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情報が封印されてしまっているワインエチケットデザインについて

これで大丈夫?限りなく情報が封印されてしまっているワインエチケットデザイン

情報が封印されてしまっているワインエチケットデザインについて

英語圏ではない海外の国を旅行すると、いかに生活する中で身の回りに溢れる文字情報を頼りに生活しているのかを痛感します。そういう意味でも、ユニバーサルデザインの概念が重要視される理由が理解できます。工業デザインにおいては、消費者に必要情報を効果的に伝える、という役割があり、実際に私たちもその情報を購入する際の参考にしています。その一方で、「あれ?これ何?」とデザイン性を重視しているのか、製品の詳細が大幅に割愛されているものもあります。今回は、そんな大胆に製品情報を削ぎ落とした斬新なワインエチケットデザインを集めてみました。デザインの向こうに潜むメッセージを探してみてください。(※ラベルデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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読み込み中のイライラを見事に再現したワインエチケットのデザイン制作例

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スペイン・バルセロナのワイナリーで製造・販売されたワインのエチケットデザインです。ご覧になっているブラウザーが読み込んでいないのではなく、このエチケットのデザインが「インスタグラムの画像読み込み中のぼやけた感じを見せることで、オンラインで何もかもがすぐ手に入る世界から離れて、わからないもの・見えないものの向こう側にあるものを想像してほしい」という意匠から作られたものなのです。ワインの味も、エチケットに書かれた文字情報からではなく、「想像してみて」という姿勢、というのは、斬新な発想ですね。

「フルーティーでスパイシーな味」など、事細かに文字でその味を説明しているエチケットよりも、落ち着いていろいろなことを想像しながら楽しめるワインなのかもしれません。このエチケットのぼやけ具合が絶妙で、「川辺で座っている女性かなー」とか「うつむいている男性かなー」といった感じで、店頭で考え込んでしまいそうです。「見せない」ことで、人の目線を逆に引き付ける、というのは実に巧妙な宣伝方法といえます。

 

暗号にしか見えないワインエチケットのデザイン作成例

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ギリシャのアベイトン・ラグジュアリー・ヴィラ・リゾートという高級リゾート地で販売されたワインのエチケットデザインです。ギリシャの青い海と白い建物という爽やかなトーンを微塵も感じない、モノトーンな配色に暗号のような幾何学的なシンボルが描かれているだけ、というまさにスタイリッシュモダンをお手本のようですね。

ちなみにこの3つのシンボルには、それぞれしっかり意味があるのです。左から「太陽」「海」「舗装された道路」。この連想ゲームはかなり高度ではないでしょうか。この3つがこのリゾートホテルのセールスポイントということで、ここでしか手に入らないワインのエチケットに盛り込まれています。黒を基調とした高級感満載のリゾートホテルをイメージして、ホームページを覗いてみると、そこに広がるのは「ザ・リゾート」な空間で、青い空・青い海、眼前にはギリシャ正教の聖地といわれるアトス山を望むという海沿いのリゾート地でした。ワインエチケットと実際のリゾートのもつ空気感の違いは、「いつまでも浮かれてはならない」という戒めのようにも感じてしまいます。

 

却下されているようで、どこか堂々としたワインエチケットのデザイン

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アルゼンチンで製造されたワインの限定版エチケットデザインです。黒いボトルに黒地の背景、そこにブラシのようなもので、「×」が描かれているだけで、その裏にアンバランスなくらい小さな文字でこのワインブランド名「REVOLUTION IS WHERE THE MARK IS」と書かれています。「×」をみると、自動的に「ダメ」「間違い」といったネガティブメッセージを受け取ってしまうのは日本人の気質なのでしょうか。デザイナーの説明によると、「2本のラインが重なるところ、そこで創造性や変革が起こる」という意匠からきているデザインだとか。ここで、ブランド名の「革命は印が付いている場所にある」という意味が理解できます。ここまで目に見える情報は少ないにもかかわらず、そこに込められている想いやメッセージの深さと壮大さに驚きます。

このデザインを担当しているデザイン事務所「Red Box Mendoza」のアートワークは、全体的にダークなトーンにインパクトのあるワンポイントという構図のものが多く、ミニマムでパワフルなデザインが得意なのかもしれません。この革命ワインが部屋にあるだけで、革新的なアイデアに出会えそうな気がします。

 

これでも完成版なワインエチケットのデザイン制作例

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西オーストラリア州にあるパースより南部に位置するフランクランドリバーのワイナリーで製造・販売されているワインのエチケットデザインです。1800年代後半に川沿いで栽培を開始したブドウ畑から生まれたワインで、卵型のワインタンクで醸造されています。ということで、この卵型のエチケットは、卵そのものをイメージしたものということです。「シンプルを極めることで、誰からも認知されるものになり、慣習的なブランディング方法を覆すことができる」という、この柔らかなデザインからは想像できないパワフルな意匠が潜んでいます。このワインの名前は、「Uovo」でイタリア語で「卵」という意味。機械生産ではなく、ハンドメイドで手間をかけて育てられたワインということが名前の由来だとか。

ワインなのに卵で、この卵ブランディングは細部まで徹底されており、このワインを梱包するボックスは、スーパーなのでよく目にする卵ボックスの素材と形状で、一見すると「卵」が入っているようにしか見えないデザインになっています。「印刷し忘れたのか?」と思わせておいて、この卵型の無地のエチケットに、とんでもない情報が隠されているのです。優秀なパッケージデザインに与えられる「ダイラインアワード」で1位を受賞するなど、デザインとしても高い評価を得ている、ユニークなワインエチケットです。

 

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。

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