タイプ(書体)デザイナー “エリック・シュピーカーマン” への9つの質問 – デザイナーインタビュー

タイプ(書体)デザイナー エリック・シュピーカーマン氏のインタビュー動画(Made by Folk)を翻訳して紹介しています。

僕は、エリック・シュピーカーマン。ベルリン出身。ロンドンに住んだり、サンフランシスコに住んだり、そういう生き方をしているんだ。

「今日は何を学んだ?」

ここにWiFiがないってことだね。うそうそ、冗談だよ。

昨日の夜、バルセロナが好きだってことを学んだよ。よく来る街だけど、本当に素晴らしい街だね。

 

「ポケットには何が入ってる?」

そういうことも聞くんだね。iPhoneとハンカチだけだよ。いつも新しいハンカチを持ち歩いてるんだ。キレイなのだけね。これはそんなに新しくはないけど。鼻水拭きにもなるけど、僕はキレイなものをいつも持ち歩いている。僕のポケットの秘密だね。

 

「今のあなたを作り上げたのは誰?」

まぁ、母親だろうね。産んでくれたから。

あと、素晴らしい恩師が2人いるよ。ひとりは学校のドイツ語の先生。無駄なものを切り落とすことを教えてくれた。何かを書き終えたら、まずそれを半分のサイズまで削ぎ落とす。それを続ける。おかげで端的にものを書けるようになった。大抵の人は長く書くことしかできないだろ。僕は話は長いけど、書き物は短いんだ。

もうひとりは、ドイツにある団体のアーティスティックディレクターだね。デザインにおける書体について教えてくれたんだ。

 

「1日だけ別の仕事ができるとしたら何をする?」

脳外科医だね。誰かを傷つけることにとてつもない恐怖感があるんだ。その恐怖感には打ち勝たないとだめだ。誰かを切る必要があるんだからね。その恐怖をいつか克服したいと思ってる。どうしてなのかわからないけど、人にドリルで穴を開けるとかってすごいじゃない。本当にどうしてこんなことを思うのかわからないんだ。

ロンドンに住んでいた頃、パッケージツアーみたいなもので旅行に何度か行ったことがあって、その頃4・5歳の子供を連れててね。他は中下流階級のイギリス人参加するようなツアーだよ。どういう感じかわかるだろ。ブラックプールに行くようなのとはまた違ったんだけど、あるときギリシャに行ったんだ。自分たちと同じくらいの年代のカップルがたくさんいて、そこでパーティーをしているような感じでね。そこで2週間の休暇を、子供の頃やら学校のことやら、そんなような話をして過ごすことになるわけだよ。

そこで、何の仕事をしているのかって話になってね。保険会社やら銀行やらと、それぞれ答えてて、僕も聞かれたんだ。もしそこでデザイナーだって言ったら、そこから2週間かけてずっとその説明をすることになるだろうし、書体デザイナーなんて言えるわけがない。だから、脳外科医だって答えたんだ。その瞬間にみんな黙ったね。「あーそうなんだ、じゃあ」みたいなね。

それからは普段家の近所を歩いているときは脳外科医だったんだ。ハロウィーンの時だけだったけどね。真面目な話だけど、建築家になれてたかもしれないね。美術史家の教育を受けたことがあって、もっと勉強していれば建築家にもなれたんだけど、勉強しなかったんだ。

 

−書体デザイナーと比べて建築家はもっと大変ですか?

そりゃそうだよ。必要な時間を考えたらわかる。僕はすごく時間を費やしたんだ、つまり建築を学ぶのに時間をかけたってこと。それは自分たちのようなグラフィックデザイナーとも違うし、プロダクトデザイナーとも全く違う。建築家やプロダクトデザイナーの方がグラフィックデザイナーよりも多くのことを学ぶ必要があるんだ。僕たちは、紙とか画面上でいくつかのプログラムを使用して作業をするだけで、僕は暗室関連のこととか現像についても学んだけど、そんなのは簡単なんだよ。

プロダクトデザイナーになると、いろいろな素材やら、3次元のデザインやら、もっと多くのことを学ぶ必要がある。建築になると、さらにもっと多くのことを学ばなければならない。正確な知識がないと建物は倒れてしまうんだからね、わかるだろ。少なくとも、ドイツの建築家はエンジニアであり、かつ建築家なんだ。彼らはデザイナーであり、プロデューサーであり、オーガナイザーであり、建設者でもある。統制・秩序をとる必要があり、そのためには膨大なデータが必要になる。とても難しいことだよ。

