アメリカの若手グラフィックデザイナーが手がけるロゴ制作例

企業ロゴデザインの作例

日常生活には至るところでロゴが見られますが、大企業に限らずスタートアップの小さな企業でも、洗練されたロゴを使用しているケースが増えてきていると感じます。

言うまでもなく、企業ロゴは企業が営業をしていく上でとても大事なもの。それぞれのブランド形成においてロゴが果たす役割は大変大きいです。世界中で優秀なデザイナーが、企業のイメージを消費者・顧客に上手に伝えるロゴデザインに取り組んでいます。

今回ご紹介するのは、アメリカの若手グラフィックデザイナー Scott Garder 氏の作品です。 Scott Garder氏は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サクラメントに位置するThe Art Institute of California – Sacramento校の科を2015年に卒業。在籍中より数々のグラフィック作品を精力的に取り組み、アクティブな活動を続けている気鋭のデザイナー / イラストレーターです。彼の代表的な作品を見ながら、ロゴ制作について考えてみましょう。※記事掲載はデザイナーの許諾を得ています。(Thank you, Scott !)


 広告代理店のリブランディングプロジェクト

広告代理店のロゴ Crown & Greyhoundは、イギリスロンドン南東部のパブより名前を取得し、サンティアゴとラスベガスにオフィスを持つ広告代理店です。

“既存のロゴに準じつつも、ブランドを高めた視覚システムを活用しながら、顧客のそれぞれのアイデンティティを尊重したサービスを行っている企業精神を映し出すことのできる新しいロゴを制作してほしい” という要求より生まれたプロジェクトです。

会社ロゴのリブランディング

このロゴの第一の特徴は、既存のロゴが一サイズのみであったのに対して、ロゴを配置する媒体の大きさによって様々なバリエーションが展開されるロゴであることです。一番小さいロゴは、頭文字を取ったアルファベット『C&G』のロゴ。それに加え、Crown & Greyhoundの名前からインスピレーションされる王冠(Crown)と足の速い猟犬(グレイハウンド : Greyhound)のイラストで構成される『C&G』のバージョンもあります。

この企業の基本的なロゴは、サンセリフ系のフォントBrandon Grotesque体を使用した『Crown & Greyhound』と明記されるものですが、Crownの『w』の部分は先の王冠のイラストが使われています。各文字の間隔や余白部分の大きさも上手に調整されていて、視覚的なバランスにも優れたロゴです。

企業ロゴの基本カラー

基調カラーは青色と黄色で構成。明度の大小をうまく利用した青と黄色のコンビネーションは、落ち着いた雰囲気を醸し出しながらもパッと目を引く効果もあり、ロゴデザインには抜群の組み合わせです。


街をロゴで表現する

街のロゴマーク次は、アメリカ合衆国カリフォルニア州マリン群にあるサウサリート(Sausalito)市のロゴデザイン・プロジェクトです。ゴールデンゲート海峡を挟んでサンフランシスコ市の対岸にあり、今はリゾート地として有名な市ですが、昔は小規模な漁村でした。

2013年にサウスリート市のアイデンティティ・ブランド・プロジェクトに参加したGarder氏の案は、この市の特色である海岸リゾート地の小さな港に滞在しているボートのロープワーク(ロープの結び方や扱い方)からインスピレーションを得て生まれました。

ロゴのアイデア

彼の作成したロゴマークはその成り立ちがとても興味深いです。一般的なボートのロープワークの形態をシンプルな線に置き換え、そこから『Sausalito』の頭文字『S』を彷彿させるような構成を作り出します。最後に、排除する部分や線として残す部分を整え、すっきりとしたマークとして成立するフォルムが出来上がります。貴重カラーは緑色とムラサキ色の組み合わせ。とても洗練された色のコンビネーションです。この他にも、このマークを配置する印刷物の色彩に対応できるように、数多くのカラーバリエーションがあります。

ロゴを活用した印刷物


最後に「創造的なエクササイズ(Creative Exercise)」 と称した、シンプルな動物のイラストレーションを取り入れたGarder氏の個人的なプロジェクトのロゴ作品を二点見てみましょう。

 

教育機関のロゴマーク

プレーンなラインで描かれたオオヤマネコの顔を使ったマークで構成されるオオヤマネコのアカデミーのロゴです。

一般的に動物の顔をマークにする場合、可愛らしさやどう猛さといった動物特有の性質や人間の動物に対する思い(親近感など)が表現された例が多いのですが、このマークは、幾何学形で構成しながら単一の太さのモノラインで作り上げられているため、無機質な雰囲気を漂わせつつ真摯な表情のマークとなっています。

下面のACCADEMIAの文字と一体で見ると、三角形を背景ベースにしているロゴで、視覚的なバランス感も考慮されています。

 

ワインラベルのロゴマーク

こちらはピノ・ノワール種の赤ワインのラベルです。この作品の特徴は色彩にあります。深い紫色とピンク色という赤系の類似色のコンビネーションの使用ですが、明度と彩度を上手く利用したインパクトのある組み合わせです。

『Butterfly(蝶)ワイン』の名前通り、蝶のイラストレーションも余計な形態を削ぎ落としたシンプルなもの。柔らかなイメージを与えつつ高級感を醸し出しており、ワインのラベルにぴったりなロゴデザインです。ネガティブスペースに浮かぶワインボトルを発見した瞬間に、ハッとする驚きがあります。


まとめ

ロゴデザインは、企業やブランドの伝えたいイメージまたはコンセプトをできるだけシンプルに表現し、顧客や消費者に一目で把握してもらえるものが一般的に良いデザインと言われています。今回ご紹介したScott Garder氏の作品はロゴデザインのあるべき姿を明確に捉えたものであり、デザインを志す人にとって参考になるのではないでしょうか。

design : Scott Garder ( USA )

 

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