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ロゴデザイナーインタビュー

ロゴデザイナーインタビュー : Carlos Fernandez

ロゴデザイナーインタビュー

Logoloungeでは毎月、優れた才能をもつデザイナーを紹介しています。3月は、ヒューストンに拠点を置くデザイナー兼イラストレーターのCarlos Fernandezをご紹介します。20年以上の経験を持つFernandezさんはCenter Stageで紹介されるべき人です。

この記事は海外のロゴデザインWEBマガジン”LogoLounge“の記事(by Ellen Healy)を翻訳しています。※掲載はLogoLoungeとデザイナーの許諾を得ています。

 

■少し自己紹介をお願いします。ご自身のバックグラウンド、デザインの見た目について教えてください。

私の名前はCarlos Fernandezです。テキサス州ヒューストン在住のイラストレーター兼デザイナーです。2000年にデザイン事務所を開いてからロゴデザインを専門としています。それまでは、オースティンの複数のデザインエージェンシーでフルタイムで働いていました。雇われる身として、次のロゴ制作が待ち遠しかったです。ソロで活動する方が、何に集中すべきかが明確でした。

デザインスタイルについて言うと、アイコニックなアプローチのイラストをメインとすることが多いです。これらのプロジェクトでは、イラスト的であると同時に単純なデザインを作成します。最終的なデザインは、イラストのエネルギーを持ちながら、どんなサイズでもきれいにまとまるデザインになります。

フクロウがモチーフのロゴマーク

 

■自分は他のデザイナーとどう違うと思いますか?

おそらく、私のドローイング背景が他人と違う点だと思います。デザインへの情熱に気づく前は、スケッチや落書きをしながらカートゥーンアニメーターになることを夢見ていました。絵を描くことで親指の力の入れ方やデジタルの技術がスキルアップしました。また、ブレインストーミング(課題抽出)をするときにたくさんスケッチをします。60から80個あるスケッチの中からコンセプトを選ぶことができて嬉しいとクライアントにいつも言っていただけます。

ロゴのスケッチ

 

■グラフィックデザインの仕事をしたいと思ったきっかけは何でしたか?その道のりはどのようなものでしたか?

面白いことに、デザインに行きついたのは偶然だったのです。地元のEl Pasoの大学ではアートプログラムのようなものしかありませんでした。ファインアートかコマーシャルアートの2つの選択肢かありませんでした。ファインアートは自分に向いていないことは知っていました。だからコマーシャルアートを選んだのですが、それが何かはよく知りませんでした。でも、初めてのデザインクラスでハマってしまったんです。フォントや色やグラフィックの世界の扉が突然開いたのです。アニメーターになる夢はすぐに消えました。

El Pasoにいることが始めは役に立ちました。デザイナーが周りに少なかったので、幸いなことに地元のデザイン事務所での仕事の機会が多かったのです。El Pasoで何年か仕事をしてから、オースティンのより大きなマーケットへ移りました。そこでは学ぶことが多く、現在のビジネスの役にも立っている素晴らしい関係を築くことができました。オースティンから、友達をヒューストンまで追いかけて移住し、妻と出会い、現在は自宅のデザイン事務所で仕事をしています。

様々なロゴ作成例

 

■あなたのデザインプロセスについて教えてください。

全体的に、鉛筆が大きな役割を果たしています。どんなプロジェクトもまずは紙と鉛筆でコンセプトをスケッチすることから始まります。このアナログなアプローチによって問題解決にのみ集中することができます。良いアイデアも悪いアイデアも全て書き出します。

準備ができたら、多くの場合はアートディレクターやエージェンシーであるクライアントにコンセプトを見せます。方向性や、どれをコンピューター上で発展させるかについて話し合います。イラストレーターを使う前に、まずスケッチをもう一度綺麗に描いて、それをコンピューター上でガイドラインとして使います。文字や色を使う前にロゴデザインの構成から始めることがほとんどです。完成したら、下書きをクライアントに送ってプレゼンし、修正し、最終版を届けます。

うさぎのロゴスケッチ

うさぎのロゴ完成イメージ

 

■どんなデザイナーやデザイン企業に最もインスピレーションを受けますか?