 

「何か収集しているものはある?」

面白いことに、本当にいろんなものを持ってるけど、収集しているものはないんだ。ただ積み重なって集まってきているだけ。いくつあるのかわからないけど、60~70年代のブロワーの部品は何百個も持っているし、本は6000冊もあるし、自転車は9台か10台あるし…そうだね、とにかくいろんなものをたくさん持ってるんだ。でもどれも収集したものではないんだ。どう言えばいいんだろう…気付いたらそれだけあったって感じだね。

ギターやら看板やら、見つけたものを保管してると、気付くとコレクションになってるんだよ。それがどういうもので、いつ作られたもので、どのメーカーのものか知らないけどね。ただ持ってるだけ。

 

「その中でお気に入りのものは?」

そうだね。お気に入りはあるよ。1970年代に初めて買ったライカで、その時は手が出ないような高価なものだったんだ。とにかく高くて….中古だったんだけど、今でも持ってる。1930年代のライカで、もう撮影は無理だね。撮影しようと思ったら55個くらいあるボタンを調整して、クランクやらハンドルやらを設定して、被写体を焼くのに30分かかるんだよ、テーブルとかの下でね。だからもう使わないけど、素晴らしいものだよ。

 

「F-F-Fは何の略?」

フォント、フォント、フォント。他に何がある?

それか、くそ最高なフォント(ファッキング・ファビュラス・フォント)とかかな。何だか、下手な造語に聞こえるね。

個人的に「フォント」って言葉よりも「書体」という言葉の方が好きなんだ。僕は「書体デザイナー」であって、「フォントデザイナー」ではないんだよ。

 

「何か面白い話を知ってる?」

僕は面白い話をするスキルはゼロなんだ。話をスキルがないというか、そういう話を全く覚えてないんだよ。誰かが面白い話をしてて、これは面白い!これだ!この話は絶対に忘れない!と思っても、5分後には「何だったっけ?」ある男が医者のところに行って…で…ただそれ用の記憶力がないんだよ。世界中のフォント、書体、名前とか全部覚えられるのに、たった一つの面白い話が覚えられないんだ。本当に申し訳ないね。これは、パス。ひどい話だと思わない?変な話だよ。完璧な記憶力があるのに面白い話は覚えられないんだ。

神は何を伝えようとしてるんだ?面白い話を覚えることと、面白いことをすることは別ものだよ。面白い話を覚えるのはバカになることなんだ。みんなに言っておきたいね。別ものだって。

 

参照リンク : Erik Spiekermann – FormFiftyFive – Made by Folk (CC BY 3.0)
当記事はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(Creative Commons license / CC license)に基づいて編集しています。

共感いただけましたら、いいね!シェアいただけますと幸いです。

ASOBO DESIGN™ とは

ASOBO DESIGN ロゴ

ASOBO DESIGN (アソボデザイン)へようこそ!デザインの制作に関わることは何でもご相談ください。

チラシ・ポスター・パンフレットや、名刺・ショップカード・DMなどの各種印刷物、看板・ロゴマーク・パッケージデザインまで幅広いグラフィック・広告デザインに対応いたします。デザイン制作だけでなく、印刷から納品まで一貫して対応(※)しており、展示会・キャンペーン・販促宣伝活動等に貢献致します。※一部媒体を除きます

デザインの見積もり・制作依頼

SSL カード決済対応 銀行振り込みの他、各種クレジットカードでのお支払いにも対応しています。

ピックアップNEWS

実用的な折チラシデザイン
書籍「実用的!折りチラシデザイン」に作成したチラシが掲載されました。

チラシデザインが書籍に掲載されました
書籍「タイトルまわりのデザイン表現」にチラシデザインが掲載されました。

チラシデザイン集に掲載されました
書籍「実用的なチラシデザイン」にデザインが掲載されました。

雑誌掲載事例
デザイン総合情報誌「MdN」にWEBサイトが掲載されました。

メディア掲載事例について
インディーズCDの制作ガイドに、デザイナーとしてのインタビュー記事が掲載されました。

インターナショナルファッション誌 "En Vie Fashion Magazine" 内にデザインが掲載されました。

Adobe MAX Japan にて制作デザインが展示されました。

NEWS&PRESS情報一覧


事業概要

ご利用規約

ASOBO DESIGN™ではチラシやポスターのデザイン制作をはじめとした、様々なデザインサービスを行っています。