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ペットボトル

コカ・コーラが100%植物由来の新ペットボトルを発表

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米コカ・コーラ社が2021年10月、100%植物由来のペットボトルの試作品を発表しました。市販品生産に対応できる製造技術を使った試作品は、同社としては初めてです。

コカ・コーラ社は、2015年にイタリアで開かれたミラノ国際博覧会でも、植物由来プラスチック100%のボトルの試作品を公表しています。しかし、今回あらたに発表された100%植物由来ボトルは、ミラノで発表された試作品とは異なる新技術で作られました。

SDGs

現在、地球環境のサステナビリティにどう対応しているかが、企業の社会的責任という面からも重要視されています。最近はプラスチックによる海洋汚染がクローズアップされてきました。これは、SDGsの「海の豊かさを守ろう」という「目標14」にも関連しています。

ペットボトル2

一方で、コカ・コーラ社に限らず、販売されているドリンク製品の多くに使われているのが、ペット(PET)ボトルなどプラスチック容器です。地球への負荷の少ない素材による次世代プラスチックへのシフトがますます求められています。

 

100%植物由来プラスチック「bPET」

プロトタイプは、キャップとラベルを除くボトル本体に100%植物由来のプラスチックが使われています。キャップとラベルは通常のプラスチックです。米コカ・コーラ社のプレスリリースでは、この100%植物由来のプラスチック素材の名前を「bPET」としています。この「b」は、おそらくバイオテクノロジーからとったものでしょう。

市販品にも応用できる製造技術を使って、約900本の試作品が作られました。100%植物ベース素材のボトルを大量生産する道筋が見えたということです。また、この新素材ボトルは、石油由来のペットボトルと一緒に、既存のペットボトルリサイクル設備で、ペットボトルに再生できます。

 

2009年に「プラントボトル」を発表

コカ・コーラ社は、植物由来のプラスチックボトルの開発を10年以上前から進めてきました。同社が「プラントボトル(PlantBottle™)」と名付けた新素材プラスチックボトルの採用を、最初に発表したのは2009年です。プラント(plant)は英語で「植物」を意味します。この「プラントボトル」は、植物性由来のプラスチックの割合が最大30%です。

ペットボトルの「ペット」は、ポリエチレン・テレフタレートの英語の頭文字「PET(ピーイーティー)」をそのように呼んでいます。PETは、ABS樹脂やポリカーボネートなどと同じく、石油から作られるプラスチック素材の1種です。PETで作られたボトルなので、ペットボトルまたはPETボトルと呼ばれます。

ポリエチレンテレフタラート

PETは2種類の分子が原料です。モノエチレングリコール(MEG)が約30%、とテレフタル酸(PTA)が約70%という構成になっています。2009年から導入されている「プラントボトル」は、モノエチレングリコール(MEG)の原料をサトウキビなどに置き換えたものです。石油への依存を減らすとともに、従来からのペットボトルと同じく100%リサイクル可能です。

その後、2015年のミラノ万博で、世界初の植物性由来プラスチックの割合が100%の新ボトルの試作品が公開され、さらに今回のアナウンスで、そのあたらしい「プラントボトル」の実用化に向けた進化があきらかになりました。

 

「ボトル to ボトル」の取り組み

ボトル to ボトル

ペットボトルの場合、ゴミの廃棄量や環境への負荷を減らし、資源として活用する方法のひとつに、リターナブル・ペットボトルがあります。ガラス製のボトルなどと同様に、使用済みペットボトルを回収・洗浄して、そのままの形で繰り返し再使用(リユース)するものです。

これとは別に、回収したペットボトルを粉末状にくだいたり、化学分解などによって、プラスチック原料とする再生(リサイクル)があります。リサイクルで作られる製品は、繊維や食器などさまざまです。そのうち、使用済みペットボトルから、また新しくペットボトルを再生することを「ボトル to ボトル」といいます。




米コカ・コーラ社は2018年に「廃棄物ゼロ社会(World Without Waste)」というビジョンを掲げ、同社が販売する製品と同等量のボトルを回収することを目標としました。同社はこれを実現するために、ボトル to ボトルの活動に力を入れています。しかし、現時点では、回収したボトル1本から新しく1本を再生するというわけにはいきません。飲料製品のパッケージには、キャップやラベルなどリサイクルできない素材が含まれているためです。

