リーボックが2020年からブランドロゴを「ベクター」に統一すると発表

© REEBOK – Reebok News Stream

スポーツシューズで有名なリーボック社が、2019年11月6日(現地時間)に、ファッションカテゴリー「Reebok CLASSIC」(リーボック・クラシック)とフィットネスライン「Reebok」(リーボック)のブランドロゴを2020年から統合することを発表しました。

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新しいロゴは、1980年代から使われてきたシンボルマーク「ベクターロゴ」と「Drop-R」(ドロップアール)のワードロゴをアップデートしたバージョンになります。

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ファッションとフィットネスのロゴを統合

「Reebok」ブランドは1980年代に全世界的なブランドとして大躍進を遂げますが、フィットネスシーンだけでなくカジュアルシューズとしても人気アイテムになっていきました。一方、フィットネスやスポーツ用のパフォーマンスモデルにも力を入れていたリーボック社は、1992年に製品群をファッションラインとパフォーマンスラインにカテゴリー分けします。

リーボックのベクターロゴ

ファッションカテゴリーは「Reebok CLASSIC」と名付けられ、過去の人気モデルの流れをくむスニーカーをファッションアイテムとして提供してきました。2012年ごろからは「スタークレスト」(Starcrest)ロゴと「ベクター」ロゴが用いられるようになります。

Reebok Deltaロゴ

一方、パフォーマンスラインについては、トレーニングや競技用のアイテムを開発してきましたが、2011年に新たな「Reebok Delta」(リーボック・デルタ)ロゴを発表。フィットネス用シューズやトレーニングウェアにはデルタロゴが使用されています。

今回の発表は、このファンションカテゴリーとフィットネスカテゴリーのロゴを2020年から統一するというものです。統一ロゴは、シンボルマーク「ベクター」(Vector)ロゴと「Drop-R」(ドロップアール)の組み合わせとなります。「CrossFit」とのコラボレーションアイテムやアメリカの総合格闘技団体UFCと契約した一部商品では、引き続きデルタロゴが使用されます。

「現代の消費者は、ジムでのワークアウト時と日常を細かく棲み分けしておらず、普段着とスポーツウェアの垣根はなくなりつつあります。(…中略…)今後は『ベクターロゴ』のもと、カテゴリーの境界を越え、ブランド全体で一貫性のあるプロダクトを展開していきます」(リーボック社プレスリリース)

 

シューズのデザインから生まれたベクターロゴ

リーボックのロゴは90年代初頭まで主にワードロゴと英国国旗を組み合わせたものでした。「Reebok」ブランド大躍進のきっかけとなったフィットネースシューズ「Freestyle」(フリースタイル)発売10周年の1992年に「ベクター」ロゴを発表します。近年「Reebok CLASSIC」に使われてきたベクターロゴは元々はパフォーマンスモデル用に開発されたものでした。

弧を描く2本のラインに楔(くさび)のような鋭い三角形がクロスするベクターロゴは、当初は国旗と同じく深いブルーとレッドで描かれていましたが、ほどなく単色に変わります。リーボック社のプレスリリースには「リーボックのサイドストライプとクロスチェックデザインをベースに作成されました」とあります。

リーボック社の広告デザイン

1980年前後当時のリーボック社のランニングシューズを見るとベクターロゴのルーツであることがわかります。ただし、新しいロゴは従来斜めにカットされていた端を水平にしたりラインの感覚を広げるなど視認性に配慮して手が加えられています。アップデートの内容を説明する動画をリーボック社の公式サイトで見ることができます。

 

「ドロップアール」ワードロゴと書体「Motter Tektura」

リーボックの広告デザイン

リーボック社の「Aztec」(アズテック)というランニングシューズは、1978年に米国のランナー向け雑誌『Runner’s World』誌で五つ星を獲得した名作モデルです。

1980年のAztecの広告はパフォーマンスを全面に押し出したファッションとは無縁のものです。ここではすでに「Drop-R」(ドロップアール)と呼ばれるワードロゴが使われています。使われている書体はオーストリアのデザイナーOthmar Motterが1975年に作り出した「Motter Tektura」です。