ソロになった当初は、David Kampaが最も刺激的でした。まだEl Pasoに居たころ、一度作品を見せてもらったんです。それまではロゴデザインという分野すら知りませんでした。彼の素晴らしい作品だけではなく彼の話にもとても感銘を受け、自分の方向性が影響されました。

最近は素晴らしいデザインと繋がる手段がたくさんありますから、インスピレーションを受ける作品も見つけやすいです。Von Glitschka、Jay Fletcher、Bethany Heck、Brent Couchman、Claire Gude、Luke Bott、Matt Lehman、Nick Slater、その他たくさんの才能あふれるデザイナーからインスピレーションを受けています。

 

■最も気に入っている作品はなんですか?現在進行中のプロジェクトについて教えてください。

最も挑戦的だった作品が気に入っています。今思いつくのは、ミズーリ州のロゴコンセプトと、投資会社のPhillips Enterprisesのロゴデザインの2つです。ミズーリ州のロゴはジグソーパズルのようで、限られた数の色を使ってたくさんの要素を合わせなければなりませんでした。Phillipsのロゴは、石に彫られた翼の生えたライオンを作成するのがアイデアだったのですが、ライオンのディテールを作るのが難しかったですね。

ロゴ作成例1

投資会社のロゴ作成例

最近では、Hike and Hopeというホスピスケアの募金イベントのロゴを作成しました。このプロジェクトはイラストの機会だけではなく、寄付金を集めるためにデザインを作ることにやりがいを感じました。

募金イベントのロゴ作成例

 

■「デザイナーの壁」を乗り越える手助けとなったものは何でしたか?

私は、単純にそこから立ち去ることが最も効果的でした。新鮮な見方で物事を見ることはとても良いことです。私にとって壁から退くことは、散歩したり別のプロジェクトにシフトしたり、雑誌を読んだりすることでした。どんな方法でも、その問題から少しだけ目を背けることが必要でした。

しかし、厳しい締め切りがある時はそれも難しいです。そんな時は自分の心の中の旋回軸を見つけます。多くの場合、特定の角度から物を見続けたときに問題が生じる気がします。このサイクルを壊せば行き止まりから抜け出せるのです。デザインの本を読んだりLogoLoungeのようなサイトを見たりして、心をいったん緩めてリセットし、問題をより大きな絵として見ることができるようにしています。

様々なロゴマークの制作例2

 

■デザイナーの卵へのアドバイスはありますか?売れるコツなどはありますか?

私が最も苦戦したのは、自分の声やスタイルを見つけることでした。自分の作品はゆっくりと、しかし常に進化してゆくものです。トップデザイナーに影響されることも重要ですが、自分の作品を比べすぎてしまうとただの真似になってしまうこともあります。ですから、自分は誰なのかをしっかりと受け止め、自分のユニークな部分を認めることが大事です。自分が最も得意とすることは何なのか、どのようなクリエイティビティが一番自然に湧くのか、自分に聞いてみてください。自分が一番好きなスタイルと、自分が最も得意とするものが意外と違ったりするものなんです。

初期は、レクチャーに行っても、素晴らしいプロジェクトをどうやって成し遂げたのか話してくれる人は少なかったように思います。何年も後で、その魔法のようなきっかけには説明があまりいらないのだということがわかりました。ありとあらゆる方法でプロジェクトを成功させることができます。投稿した画像や自己宣伝、個人プロジェクトなど、全てを使ってみることをおすすめします。地元のクリエイティブコミュニティと繋がりを持ち、人と出会い、作品を投稿して、色々なマーケティングメソッドを試して、個人プロジェクトを制作してみてください。

企業ロゴなどの作成イメージ

 

■デザインのどんなところが一番好きですか?グラフィックデザイナーやイラストレーターになることのデメリットはありますか?

問題を解決するのが一番好きです。道のりがとても楽しいです。全てが好きですね。イライラするようなことも、乗り越えてしまえばとても楽しいものです。興奮できるコンセプトや完璧なフォントを見つけ、作品に命が宿るのを見ることです。クライアントが新しいロゴに興奮してくれるのを見るのは最高ですよ。

悪いクライアントはデザイナーの楽しみの全てを奪います。悲しいことに、始めたばかりの時はこういったクライアントに出会うことが多いんです。でも、時とともに減っていきます。売れれば売れるほど、こういったクライアントとも出会いにくくなります。でも、たまに必ず悪いクライアントが滑り込んでくることはあります。

アイコンデザイン

 

■好きなプロジェクトを好きなクライアントとやっていいとしたら、何を選びますか?

この質問への答えは常に違う気がします。今の環境に左右されるのだと思います。最近は2歳の娘が中心の生活ですから、子供用のすごく楽しいコンテンツに囲まれて生きています。その空間に今すぐ何かを作りたくなりますね。アイデアが発展するリッチでカラフルで想像的な世界です。外に行って遊びたくなるようなプロジェクトをするのが夢だと思います。

アイコンデザイン2

designer : Carlos Fernandez
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