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様々な要素が組み込まれたビジュアルアーティスト kissmiklos氏のデザイン達

今回紹介するのはハンガリーのデザイナーであり、ビジュアルアーティストのkissmiklos氏。kissmiklos氏の作品には、建築や美術、デザイン、グラフィックデザインなどの様々な要素が組み込まれています。強力な芸術的なアプローチと卓越した美的センスが彼の作品には溢れています。印象に残る大胆且つ繊細なロゴデザイン、ハッと魅せられる配色など彼による素晴らしい作品を見ていきましょう。※記事掲載はデザイナーの承諾を得ています。(Thank you, kissmiklos!)

 

洗練されたロゴが印象的なラベルデザイン

YONOはハンガリー産の果実を発酵させ秘伝のレシピを融合させた独自の方式で作られています。何世代にも渡り、専門家たちの知識で最高品質を生み出してきました。YONOには二つの味があります。それには理由があり、スピリチュアルな意味、そしてお酒の意味を含んでいます。遊牧民族だったハンガリー人にちなんで馬をもとに自由な動物を探したところペガサスに行き着いたそうです。ロゴデザインにはスッキリとしたラインで描かれたペガサスがモチーフに。

ラベルはなんと斜めになった斬新なデザインです。シンプルながらボトルに躍動感が出ます。ブラックと箔押しのゴールドで統一されたデザインは高級感が漂います。スッキリとした線で区切られた情報は見やすく、箔押しのロゴにすっと目がいくようにデザインされています。YONOというブランド名のロゴタイプは4つのアルファベットが少しずつ重なり合っていますが、絶妙に窮屈ではないバランスで配置されています。つながりや距離感を持たせることで平面なのに立体感が感じられるロゴデザインです。

 

色使いが美しいお菓子屋さんのアートディレクション

ハンガリーの田舎町 カポシュヴァールの中心部にあるお菓子屋さんのアートディレクションを担当しました。インテリアや設備、家具などは残されたものを使用するというプロジェクトだったので、さらにアイディアを加えていく必要がありました。

インテリアは、20世紀初頭の特徴的なグランドカフェの雰囲気を現代的に解釈し、元々カウンターに使用されていたパステルグリーンで全体を統一。パステルカラーはマカロンやフレンチケーキのパティスリーを連想させるので、濃い緑、ゴールド、ピンクなどを添えて考えていきました。なかなか挑戦的な配色だと感じます。

 

Gard’Annという名前はGardenという言葉と所有者の名前であるAnne Marieに由来しています。ロゴには活版印刷のイメージを落し込みました。GとAとの繋がり、DとAとの空間と、全体を統一するセリフ体の滑らかさが質の良いイメージをもたらします。メインの壁に少し古いテイストの葉や、植物、様々な鳥を組み合わせて壮大な絵を作りました。お菓子を入れるボックスやカード、紙袋など、「ガーデン」という言葉の印象を強化するために作成したそうです。ゲストをよりリラックスさせるため、配色に力を入れています。

 

繊細で細かなタッチで描かれた植物のイラストが使用されたマカロンのパッケージ。深いモスグリーンのクッションに、ピンク、グリーンなどのマカロンが映えます。少し落ち着いた配色でまとめられたこのイラストは他にも様々なプロダクトに反映されています。例えば他にはカップのパッケージ。こちらはモノクロで線のみのデザインです。タッチが細やかなのでモノクロになった時も華やかさを失いません。全体のアートディレクションが素晴らしいと、製品のイメージ、そしてクオリティさえも底上げしてくれますよね。

コンセプトに合った提案をすることは簡単なことではありません。単純にコンセプト通りのデザインを仕上げたら良いのではなく、クライアントがイメージするよりも更に素晴らしい提案をすることが望まれます。それはこのようにアートディレクション全体を手がける時だけではなく、小さなカードデザインやWEBデザインでも変わりません。最新の技術や流行りのデザインを使ったらいいわけでもなく、しっかりとクライアントに寄り添って、何が最適なのか考えられるデザインが最も優れているでしょう。

 

クリスマスデザイン展のための美しいフライヤーデザイン

このデザインは、At Xmasという複数の場所で選ばれしハンガリーデザイナーによるデザイン展のために作られました。12月5日から24日まで150人のハンガリー人デザイナーの作品が展示・販売されるそうです。その期間はブダペストの国際空港やホテル、ギャラリー、広場など様々な会場にてAt Xmasのショップが置かれます。

 

フライヤーはクリスマスを連想させるレッドとグリーンを敢えて使わず、落ち着いたゴールドのバックでゴージャスな印象を受けます。クリスマスのモチーフなどは一切使わず、メインのモチーフはなんと開催日と会場のタイポグラフィ。すっと伸びた斜めのラインに沿うようにまるでターミナルの案内のようにタイポグラフィが組まれています。強弱のある線で繋がったり円を描いたりと動きに目を奪われますね。また、メインフライヤーだけでなく、「GOOD BYE 2014」などの文字も同じ様式で描かれています。白と黒で区切られた色のコントラストもデザインのポイントです。クリスマスのフライヤーを担当することになった時に多くの人がこの配色を選べるかと言うと、なかなかそうはいかないと思いました。

 

まとめ

今回は線や色を美しく操るデザインが素敵なkissmiklos氏の作品を見ていきました。デザインだけでなく、アートディレクションを担当するには全体のバランスを見ることが重要です。いかにクライアントとのコミュニケーションで希望やイメージを引き出せるか、またそれを実現するために一番いい方法は何か、そしてオリジナリティを出すのはどこなのか。そして冒頭でも語ったように建築や美術、グラフィックデザインなどの様々な要素やエッセンスを入れつつ、全体のバランスを見ることができるのが彼の強みでありデザインの面白さなのではないでしょうか。

design : kissmiklos (Hungary)

 

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