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フィッシングガイドのロゴデザイン

ブランドのイメージを強く鮮やかに残すロゴデザイン制作例

フィッシングガイドのロゴデザイン

ブランドの顔となるロゴデザインは、美しく・格好いいに越したことはありません。しかし同業他社のロゴデザインも同じように、美しく・格好いいものばかりだとしたら、せっかく作ったロゴデザインも埋もれてしまうかもしれません。

ブランドのイメージを強く鮮やかに残すロゴ

ブラジルのグラフィックデザイナー IGØR SÁ FØRTES 氏は、広告代理店で7年間アートディレクターを務めたのち、フリーランスのデザイナーとしてブラジルに留まらず世界各地のクライアントと繋がりを持ち、ロゴデザインやブランディングを中心とした数々のデザインプロジェクトに携わっています。

マーケティングに精通している彼は、ブランドポジショニングに関する知識が豊富で、デザインを基点にしたブランディングを得意としています。 どのように表現すれば、他社と差がつき、独自の個性を主張できるのか。IGØR SÁ FØRTES氏の制作例を見ながら考察していきましょう。記事掲載はデザイナーの許諾を得ています。(Thank you, IGØR !

 

フィッシングガイド「Léo Gurgel Fishing Guide」のロゴデザイン

フィッシングガイドのロゴデザイン

LéoGurgelは大学院でマーケティングの学位を収めた後、プロフォトグラファーとして生活していました。彼の人生の分岐点となったのが、南米に流れる大きな川、サンフランシスコ川流域にある湖での釣り。そこに生息する「トゥクナレ(ピーコックバス)」は、体長30cm~1mになる中型の魚で、釣り上げることが難しいことから、多くの釣り人を夢中にさせるスポーツフィッシング向きの魚として有名です。 LéoGurgelも、この「トゥクナレ」に魅了され、スポーツフィッシングを愛するがあまり、ツアーガイドとしての人生を送ることとなったのです。

フィッシングガイドのロゴの作り方

フィッシングガイドをはじめるにあたり、検討されたのがロゴマークのデザインです。この仕事の象徴となるのは、やはり獲物である「トゥクナレ」。そこに水面の動きを加えデザインが考えられましたが、魚と水面だけではありきたりなデザインになりがちです。

そこにオリジナリティを加えるため、加えたモチーフが「指紋」です。指紋は人間一人一人違うもの。まさにアイデンティティを象徴するのにはピッタリのモチーフです。

写真ロゴ

また「トゥクナレ」自体に縞模様が入っていることもあり、自然な指紋の模様は魚のモチーフにも違和感なく馴染みます。

 

ロゴタイプとの組み合わせ

波の模様に魚のモチーフを重ねることでシンボルマークが完成し、そのサイズに合わせて収まるようにロゴタイプもデザインされています。スポーツというと快活なイメージがあるサンセリフ書体が選ばれやすい傾向にありますが、魚との頭脳戦でもあるスポーツフィッシングの特性を考慮し、理知的なイメージがあるセリフ書体が使用されています。

船のデザイン

フィッシング

 

カルチャースクール「La Maya Escuela」のロゴデザイン

スペイン語のカルチャースクールのロゴ

北アメリカと南アメリカの間に位置するユカタン半島周辺で、8世紀前後にもっとも栄えたマヤ文明。周辺での現在の公用語はスペイン語になっていますが、文明が栄えたころは「マヤ語」が話され、独自の暦や文化と共に発展していました。

現代社会とは大きな違いのあるマヤ文明は、多くの人の心を掴むミステリアスな魅力に溢れています。その魅力に着目したのが、スペイン語を教えるカルチャースクール「La Maya Escuela」。ポルトガル語で「マヤの学校」を意味します。マヤ文明の暦や言葉・文化に触れながら、スペイン語が習得できる斬新なプログラムが人気で、ブラジルにも参入することになりました。

マヤ文明がモチーフのロゴデザイン

マヤの文化をフィーチャーしたスクールに相応しく、ロゴデザインにはマヤ文明に因んだモチーフが選ばれました。「太陽の石」という名で知られる、マヤの暦をあらわす石碑です。大きな円になっている石碑には、中央から方角をあらわす三角形に尖った図形が放射状に並んでおり、その内側にはさまざまな模様がひしめくように描かれています。「MAYA」と細めのサンセリフ書体で書かれたシンプルなロゴタイプの後ろには、複雑な石碑がデフォルメされて描かれています。実物の石碑には、重々しい雰囲気が漂っていますが、大きくデフォルメし単純化されたシンボルマークは、明るく太陽のように輝く学びの象徴のような存在になっています。

テキストのデザイン

デザインされたロゴマークはテキストなどに使用され、マヤの学校のシンボルマークとして役割を果たしています。

 

弁護士事務所「Lawerty」のロゴデザイン

弁護士事務所のロゴデザイン制作例

「Lowerty」は、英語で法を意味する「Law」と自由を意味する「Liberty」を掛け合わせた造語です。真実を立証し、自由を勝ち取るための弁護士事務所。そんな意味が込められた屋号なのかもしれません。

 

ロゴのプロセス1

ロゴのプロセス2

ロゴデザインのモチーフとなるシンボルマークも、自由を守るための剣と、法の秩序を象徴する天秤を重ね合わせてデザインされています。

弁護士事務所のロゴの作り方

弁護士事務所のロゴの作り方2

ロゴグリッドを使い緻密にバランスがとられたシンボルマークに、幾何学的な設計がシャープな印象を与えるサンセリフフォントがロゴタイプに使われています。 図柄にアレンジを加えながらも、均整がとれ安定した印象を与えるこのロゴマークは、「弁護士」という信頼が第一の職業にマッチしたデザインです。

