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商標登録出願前にやっておく4つの事とは

商標登録出願前にやっておく4つの事 ~ 弁理士がお答えします。

商標登録出願前にやっておく4つの事とは

節分を過ぎて暖かい日と寒い日が交互に来ておりいよいよ春の足音が近づいてきていますね。この気温差の中で風邪やインフルエンザで体調を崩されている方が多いようです。また、コロナウィルスの感染が広がっている様ですので、うがいや手洗いなど対策をしっかりしてお過ごしください。

今回は、タイトルの通り商標登録出願をする前にやっておく事(4つ)を説明していきます。

新しい商品やサービスを企画・開発の結果、ネーミングも決まり、いざ商標登録をしようと考えた際に、何をすれば良いのかと迷われると思います。その場合には、お近くに弁理士などの専門家に相談または依頼したり、他にも商工会議や弁理士会の窓口でも相談に応じてくれますので、ぜひご利用ください。

しかし、そこに行くことが出来ない、又は、事前に自分で調べたいという方に対して商標登録出願前にやっておく事を整理しておきたいと思います。

 

商標登録出願前にやっておく事(4つ)は何か?

それでは、商標登録出願にやっておく事を早速説明します。

それは次の4つのステップになります。

① 商標登録したい名称やロゴ(商標)の決定をする。
② その商標をしようする商品・サービスの特定をする。
③ その商標と類似する先行の商標がないか先行商標の調査をする。
④ 特許庁に対して商標登録出願の願書を作成する。

新しいブランド名やロゴデザインを商標登録する場合には、事前に上記の4つのステップを確認します。私も実際にクライアントから相談があった場合には、上記の4つのステップを確認して出願をしています。

この流れを参考にして実際に実践していただければ、ご自身で商標登録出願の手続きも可能ですのでぜひお役立てください。

 

① 商標登録したい商品・サービスの名称やロゴ(商標)を決定する!

商品・サービスの名称やロゴ(商標)を決めよう

まず第1に商標登録したい商品・サービスの名称やロゴ(商標)を決めます。

今回はどんなブランドを立ち上げますか?

ブランディングについての解説はこのコラムではなく別の記事に譲りますが大切なのは、

顧客・ターゲット
創業から今までのヒストリー
ブランドコンセプト

をしっかりと落とし込んだ商標を作ることです。

この作業が一番大切で重要になりますが、せっかく考えた商標を他人に使われないようにするのが商標登録の最大の目的になります。

その結果、出来上がった商品・サービスの名称やロゴ(商標)に基づいて次の作業に入ります。

ただし、既に競合他社が御社の検討前に同一または類似の商標を既に登録している場合がありますので、初期段階では万が一に備えて、候補となる商標を2~3個考えておくことをオススメします。

 

② 商標を使用する商品・サービスを特定しよう!

商品・サービスの区分を決める

商標が決定したら、次はこの商標をどの商品・サービスに使用するか特定する必要があります。

その理由は商標登録の手続きにおいて、特定した商品・サービスが何かを商標登録出願の願書に記載する必要があるからです。

そして、これらの商品・サービスは例えば、医薬品であれば第5類、洋服であれば第25類、飲食店であれば第43類…といった感じで予め決められた45個のカテゴリー(区分)に分けられています。

ですので、この第2ステップでは商標登録出願の願書を作成するために商標を使用する商品・サービスの区分を特定する必要があります。

ちなみに、この商品・サービスの区分や分類は世界共通で定められており、日本だけでなく中国やアメリカ、欧州でも商標登録する際の区分について同じ分類表に従って商品・サービスを特定します。

 

③ 一番重要なのが先行調査!

先行調査について

商標や商標を使用する商品・サービスの区分が決定した後は、同一又は類似の商標が登録されていないかを先行商標の調査をします。

これを私たちは先行調査と呼んでいます。

この先行調査は何のためにするかと言うと、競合他社が既に同一又は類似の商標を既に登録をしている場合があります。登録例に重複がないかを確認するために先行調査を行います。

先行の登録例があった場合はどうなるかと言うと、後に商標登録出願をした方はその出願が拒絶されてしまいます。

そのため、商標登録は出願したら必ず登録となる訳でありません。

先ほども述べた様に、先行調査で同一又は類似の商標が見つかっても変更ができる様に候補となる商標を複数用意しておいた方が無難です。

下記の経済産業省所管の法人が提供する検索サービスを利用して先行調査することができます。

特許情報プラットホーム(J-Plat-Pat)

>> 特許情報プラットホーム(J-Plat-Pat)https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

このツールを使えば誰でも簡単に先行調査をすることが出来ますので、一度試してみて下さい。もし使い方がわからない場合には使い方を説明しますので、遠慮なく連絡ください。

 

④ ここまで来てようやく商標登録出願の書類作成です!

商標登録出願の書類作成について

①から③までの問題なく通過してきたら、ようやく商標登録出願の書類作成になります。

商標登録出願の願書には商標登録を受けたい商標や、商標を使用する商品・サービスの区分及び商品・サービス、出願人を記載します。商標登録を受けたい商標は①で決めたご自身が商標登録したい商標を記載します。

商標は文字やロゴ、文字とロゴの組合せなど様々ありますが、希望する形態で書類を作成します。

商標を使用する商品・サービスの区分および商品・サービスは、②の特定した区分と商品・サービスの区分とその商品・サービスの内容を記載します。その他、出願人の住所又は居所や氏名または名称を記載すれば完成です。

特許庁

moonrise – stock.adobe.com

完成した書類は、特許庁に提出します。提出方法は電子申請でも郵送のどちらでも可能となります。

もし、郵送にて書面で出願する場合には指定された額の特許印紙を貼ります。(収入印紙でなく特許印紙になります。大きな郵便局に行けば購入できます。)全て完成した後に書類を特許庁に提出すると出願が完了したことになります。

この後の流れについて、また次のコラムで詳しく説明したいと思います。

 

長くなりましたが、今回は商標登録出願前にやっておくべき事(4つ)を簡単にですが解説しました。言われてみれば単純な事ばかりですので、ぜひ一度ご自身でもトライしてみて下さい。

もしやり方などがわからない質問したいなど疑問点がありましたら、遠慮なくご連絡いただければ幸いです。

 

※コラムは執筆時の法令等に則って書いています。※法令等の適用は個別の事情により異なる場合があります。本コラム記事を、当事務所に相談なく判断材料として使用し、損害を受けられたとしても一切責任は負いかねますので、あらかじめご了承ください。


<プロフィール> 加藤拓司(弁理士)加藤国際特許事務所 代表
大学卒業後に一般企業でSE(システムエンジニア)として勤務中に弁理士資格を取得して独立起業。現在、主に中小企業向けに起業や新規事業の立ち上げの支援や商品・サービス企画段階で知的財産権を活用したアドバイスを行う。趣味は音楽鑑賞や旅行、サイクリング、妻と娘1人、名古屋市在住。

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