の進むべき道を見つけるのがとても難しくなっているとして、若いデザイナーに上のようなアドバイスを残しています。

Crouwel氏は、作品作りにグリッドを好んで使うため、「ミスター・グリドニック(Mr. Gridnik)」という愛称でも呼ばれていました。グリッドに基づいた幾何学的オリジナル書体も多く生み出しています。

New Alphabet

まだ表現力が非力だったコンピューターディスプレイのために60年代に作られた実験的な書体「New Alphabet」で物議を醸しました。ほかにも「Architype Stedelijk」「Foundry Gridnik」などのとても特徴的な作品があります。Grouwel氏は2019年9月19日に亡くなりました。

 

直感を信じてプロジェクトを選ぶ

自分自身をしっかり見つめて、できるだけ正直でいてください。

オランダを拠点に活動している世界的ブックデザイナーIrma Boom(イルマ・ボーム)氏は、これまでに300点以上の書籍をデザインし、「本の女王」とも呼ばれています。ボーム氏の作品の数十点がニューヨーク近代美術館(MoMA)でコレクションに加えられています。

Irma Boom

ボーム氏は、クライアントとデザイナーという関係で仕事をおこなうことはなく、委員会(commissioners)を設けてプロジェクトを進めるという形をとります。デザイナーとクライアントが対等な立場で仕事ができるからだといいます。また、関わるプロジェクトを注意深く選ぶことでも有名です。

「若いデザイナーもいずれは、これまでの実績について必ず問われるので、キャリアの初期段階からプロジェクトを選ぶのがベストだ」といっています。その選択の仕方は学んで得られるのではなく、直感的なものだといいます。ボーム氏自身、今でも直感を無視すると、いつも悪い結果になるそうです。

 

だれに指導を受け、だれと働くかを考える

自分のキャリアにとって有意義な関係を意識して築こう。

(いずれ状況が変わり目指していた方向が変わる可能性があるとしても)本当にしたいこと、どこに向かいたいか、を知ること。

イスラエルをベースに活動しているフリーランスデザイナーRan Segall(ラン・シーゴル)氏は、「Flux Academy」を主催し、オンラインで世界中の若手デザイナーにWebデザインを指導しています。

もともとフリーランスを目指していたわけではないとSegall氏はいいます。下着姿のままで家で仕事なんてしたくなかったそうです。オフィスで一緒に働きながら、おもしろいひとたちから学びたかったので、広告会社やブランディング会社、スタートアップ企業で社内デザイナーとして働いてきました。

しかし何年か経験を積んだのちに、もっといろいろな仕事をやりたくなりました。そこで自分の時間をみずから管理するためにフリーランスとなることを選んだそうです。

今やりたい仕事、こうなりたいと思っていることは、それを実現したり、時間が経ったり、あるいは環境の変化によって変わります。優先順位が変わってきます。Segall氏は自らの経験を踏まえて、デザイナーを目指す若者に冒頭のアドバイスをしています。

「もしデザイナーとしてのキャリアをもう一度やり直すとしたら何をしますか?」というフォロワーからの質問に対する答えのなかに「メンターやコーチに指導をあおぐことをもっと意識的にやりたい」というものがありました。会社のボスの指導や本を参考にしながら、独学でデザインを学んできたSegall氏は、経理や経営のスキルが弱点だと考えていました。そこで最近、ビジネスについて指導してもらったところ、とても効率的に学ぶことができたそうです。

ですから、デザインについても「どういう指導者や、ともに仕事をしたいデザイナーがいるかを調べて、計画的に指導をあおいだり、関わりを持つようにしていれば、いまとは別の状況になっていたかもしれない」といっています。

 

報酬を得るための仕事とアート活動を区別する

アーティストの活動とデザイナーの仕事はまったく別です。

カリフォルニアを拠点に活動しているChirs Do(クリス・ドゥ)氏は、デザインを中心としたコンサルティング会社BlindのCEOです。デザインとコンサルティングについて勢力的に情報発信をおこなっています。また、ビジネスとデザインに関するオンライン教育プラットフォーム「The Futur」の創立者でもあります。

自分自身の創作活動をやりたいが、仕事のためになかなか時間が避けないと悩む若いデザイナーが「個人的な創作活動はプロとしての仕事に役立つか?」という質問をしました。それに対してDo氏は「情熱を持ってデザイナーという職を選んだはずなのに、個人的な時間にやりたいことが違うのは、どこかに問題があるからではないか?」と答えます。

アーティストは、クライアントを持たず、自分のために創作をおこない、みずからの世界観を作品を通して共有します。問題は、アーティストのようにふるまうデザイナーがいるということです。「もし、デザイナーよりもアーティストに向いている、またはアーティストになりたいとすれば、アートの道にまっすぐに進むべきだ」とDo氏はアドバイスしています。

 

まとめ

さまざまなデザイナーやクリエイターの言葉をピックアップしてみましたが、本当に好きなことをする、自分を信じる、という点で共通しているように思います。

広く情報を集め、自分の内なる声に耳を澄まして、進むべき道を見つける。方向を決めたら自分を信じて進む。しばらくたって何かが違うと感じたら、また自分の声を聞く。あるいは師匠や指導者に教えを請う。

こうやってまとめると、シンプルで自然なことではありますが、現実にはなかなか難しいかもしれません。自分を信じることが「自信」ですが、自信を持つとは、もちろんビッグマウス的な虚勢をはることでないと思います。自分に正直かどうか、ということがポイントかもしれません。

今回紹介したデザイナーたちはいずれも個性的で強い自信を持っているように思います。

書籍デザイナーのIrma Boom(イルマ・ボーム)氏は学生時代に、Wim Crouwel(ウィム・クロウエル)氏が設立したスタジオの面接を受けました。フォントの使い方がスタジオのスタイルに合わないとの理由で、対応したスタッフによって不採用になったそうです。ボーム氏は笑いながらこのエピソードをよく紹介するそうですが、その当時の若いボーム氏がすでに強い自信を持っていたのか、このスタジオは私には合わない、と直感したかどうか、興味のあるところです。

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