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ロゴデザイナーインタビュー : Bobby Haiqalsyah

今回フィーチャーするメンバーは、才能あふれるデザイナー兼イラストレーターおよびレタラーであるBobby Haiqalsyahです。インドネシア出身で現在はオーストラリアのメルボルンに拠点を置くBobbyは、故郷の活気あふれる文化とオーストラリアで受けたデザイン教育をミックスさせています。これらの二つが合わさると、Bobbyなら何でもできてしまうのです。

この記事は海外のロゴデザインWEBマガジン”LogoLounge“の記事(by Ellen Healy)を翻訳しています。※掲載はLogoLoungeとデザイナーの許諾を得ています。

トマトソースのロゴ

■少し自己紹介をしてください。ご自身のバックグラウンド、デザインスタイル、デザイナーになったきっかけを教えてください。

私はインドネシアのジャカルタで生まれ、10代の半ばで家族の事情でオーストラリアへ移住しました。小さいころからコミックブックが好きだったのですが、自分の好きなデザイナーを調べると当時はまだコミックに特化した学校は少なく、皆デザインを学んでいたことが分かりました。そこで初めて「グラフィックデザイン」という言葉を知りました。高校と大学でデザインを学んだあとはコミックブックへの興味が薄れ、デザインというものが私たちの日常にどのように影響しているのかを知りたくなりました。

コミックのデザイン

私が作ろうとしている美は私の文化的背景と教育の融合だと思います。東南アジアの伝統はとても活気的で装飾が多く、カラフルでとても複雑です。また、インドネシアはイスラム教徒が多い国なので、聖典、カリグラフィー、装飾の3つから成るイスラム教のアートも良く見られます。これらの要素は私のスタイルを築く助けとなりましたし、教育を通じてイラストレーションとタイポグラフィに興味を持ちました。

なぜこの二つなのかと言うと、Scott McCloudの「Understanding Comics」にも書いてある通り、イラストレーションとタイポグラフィは全く逆のビジュアルコミュニケーションだと感じたからです。この本では「言葉こそ究極の抽象である」という内容の部分があり、印象的でした。一つの絵で何千もの言葉を表すことができますが、一つの言葉も人の解釈によっては複数の意味を持つのだと思いました。例えば、「鳥」という言葉は、物語の語り手やオーディエンス、内容によってはペンギン、鶏、鷹など様々なものになり得るのです。

文化の影響を受けたカリグラフィー

とにかく、少し話がそれましたが、何世紀にもわたって語りつがれている豊かな文化と実践を発見すべく、タイポグラフィとイラストレーションを追及していました。最終的に、当時はレタリングや視覚的要素、スタイリングの多くが私の生まれ育った文化を思い起こさせるものだったので、ビンテージなスタイルが私の美を表すのだとわかりました。それからは、このスタイルでいろいろと試しています。

地球を模したロゴ

■あなたは他のデザイナーとどう違うと思いますか?作品のどのような部分が特徴的だと思いますか?

先ほども言った通り、私の育った背景はすでに多くの人と違います。アジアの美と西洋の原則を融合させることは、私のような人間にはぴったりだと思いますし、私が今いる場所の居心地の良さを感じることができます。自分の文化の背景を他人に押し付けるのではなく、ビジュアル言語を使ってその中間地点を見つけることができました。自分の作品の特徴としては、目立つのが好きなのでよくわかりません(特徴というものについてあまり考えたことがないという意味)。(特にイラストレーションとレタリングの作品に関しては)素晴らしいものを作れればいいので、作品そのものが主張することができたら嬉しいですね。

レタリングの制作事例

■一番気に入っている作品は何ですか?

評価が高かった作品のほとんどはとても難しいものでした。完全にクレイジーに聞こえるけど、最終的に解決策を見つけることができた作品です。

イラストレーションの制作事例

■仕事の流れを段階に分けて説明してもらえますか?

1. クライアントとの長いディスカッション

2. マーケットと競争企業についてのリサーチ

3. ビジュアルリサーチ

4. 試行錯誤

5. 洗練

6. 満足する結果が出るまで繰り返す

ロゴ制作事例

■今までのデザイナー人生の中で学んだ最も重要なことは何でしたか?

「血統」と言って分かってもらえるといいですが、これが、私が学び尊敬した最も重要なことでした。デザインはたくさんの才能のある人達のおかげでできています。彼らの成してきたことを認識し、彼らがデザイナーたちにどのように影響してきたのかを知ることがとても重要でした。過去に敬意を表すことで、現在の物事のあり方をしっかりと理解できるだけでなく、明敏な考えを持つ人ならこれからの未来のパターンを予測することもできるのです。

蓮がモチーフのロゴ

■「すごい!」と思った作品は何でしたか?また、なぜですか?あなたにとってヒーローのような存在のデザイナーは誰ですか?

インスタグラムでフォローしている人の投稿を見るたびに、すごいと思います。フォローしている人はたくさんいますが、彼らのデザインの決め方を学ぶためにも彼らのヒーローが誰なのかを知ることが大事だと思います。誰でもヒーローのようになりたいと思いますが、彼らのデザインを真似するのではなく、彼らのデザインをもっと深く知るモチベーションが必要だと思います。その結果、自分の判断で本当に自分らしいオリジナルな作品をつくれるようになれればいいですね。

私がチェックしているのはJordan Metcalf、Like Minded Studio、Luke Lucas、Travis Price、Andre Beato、Luoise Filli、Herb Lubalinなどです。

企業ロゴ制作例

■是非やってみたいプロジェクトや一緒に仕事をしたいと思うクライアントはいますか?

誰でもある程度そう思うプロジェクトやクライアントは存在するので、何も珍しいことは言えません。でも、クリエイティブな方法でテレビゲームの作成に参加したいですね。

 

■趣味は何ですか?あなたの私生活や過去で私たちが驚くようなことはありますか?

自由な時間がある時テレビゲームをすること、10年以上格闘技をやっていること、デザインの仕事に集中する前に5年ほどシェフをしていたことなどですかね。

タイポグラフィー制作事例

■あなたが思う成功とは何ですか?他のデザイナーたちにどのようなアドバイスをしますか?

成功はとてもはかないものです。Deepak Chopraの「成功を無視して、完璧を求めろ」というツイートが好きです。私は私の作品が活気を失い平凡になることを恐れています。しかし、人生を心配することなく生きて自分の大切な人達のことを思えば、どんな結果になっても満足できると思います。

アドバイスとしては、どんな仕事でも道は長いです。犠牲と涙を伴いますが、忍耐・努力・挑戦は全て報われます。そしてなんといっても、デザインを通して、周りの人々の生活やイメージを向上させるコミュニティの一員になれることにやりがいがあります。行き先を見失ってしまったら、昨日より少しでも多くのことを知っているんだという事実を信じることで、今日という日を昨日よりいい日にしてください。

花がモチーフのロゴ

designer : Bobby Haiqalsyah
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