 

ピアノバー「Piano House」のロゴデザイン

ピアノバーのロゴ制作例

アメリカにある、ピアノの演奏を聴きながら飲食ができるピアノバー「Piano House」。 ロゴマークのモチーフとなったのは、一目見てわかる通りピアノの鍵盤です。しかしこのシンボルマークは、ただ単に鍵盤を並べたわけではなく、Piano Houseの建物もイメージされています。

ピアノバーのロゴ制作プロセス1

ピアノバーのロゴ制作プロセス2

3つの塔が並ぶように建てられたクラシックな建物が、鍵盤のイメージと見事にマッチしています。また一番高い鍵盤の上に輝く金色の輪は、ピアノの内部にあるフレームに空けられた穴をモチーフに描かれています。

バーのロゴのモチーフ

この穴は、ピアノの心臓部ともいわれる「響板」を支える金属製のフレームに空けられたもので、ピアノの構造を維持する上では欠かせないパーツです。 この特徴的なパーツをビジュアル化し、ロゴのアクセントとすることで、他のピアノをモチーフとしたロゴデザインには無い印象の強さをデザインに与えています。

 

シーフードレストラン「Netuno」のロゴデザイン

シーフードレストランのロゴデザイン

ブラジルのシーフードレストラン「Netuno」は、英語の「Neptune」と同義。ネプチューンは、海王星という意味のほか、ローマ神話で語られる神の一人として登場します。ギリシア神話におけるポセイドンと同一とされる海の神ネプチューンは、三叉に分かれた矛(トライデント)を持ち、水源や馬を作り出し、怒れる時には地を突いて地震を起こしたといわれています。

シーフードレストランのロゴの作り方

そんな、ネプチューンを題材にしたレストランは、ロゴタイプをデザインする上でも、荒神ネプチューンの荒々しさと、彼の持つトライデントを取り入れています。 角が鋭角に尖る幾何学的な要素で構成されたサンセリフフォントを採用し、さらに「N」の文字の角を強調して猛々しさを表現しています。 また、中央に入る「U」の文字をトライデントに見立て、個性的なシンボルマークに仕立てています。

シーフードレストランのロゴ作成例

 

小児病棟「Previna Kids」のロゴデザイン

小児病棟のロゴデザイン

ブラジルにある総合病院「PREVINA」は、一般・小児科・産婦人科から成ります。患者へのホスピタリティに重きを置いた病院の運営方針の一環として、ビジュアルを通した病棟のイメージ構築が検討されました。

 

総合病院のロゴデザイン

病院の総合的なロゴマークを基本に、小児科と産婦人科用のロゴマークとカラーパレットが設定されています。

安定感と衛生的な印象を与える病院の代表ロゴに対し、小児科は鮮やかでハツラツとした色合いに遊びゴコロのある動きを感じる書体を合わせ、産婦人科は落ち着きのある深めの色味をベースに希望を感じる明るいカラーを差し色として使っています。書体もやわらかなスクリプト体を選び、やさしさと穏やかさを表現しています。

小児病棟のロゴとキャラクターデザイン

小児病棟のキャラクターデザイン

小児科では、ロゴデザインに合わせ、ユニークで可愛らしい動物たちのイラストがオリジナルキャラクターとして多数作られました。これらのキャラクターは、外来の待合室や診察室・病棟などありとあらゆるところに登場し、子どもたちの心を和ませています。

小児病棟のバナーデザイン

小児病棟の内装デザイン1

小児病棟の内装デザイン2

 

弁護士事務所「MSMV」のロゴデザイン

弁護士事務所のロゴデザイン制作例

創設者の頭文字をとった弁護士事務所「MSMV」 。多くのブランド・企業に愛され、ロゴにも使われることの多い、先鋭性のある幾何学フォント”Futura”を使い、すっきりと潔くロゴタイプがデザインされています。

弁護士事務所のロゴ制作プロセス

正方形が与えるイメージにはさまざまなものがありますが、とくに金属や石でできた立方体には「剛性」「堅牢」「組織」などのイメージがあり、合理性と精度の象徴ともいえます。

MSMVのビジュアルコンセプトとなるモチーフは、立方体です。 法律を扱う弁護士という職業には、間違いが許されない正確さと強さが求められます。また、人の信頼に適う真面目さも必要です。これらのイメージを総合すると、立方体のもつイメージと重なる部分が多いことがわかります。

 

弁護士事務所のロゴ制作プロセス2

立方体の面である正方形を背景に、黄金比や自然の摂理に則った正確なデザイン作業により、形や比率が整えられていきます。

弁護士事務所のシンプルなロゴ

ロゴイメージ

何気ないシンプルなデザインのように見えても、そこには、美しく、隙がないデザイン理論を駆使したプロセスがあります。その経緯は、事実を積み重ね、法を駆使して闘う弁護士の姿とぴったりと重なります。


格好いいロゴ、可愛らしいロゴ、シンプルなロゴ。

さまざまな表情をもつロゴデザインがありましたが、どれも二重三重に裏打ちされた、確固たるコンセプトを持つオリジナリティの強いロゴデザインが多かったように思います。

見た目の良さだけを重視しても、ユーザーの印象に残るデザインは作ることはできません。ブランドのコンセプトと伝えたいイメージのビジョンをしっかり確立させてこそ、伝わるロゴデザインが成立します。

design : IGØR SÁ FØRTES ( Brazil )

 

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