Motter Tekturaフォント

この書体はアップル社がまだアップルコンピュータ(Apple Computer, Inc.)という名前の時代、MacもMacintoshも生まれる以前のロゴにも使われていました。

アップルコンピュータの旧ロゴ

画期的なパーソナルコンピュータ「Apple II」(アップル・ツー)が発売された1977年にロゴがリニューアルされ、商品本体のプレートにもこの書体が使われました。リーボック社の2020年からの新しいドロップアールワードロゴは、従来のバージョンをベースにしながら、それぞれの文字の太さや形状、字間が少しずつ調整されていて、ベクターロゴとのスペースも変更されています。

 

スタークレストのデザインの起源は足跡

スタークレストのロゴデザイン

ところで前項で紹介したAztecの広告はベクターロゴが生まれる前のものですが、ワードロゴに添えられているのは英国国旗ではなく勲章のようなシンボルマークです。

このマークは「Starcrest」(スタークレスト)と呼ばれるロゴで、シューズのシュータン(またはベロと呼ばれる足の甲の上の部分)にも入れられていました。スタークレストは一対の矢じりのようなシンボルが放射状に集まって形づくられています。

この矢じりのようなシンボルは「リーボック」という社名の元となった動物「rhebok」(リーボック)の2本のヒヅメの足跡がヒントになっています。1977年の広告には、ドロップアールではない手書きのワードロゴとともに、スタークレストになる前の矢じりのシンボルが英国国旗と合成されています。矢じりのシンボルはドロップアールのワードロゴと一緒に使われていたこともありました。

 

女性向けエアロビクスシューズでトップブランドへ大躍進

動物のリーボック

リーボック社はジョー・フォスター(Joe Foster)とジェフ・フォスター(Jeff Foster)の兄弟によって英国イングランド北部の都市ボルトンで1958年に設立されました。辞書で「rhebok」という単語を見つけ、「Reebok」として社名にすることにしました。リーボックは、南アフリカに生息するアンテロープの一種で、シカやガゼルに似た俊敏な動物です。

同社は1982年に女性向けフィットネスシューズ「Freestyle」を発売。エアロビクスブームに乗ってFreestyleは全米で大ヒットします。エアロビクス愛好家だけでなくオフィスワーカーの通勤用シューズとしても人気となり、「Reebok」は米国市場で一躍トップブランドとなりました。また、1989年には空気圧を調整してシューズを足にフィットさせる独自技術「ポンプテクノロジー」を採用した「Pump」(ザ・ポンプ)を発表し、ハイテクスニーカーブームの一翼を担います。90年代後半から2000年代初頭にはスポーツ界を超えてサブカルチャーやアンダーグラウンドでも受け入れられていきます。

2005年にドイツのアディダス社がナイキ社に対抗するためにリーボック社を買収します。アディダス傘下になったリーボックはファッションではなく技術によってパフォーマンスを追求する路線をとり、「ZigTech」の開発や「CrossFit」との提携などを進めてきました。

 

世界初のスパイクシューズを開発した創始者

フォスター兄弟の祖父ジョセフ・ウイリアム・フォスター(Joseph William Foster)は、靴底に釘を打ち付けるとというアイデアを思いつきました。世界で初めてのスパイクシューズは確かに効果があり、走るスピートが速くなりました。フォスターは1900年にスポーツシューズを製造する会社「J.W. Foster and sons」(フォスター社)を設立します。「ランニングパンプス」(running pumps)と名付けられたスパイクは英国のアスリートに徐々に知られるようになりました。

1924年のパリ五輪で、フォスター社の陸上用スパイクシューズを履いたふたりの英国選手、ハロルド・エイブラハムス(Harold Abrahams)とエリック・リデル(Eric Liddell)がそれぞれ100mと400mで金メダルを獲得すると同社のシューズは広く知れ渡るようになります。この2選手をモデルにした映画『炎のランナー』(Chariots of Fire)が1981年に公開され、アカデミー賞を受賞しました。

 

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