Peace One Dayの新ロゴはピースマークがモチーフ

2019年9月3日(現地時間)、ブランディング専門会社Interbrand(インターブランド)がNPO法人「Peace One Day」(ピース・ワン・デイ)のロゴ・リニューアルを発表しました。1999年に発足したPeace One Dayの20周年を迎えておこなう初めてのリ・ブランドとなりました。ピースマークをモチーフにした新ロゴの意図を見てみましょう。

 

Peace One Day について

ロゴのリニューアルの意味をさぐる前に「Peace One Day」について少し説明が必要かもしれません。

Peace One Dayはドキュメンタリー映画監督で俳優でもある英国人ジェレミー・ギリー(Jeremy Gilley)氏が1999年に設立したNPO法人です。

ギリー氏は、世界中で戦争や紛争、争いごとが絶えない現実に疑問を抱き、平和のために何かをしたいと考えました。まずは1日だけでも武器を置いて平和な日を世界中で実現させようと活動を開始。9月の第3火曜日とされていた「国際平和デー」を特定の日付に変えるよう国際連合に働きかけます。ダライ・ラマやジュード・ロウ、アンジェリーナ・ジョリーなど世界の平和活動家やセレブリティの賛同も得ることができました。ついに2001年に国連総会は、国際平和デーを9月21日に変更し「世界的な停戦と非暴力の日」とすることを満場一致で採択。それ以降9月21日は世界中の機関や団体が緊急支援活動を一斉におこなう日となりました。

その後もPeace One Dayは実効性のあるさまざまな活動を精力的におこなってきました。たとえば2007年には紛争の続くアフガニスタンの140万人の子供たちのためにポリオ・ワクチンを届け、2008年にはデイビッド・ベッカムなどの支援を受けて「One Day One Goal」キャンペーンを実施。またエルトン・ジョン、スティングなど著名ミュージシャンによる活動参加を呼びかけるコンサートもおこなわれています。2019年にはヘイトスピーチ、人種差別、いじめなどを減らし、ネット上での平和なコミュニケーションを求めて「サイバー非暴力」(Cyber Non-Violence)キャンペーンを開始しています。

 

具象的な旧ロゴ

では、Peace One Dayの以前のロゴを見てみましょう。Peace One Day設立以来使われていたロゴは、ハスの葉に地球が乗ったシンボルマークと大文字で組まれたワードロゴとの組み合わせです。どちらかといえば具象的なものです。ブルー基調のロゴはブルーグリーンからパープルまで色ムラのような微妙なグラデーションがつけられていて、地球の輪郭も手書きのようなガタつきが見えます。ワードロゴは活字かタイプライターで刻印されたような不規則さとカスレによる独特の風合いを持っています。一種の「手作り感」と団体の活動を重ね合わせる意図があったのかもしれません。

 

ピースマークをベースにした新ロゴ

設立から20年の節目を迎えてPeace One Dayは新しい段階に入ったため、それを反映するブランド・アイデンティティが必要になった、とジェレミー・ギリー氏は説明しています。20年前に比べると、サイバーテロ、ホーム・グロウンド・テロ、ネグレクト、いじめ、ヘイトスピーチなど環境や団体が取り組むべき課題の様相が変わってきているのかもしれません。

新しいロゴは旧ロゴとはきわめて対照的で、幾何学的なシンプルなシンボルマークと「Neue Haas Grotesk」とおぼしきフォントでオーソドックスに組まれたワードロゴで構成されています。シンボルマークは平和運動のシンボルであるピースマーク(Peace Symbol)をベースにしています。マークの一部がピザの一片のように離れているのですが、これは平和のためのひとりひとりの活動、ひとつひとつの小さな変革の象徴です。

「個人個人が状況を変えることができるのです。力を合わせれば平和はいつか(=one day)訪れます」(ジェレミー・ギリー氏談)

今回のブランディングを請け負ったブランディング企業 Interbrand は次のようにコメントを出しています。

「新しいブランド・アイデンティティによってPeace One Dayの活動はこれまで以上に認知され、すべての人が行動を起こせるものとなります。新ブランドロゴは、『#doyourpeace』(=Do your peace)のハッシュタグに支えられて今日のあらゆるプラットフォームで展開されます」

確かに古いロゴでは日々革新されるデジタル・プラットフォームでの使い勝手は悪いかもしれません。

 

誰もがカスタマイズできるオープンなロゴ

Interbrandによると、「力強く、シンプルで、オープン」なロゴは、「安らぎと信頼を象徴する」ブルーを基調色とし、「開放性とエネルギーを表す」パステルカラー群を補助的なパレットとしています。

1958年に元祖ピースマークをデザインしたと言われているジェラルド・ホルトム(Gerald Holtom)は、そのロゴが平和のための普遍的なシンボルとなることを求めて、著作権を主張しませんでした。

「(ホルトムは)平和を実現するために活動する誰もが使えるオープンなものにしたかったのです。ギリー氏の目標にはホルトムと同じ考え方があると我々は考えました」

そこでInterbrandは、世界中の人々が「Peace One Day」 (1日だけの平和)をそれぞれのやり方でできるように永遠にカスタマイズ可能なものにデザインしました。

 

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Interbrandのサイトにシンボルマークのカスタマイズ例があります。色の変えるだけでなく、好きなパターンやテキストにラインをアレンジしたりしています。コンセプトに合わせて花びら、ろうそく、弾丸など自由な表現が可能であることがわかります。

 

国際平和デーについて

「国際平和デー」(International Day of Peace)とは国際連合が定めた記念日です。これは毎年9月21日を非暴力と停戦の日とし、敵対行為の停止を世界に呼びかけることを目的としています。国際平和の日や世界平和の日(World Peace Day)などとも言われます。この日には日本から送られた「国際平和の鐘」を鳴らすセレモニーがニューヨークの国連本部でおこなわれるのをはじめ、紛争地を含め世界中で平和のためのアクションがおこなわれます。「国際平和デー」は1981年に国際連合が制定したのが始まりですが、この時は国連総会の通常会議開始日と同じ9月の第3火曜日に決められました。第1回めの国際平和デーは1982年です。

 

ブランディング専門企業 Interbrand

Interbrandのロゴ

Interbrand(インターブランド)は1974年に英国ロンドンで設立されたブランディング専門の会社です(現在の本社はニューヨーク)。

同社が考案したブランドの金銭的価値を測定する手法である「ブランド価値評価」は世界標準手法としてISOに認められています。日本法人もあり、日系大手企業や政府・官公庁など多くのクライアントを持ちます。

design : Interbrand

 

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