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Colman’s Mustardのパッケージデザイン5

英国マスタードのColman’s Mustard – 王室御用達であり庶民の味、そのパッケージデザインは?

Colman’s Mustardのパッケージデザイン5

マスタードづくり一筋、Colman’s Mustardは王室御用達ブランドです。マスタード色の黄色が目印のパッケージデザインは、多くのイギリス国民にとって食卓にあって当たり前の存在になっています。

このコラムではイギリスの食事に欠かせないColman’s、そしてアイコン的存在の地位を維持しながらリデザインされたアイデアを紹介します。

 

Norwich生まれのColman’s Mustard

Norwich(ノリッチ)

Colman’s Mustard(コルマンズ・マスタード)のロゴを見てみると、「Colman’s of Norwich」とあります。Norwich(ノリッチ)というのはイギリス東部にある街です。城壁に囲まれ中世の雰囲気を残す美しい場所であるとともに、英国人が選ぶ働きやすい街と言われています。

このNorwichの地で1814年、マスタードづくりが始まりました。

現在も地元のからし菜栽培農家との付き合いを保ち、一緒に仕事をしています。農家のなかには、コルマンズ・マスタード・シードの栽培者として作業しているところもあります。

 

 

Colman’s Mustardのマスタードカラーがベースのパッケージデザイン

Colman’s Mustardのパッケージデザイン1

コルマンズのマスタードは手のひらサイズ、黄色と赤が目立ちラベルが風格ある雰囲気を出しています。このイングリッシュ・マスタードは日本の洋がらしと比べてツンとくるような辛さがなく、フランスのMailleよりシャープさがあり美味しいカラシです。

コルマンズのマスタードがリデザインされました。デザインを手掛けたのは独立系エージェンシーOurCreative. イングランド北西部にある学生都市リーズを本拠にする小売業を対象としたデザイン専門家集団です。

文化遺産とも言えるコルマンズの特別感を大切にすることを第一に、伝統を誇らしく思うと同時に、新しい顧客獲得のためクリエイティブに刺激することを考えます。原点に立ち返り、「Be distinctive, Be Colman’s」(個性的であること、コルマンズであること)という答えを導きだしました。

Colman’s Mustardのパッケージデザイン2

1855年以来、ブランドの中心的存在である雄牛の外観をリフレッシュ、若々しいものにしました。この変化はオリジナルの権威的なイメージを残しつつ、印象的なものにすることになりました。

リデザインはブランドの伝統に敬意を表しながら、自信に満ちモダンで時代にあった洗練されたデザインに仕上がったのです。

そして、このデザインは王室御用達ブランドとしてもふさわしいものでもあるのです。

 

王室御用達ブランドのColman’s

イギリスにはRoyal Warrant(王室御用達)と言って、王族が気に入って使用する製品の製造業者に対して与えられる紋章があります。英国王室に対し、少なくとも5年間に渡って商品またはサービスを提供した個人や企業が認定されます。

1866年、ヴィクトリア女王陛下が「The Queen’s Mustard」と宣言、コルマンズのマスタードは女王から究極のお墨付きをいただきました。

認定された理由として、ホワイトマスタードシードとブラウンマスタードシードの珍しいブランドであることからピリッとした辛さがあり、他のマスタードと一線を画しているということが挙げられます。

また、ノリッチのコルマンズは160年以上にわたって生産していた工場が閉鎖された後、保護されることになります。

Colman’s Mustardのパッケージデザイン3

マスタード一筋でやってきたコルマンズは、そのまま英国の歴史の一端をになっていることが分かります。

そして、マスタードは英国王室のための特別なものではなく、一般のどの家庭でも日常的に使われるという愛され方をしているのです。

Colman’sの商品を紹介

コルマンズのマスタードにはパウダー状のDry Mustardがありますが、イギリス人のユーモアセンスと同じように辛口だと表現されます。他にはペースト状のPrepared Mustardがあります。

イングリッシュマスタード170gで£1.65(約270円)です。

Colman’s Mustardのパッケージデザイン4

からし以外には調味料ミックス、ミントソース、写真のホースラディッシュなどの商品がラインナップされます。どの商品もイギリス料理に欠かせないものです。

マスタードはハム入りのサンドウィッチやお肉に使われ、ミントソースは特にラム肉に、そしてホースラディッシュはステーキにつけて食べると至福です。

どの調味料も好きな量を使い、自分のプレートをさらに美味しく仕上げるのにとても効果があります。

Colman’sのショップ&ミュージアム

ノリッチという街にとってコルマンズがどれほど大きな存在なのか、それはショップ&ミュージアムがあることで明らかでしょう。

ヴィクトリア時代の建物を再現し、コルマンズの様々な商品を買うことができます。ミュージアムでは歴史や製造に関するあらゆる情報を知る機会になります。もちろん、美味しいマスタードの試食も用意されています。コルマンズの生まれ故郷で試食をすれば、きっと美味しいに違いありませんね。

 

英国マスタードのColman’s Mustardでイギリス食が美味しくなる

Colman’s Mustardのパッケージデザイン5

コルマンズはイギリスの食卓にはなくてはならないマスタードです。お肉類はもちろん、キッシュにつけたり、もちろん調理に使ってお魚や野菜のメニューにも一味プラスすることができます。

コルマンズのウェブサイトには多くのレシピが載っていますが、面白いのはトマトとウォッカがベースのカクテルのブラッディ・マリーにコルマンズのマスタードを入れるアイデアです。ピリッとしたスパイスが効いたカクテルが出来上がり。

マスタードの使い方は意外にも多くあり、さすがどの家庭にも一つはコルマンズというほどイギリスに浸透した庶民の味ということがうなずけます。

高品質の美味しいマスタードならコルマンズ、英国のもう一つの顔を紹介できたでしょうか?

 

参考:
Colman’s our story (https://www.colmans.co.uk/our-history.html)
OurCreative. (https://www.our-creative.com/work/colmans)
Historic Colman’s mustard sites given listed protectio (https://www.glasgowtimes.co.uk/news/19947565.historic-colmans-mustard-sites-given-listed-protection/)


<プロフィール> ビスコム
ロンドン在住ライター。イギリスに住み、さらに強くなったデザインやアートへの興味をライティングに活かす。インテリアにも食指が動き、Edward BulmerやWilliam Morrisのセンスに憧れる。剣道道場運営やボランティア活動も行ない、バランスのとれた在英生活を満喫中。

 

※掲載商品・パッケージ等のデザインは当サービスの制作実績ではありません。
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