そこで、コカ・コーラ社は現在、次のような活動を進めています。ひとつは、上に述べたように、ペットボトルのリサイクルです。ふたつめは、食品用途以外で作られた低いグレードのプラスチックを原料として、飲料製品用のペットボトルに再生する新技術への投資。3つめは、植物の力を利用して、リサイクル可能なペット(PET)を作り出すことです。「プラントボトル」はこの活動の具体例です。

 

日本市場での100%リサイクルペットの導入

植物由来のプラスチック素材を使った「プラントボトル」を米コカ・コーラ社が発表した2009年に、日本コカ・コーラからミネラルウォーターブランド「い・ろ・は・す」がデビューしました。飲み終わったら簡単につぶせる、業界最軽量ボトルが大きなアピールポイントでした。この「い・ろ・は・す」も、翌2010年に「プラントボトル」を採用します。

https://www.youtube.com/watch?v=BlSnA_RVyd8

2020年3月に、同ブランド製品のひとつ「い・ろ・は・す 天然水」の555ml容器が、100%リサイクルペットボトルに切り替わることがアナウンスされました。使用済みペットボトルのリサイクル原料のみで作られたペットボトルです。つまり「ボトル to ボトル」の一環です。




さらに日本コカ・コーラシステムは、2021年5月31日から「コカ・コーラ」「コカ・コーラ ゼロシュガー」「コカ・コーラ ゼロカフェイン」「ジョージア ジャパン クラフトマン」などにも100%リサイクルペットボトルを導入しました。容器のラベルには「100%リサイクルペット」と表示されています。

これらのボトルも、数年後には「100%植物由来」の「100%リサイクルペット」に変わるかもしれません。

 

紙ボトルというもうひとつの道

紙ボトル

サステナビリティに配慮した容器として、新素材プラスチックとは別に紙製のボトルの可能性を探る動きもあります。

2019年に、スウェーデンの紙パルプ製造会社とオーストリアの容器製造会社がデンマークで、紙製ボトル開発合弁会社Paboco(パボコ)社を成立しました。Paboco社は、世界的ブランドと協働体制を作っています。

米コカ・コーラもPabocoのパートナーです。2021年6月からハンガリーで炭酸飲料「AdeZ」に紙製ボトルを試験的に導入しました。また、米P&Gは、柔軟剤「レノア」の紙容器を2022年から欧州で導入すると発表しました。ウォッカのブランド「アブソルート」も英国とスウェーデンで、紙製ボトルを使った特定の製品を試験導入しています。試験的に使われているPabocoの容器は、紙とプラスチックを組み合わせたものですが、将来的には紙100%ボトルの実現を目指しています。

また、世界的アルコールブランドを数多く扱っている英ディアジオ(Diageo)社も、Pilot Lite(パイロットライト)社とPulpex(パルペックス)社を共同設立し、紙製ボトルの「ジョニーウォーカー 黒ラベル」を販売するなど開発を進めています。

次に飲料製品を買うときには、リサイクルプラスチックであるか?容器の素材は何か?などに注目してみるのもおもしろいかもしれません。


【参考資料】
Bottles Made From 100% Plant Plastic | The Coca-Cola Company (https://www.coca-colacompany.com/news/100-percent-plant-based-plastic-bottle)
Coca-Cola Unveils New Prototype Bottle Made From 100% Plant-Based Sources | Press Release (https://www.coca-colacompany.com/press-releases/coca-cola-unveils-new-prototype-bottle-made-from-100-percent-plant-based-sources)
Exclusive: Coca-Cola unveils prototype bottle made from 100% plant-based sources – Packaging Europe (https://packagingeurope.com/coca-cola-unveils-prototype-bottle-made-from-plant-based-sources/)
The Coca‑Cola Company unveils 100% plant-based plastic beverage bottle (https://www.packaging-gateway.com/news/coca-cola-company-plant-based-bottle/)

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